- Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569769820
作品紹介・あらすじ
歴史・時代小説ベスト10(週刊朝日/2017年)第1位
歴史時代作家クラブ賞作品賞受賞
本屋が選ぶ時代小説大賞2位
白村江の戦いの“真の勝者”とは――
東アジアを舞台にした歴史大河小説がついに文庫化!
六六〇年、唐・新羅連合軍によって百済は滅亡、王とその一族は長安に送られた。
遺された王族は倭国へ亡命していた豊璋ただ一人――。
新羅の金春秋、高句麗の泉蓋蘇文、倭の蘇我入鹿、葛城皇子(のちの天智天皇)……各国の思惑は入り乱れ、東アジアは激動の時代を迎える。
大化の改新、朝鮮半島の動乱、そして白村江の戦いへと連なる歴史の裏でうごめいていた陰謀とは。
圧倒的スケールで描かれた感動必至の長編小説。
感想・レビュー・書評
-
新たな豊璋像の可能性を提案してくれた白村江。
白村江の戦いの驚きの説に興奮してしまった。
古代の歴史は創造力の翼を広げられる分野で、今後発見される遺跡や古文書が固い鎧を剥がしてくれるのだろう。
朝鮮半島と日本は深いつながりがあるのは間違いないが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ずっと読みたかった一冊を探していたら、なんと文庫になって登場していたー!
なれない地名、人名に時間はかかってしまったけど、じっくり楽しめた。
百済の滅亡の歴史と豊璋王子の成長、策略家新羅の金春秋、そして倭国の中臣鎌子、葛城皇子と蘇我入鹿。
葛城皇子が中大兄皇子だってちっともわかってなかった歴史オンチですが、大丈夫でした。江戸時代の歴史ものは人情があるものが多いのに、古代になると急に陰謀、策謀、こんなにもドロドロしてたのかしらね。 -
読み方知ってるよ!程度の知識だったんだけど。
この、白村江の戦いを境にして、日本は「国」として百済人を糧に、更に堅めていくんですよね。
いや、複雑……。
しかし、百済の王子・豊璋がどんな想いで倭の国を訪れ、またどんな想いで百済再興に赴いたのか。
確かに小説としてスポットを当てるには、とても良い部分。
けれど、彼に共感すればするほど、その結末を知っているが故の苦しさもあって。
葛城皇子への評価が爆落ちです(笑)
政治的手腕があれば何してもいいわけじゃない。
エンディングは、なるほどそうしましたか、と思わせられますが……。
結局、何のために人は憎悪を孕みながら戦うんだろうか。
一つの国が無くなるということの意味が、きっと私には実感として分かっていないんだろうなと思います。 -
この時代のことは中学高校で習ったことレベルの知識しか無い。本書のような裏事情があったらそれはそれで面白いし興味深いが、設定にリアリティは感じなかった。
人物造形にももう一工夫ほしいが、それなりに面白かったので良しとします。 -
朝鮮半島の動乱、白村江の戦いの裏でうごめく陰謀を描いた歴史物語。
自分が読んできた歴史小説の中で全く縁のなかった時代と舞台だったので、改めて自分の知らない歴史がまだまだあることを思い知らされました。
また、作者がお得意の伝奇物かと思いきや本格的な歴史小説だったので、作者の新たな魅力を感じました。
唐と朝鮮半島の三国と倭(日本)が当時から難しい関係であることがよくわかりました。
その中でそれぞれの国の王たちがあらゆる権謀術数を駆使していく展開がとても興味深かったです。
日本と朝鮮と中国がこれからもどのような関係になっていくのか、改めて考えさせられました。 -
まさに歴史小説という感じ。
時間を追うごとに主人公的存在が変わっていくので、好感が持てた人物が消えていくのが悲しい(笑) -
鎌足と中大兄皇子へのイメージが一変してしまいました。
-
葛城皇子(中大兄皇子)が良い人間として書かれた物を読んだことがないが、今回もやはり全然好感が持てない男振りだった。
彼の傀儡として動いていく豊璋を見るのがとてもしんどかったけど、まさに「運命に抗おうとしている者は、かけがえのないほど美しい」んだなぁって思いました。そういう人間の苦しみが美しい文学になって私たちが甘受してるんだな…つら…
キャラクターがたっててよかった。