- Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569770260
感想・レビュー・書評
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教育人にビジネス書がいかに役に立つのか、それは読み方次第なのだと教えてくれる本。むしろ、成果至上主義に基づき練磨されてきた様々な経験則や理論が教育という情緒偏重社会で生きる教員にとって冷水のようでもあり、また新鮮な空気のようでもある。昨今、教育現場にビジネス的な制度が導入される傾向にあることは時代の流れ。評価もされない生温い現場に甘ったれてる教員は、数値を嫌う。己の無能を隠すためだ。そんなアホはとりあえずビジネス書を読め。
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2002年頃に「すぐに未来予測ができるようになる62の法則」という単行本でこの本を読んだことがありますが、この度文庫化されたので読み返してみました。
日下氏の示す「未来の読み方」というのは数年経っても役に立つものがあると感心しました。未来予測をすることは難しいとは思いますが、予測をする基本となる考え方の「引き出し」を自分が使えるように改良して持っておくことは武器になると思います。ビジネスマンとして読んでおくべき本の一冊と考えます。
以下はためになったポイントです。
・神経密度の高い感覚から低い感覚へ進化の法則が存在する、人間が豊かになっていくと、目や耳で満足する段階(視覚、聴覚)から、舌を満足(味覚)させるようになり、最終的には匂い・肌触り(嗅覚、触覚)にこだわるようになる(p10)
・動物の原型は「腸」、餌を手に入れるために筋肉ができる、しっかり進むために背骨ができる、常に受ける外部からの刺激に対応するためにセンサーができる、最初は触覚、次に嗅覚(鼻)である、だから目に訴えるよりも匂いに訴えるほうが人は動く(p17)
・経済発展の歴史は、「昨日の贅沢は今日は当然、今日の贅沢も明日は必需品になる」である(p30)
・イタリア文化、フランス文化やその生活様式を大量生産しようとしたのが、イギリスの産業革命である(p38)
・新しい様式が最初に出たときが「モード」、世間に広まると「ファッション」、大多数が採用すると「スタイル」、その一部は最後に日常生活と無縁の「礼服」となり消える(p41)
・最後まで流行に乗らないグループ「ラガード」が突然変わるときは、一段上ではなく一番上の「イノベーター」となる(p61)
・消費として自分の生活に使う人は、取得価格・処分価格・複製価格でしか考えないが、儲けの材料にする投資家は「収益還元価格」で考える(p70)
・投機、投資、消費の区別は主観的や事後的には決まるが、客観的、事前には決まらない、なのでバブルは何度も発生する(p76)
・今では重化学工業はハードウェアと思われているが、時間を遡れば当時は貴重はソフトウェアであった、200年前の蒸気機関や蒸気船が何に役立つかと言われながら結果的に産業革命に繋がった(p86)
・日本人は自分が勉強する、アメリカ人はシンクタンクをつくって人に勉強させる、イギリス人は遊びが勉強になっている、つまり勉強している人を親友にしてエッセンスを聞く(p96)
・ケータイの短文を見ると、若い人は学力低下と文章力低下とか言われているが、それは学校が要求する文章力であり、本来の文章力(自分を表現したり、相手を訴えたりする力)は健在と言える(p110)
・売れない原因として、自己責任・精神的理由(熱意なし)・ソフト面の理由(技術なし)という意見は出てこない(p115)
・帰納法には、あらかじめ解答は用意されていない、結果を求めて材料を集めて、なにやら法則を発見して理屈をくっつけて答と考えるのが考え方である(p146)
・人間が知らないものを理解するには2つの方法があり、1)アナロジー:たとえ話、2)アナリシス:箇条書き、分析、である(p150)
・仕事についてイメージする場合、自分が1ランク、2ランク上のポストであればどうするかを日頃から考える癖をつける(p156)
・サラリーマンには3段階あり、20代:新機能、30代:付属機能、40代:周辺との調和が求められ、「あの人が仕事の中心に座ると皆が動きやすい」と言われるように努めるべし(p167)
・ベンチャー成功の条件は、1)動機、2)賢さ、3)度胸、4)情緒の安定、である(p177)
・差の時代、平等の時代とは、どちらが良いのではなく、交代することに意味がある、ミニスカートとロングスカートはどちらも美しいのと同じ(p187)
・資産と持つことは、人脈であり動産であっても、自分の利用能力の範囲にすべき、老後の生活に役立つ技能・学術・名声なら所有しても良い(p198、208)
・世界の7大潮流、大衆消費社会・中流社会・大都市化・平和・少子化高齢化・東洋風への思想革命・多民族共存と人種平等(p210)