- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569768618
作品紹介・あらすじ
拾楽とは昔馴染みの女盗賊が、ある日突然、鯖猫長屋に姿を現す。思わせぶりな女の一言、サバの不穏な動きに心がざわつく拾楽は……。
感想・レビュー・書評
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鯖猫長屋の画師・拾楽と長屋を仕切る猫のサバ。
人情あり、怪異あり、ミステリーありの時代劇連作短編集、第五弾。
其の一 隠居の覚悟・・・二キのご隠居と昔馴染みの女盗賊。
拾楽はそれぞれから協力を依頼される。それは太市が絡む過去。
其の二 見晴屋の災難・・・見晴屋の蓬饅頭で腹下し?事件を探ると、
あの女盗賊の姿がチラついている。その思惑は?どうする拾楽!
其の三 迷子の犬・・・其の三は定番の犬の話。
植木屋に生まれた松吉と犬のまる。仲良く育って三年、
松吉は行方不明に。そして四年後にまるも。彼らの行方は?
其の四 盗人の打ち明け話・・・拾楽とあざみの駆け引き。
拾楽の仕掛けた罠は成功したかと思われたのだが・・・。
サバの声ーーー足元に気を付けろよ。
冒頭に、根津・上野・池之端の絵図、鯖猫長屋をめぐる人々、
鯖猫長屋<見取図>有り。
画師・拾楽と猫のサバのコンビが活躍する、時代劇の5冊目。
各話の最初は、枝垂れ桜がサバに語る打ち明け話。
二キのご隠居と女盗賊。太市に関わる二人の決着の行方は!
したたかで痕跡を残さない女盗賊・あざみ。
彼女と太市の過去を知る二キのご隠居の決意。
お互いの過去を知る拾楽とあざみの化かし合い。
あざみの魅惑の声としたたかさは、なかなかなものです。
しかし大人たちの思惑で振り回される子どもたち。
太市と松吉は過去の事は覚えていないのか?
子どもたち自身の言葉が少ないのは、残念でした。
今回は拾楽の活躍主体でしたが、サバは裏で動いていた様子。
ここといった場面で、拾楽にヒントや助言を与えているのが
頼もしかったです。
そして最後のあざみの言葉。続巻でどのような影響が出てくるのか、
心配でもあり、気になります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
女盗賊あざみが、まさかの太市坊母親⁉
いつにも増して、拾楽とご隠居のやりとりや成田屋の旦那とのやりとりが面白かったです。そしてあざみとの騙し合い?
今回の拾楽は黒ひょっとこ。なのにやっぱりサバの前ではあごで使われる子分
心配していた最後にはならなくて良かったのだけれど、ご隠居のご覚悟に見合うエンディングじゃなかったかも -
長屋で一番偉い猫サバと飼い主の拾楽が暮らす
「鯖猫長屋」にやってきた「ニキのご隠居」。
皆に一目置かれる臨時廻同心で、昔馴染みの
女盗賊と決着をつけるため、拾楽に協力を依頼
するが…。「鯖猫長屋」シリーズ第5弾。 -
星三つは「安定のクオリティ」。
拾楽と掛井のやり取り、拾楽とサバのやり取り。ともに馴染んできた。
双方の緊張感はなくなったが、まあそれもまた良し。 -
昔馴染みの女性の登場で以前の顔に戻ることが増えた猫の先生。
もしも正体が明らかになった時に、他の長屋の店子たちの態度が豹変しなければいいのにと思います。 -
内容(ブックデータベースより)
この猫、意外に人情家? サバの大将が思いがけない一面を見せる!
長屋で一番偉い猫サバと飼い主の拾楽が暮らす「鯖猫長屋」に、「二キのご隠居」がやって来る。皆に一目置かれる臨時廻同心で、昔馴染みの女盗賊と決着をつけるため、拾楽に協力を求めてきたのだが、その女盗賊は拾楽とも浅からぬ因縁があり……。
やがて長屋の家主・お智の饅頭屋で事件が起き、拾楽、定廻同心・掛井、サバがそれぞれ動き出す。
サバの不穏な動きに、心がざわつく拾楽は。 謎解き&人情で大好評、累計15万部の人気シリーズ第五弾。
令和5年5月5日~7日 -
あざみという女。
誰かに頼まれたものはなんでも盗む盗賊。
手段は選ばない、逃げ足が早い。
ニキのご隠居の元で身の回りの世話をする太市。
太市の生い立ちに関わる物語。
あざみは、拾楽の今を丹念に調べ、太市を取り戻すための脅しに使う。
これまた読み応えのある事件が次々と、ヒタヒタと押し寄せる危機。鯖猫長屋シリーズ5巻。 -
最後が意外とあっさり…
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シリーズ5弾。猫絵描きの捨楽の元に昔の知り合いの女盗賊が姿を現した。捨てた息子を取り返したいという。しかもそれを拾楽にやれというのだ。長屋の仲間を盾にとられ、悩ましい拾楽。どうするのか。
昔の生業が拾楽を苦め、今の暮らしがどれほど大事かを教えてくれる。どんでん返しが楽しめる作品。