原発とプルトニウム (PHPサイエンス・ワールド新書 17)

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  • PHP研究所
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569775623

作品紹介・あらすじ

自然状態ではほとんど存在しない猛毒の放射性元素、プルトニウムは、原爆の材料として人工的にこの世に生み出された。作ったのは科学者。最初は自らの好奇心に忠実に、新しい発見とアイディアに興奮する科学者だったが、やがて戦争の嵐の中で政治の中心に。巨大科学の時代が到来。科学の性格が大きく変質した19世紀末から半世紀を、懸命に生きる科学者たちの群像としていきいきと描く。そして今日の日本の原発とプルトニウムをめぐる複雑な事情にメスを入れる。

感想・レビュー・書評

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  • カエサルの言葉を借りると、どんなに悪い事例とされていることであっても、それがはじめられたそもそもの動機は、善意によるものであった、ということがよく判る一冊。科学の在り方も第二次世界対戦から政治や経済に大きな影響を与えるようになったけど、科学者の好奇心・探究心で成り立っていた時代が長かったんだと思うと複雑。当時の科学者は今のプルトニウムの問題をどう捉えるのだろう。

  • とてもおもしろかったのだが、タイトルと内容があまりに違いすぎる。その内容は、放射能の歴史といった感じのもの。脱原発的なものを期待して読まれた方はガッカリしたことだろう。

    放射能についての歴史的な知識はほぼ身につく。そういう意味では読んでおいて損はないと思うのだが・・・
    学者たちの手によって、新たな発見がどんどん見つかっていくさまは、とてもワクワクして楽しめたのだけど・・・タイトルが「放射線の歴史」とかだったら、星5つつけたのに・・・ほんとに残念な書籍です。

  • タイトルと内容が違いすぎることに苦言。たぶん編集者のミスリードだろうが。
    内容は放射線の発見から原子理論、ついで核分裂の発見からマンハッタン計画と原爆作成までが大半をしめる。原発はさわりだけ。原発の技術情報が知りたい人は他の本を当たった方がよい。
    しかし、原爆開発をめぐる科学史としてみるなら、本書はコンパクトにまとめた良書である。

  • ブクログ始めて初?の「読むの途中諦め」。まあ、個人的に読もうと思った目的と、本書の内容(単なる原子力研究の歴史)とがミスマッチだっただけなのだが。さっさと売ろう。(2011/3/22)

    18番乗り。紀伊國屋書店渋谷東急プラザ店にて購入。未読。(2011/3/15)

  • [ 内容 ]
    自然状態ではほとんど存在しない猛毒の放射性元素、プルトニウムは、原爆の材料として人工的にこの世に生み出された。
    作ったのは科学者。
    最初は自らの好奇心に忠実に、新しい発見とアイディアに興奮する科学者だったが、やがて戦争の嵐の中で政治の中心に。
    巨大科学の時代が到来。
    科学の性格が大きく変質した19世紀末から半世紀を、懸命に生きる科学者たちの群像としていきいきと描く。
    そして今日の日本の原発とプルトニウムをめぐる複雑な事情にメスを入れる。

    [ 目次 ]
    第1章 貪欲と禁欲
    第2章 「あり得ない」ことが起きる…
    第3章 「あり得ない」ことが起きた!
    第4章 失われた元素、プルトニウム
    第5章 原爆開発ゴーサイン、好奇心から愛国心・恐怖心
    第6章 百万分の一秒を目指して―ロスアラモス
    第7章 「原子力平和利用」の時代

    [ POP ]


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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • タイトルがよくないかも。プルトニウムを使った原子力発電の話っぽいタイトルですがそうではなく、まずは人類が初めて「放射線」を発見する経緯、
    それから「核分裂」の探求、そして「原子爆弾」への応用。ノーベルのダイナマイトを越える究極の力を、科学者が手に入れてしまった話がほとんどです。最後の章だけが原子力発電に関する話題ですが、日本の原発が世界の標準とは違った路線を歩んでいることなどに触れており、意外性は高いのですが、この問題については、もっときちんと掘り下げて扱う方がいいような気もする。

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著者プロフィール

『消えた細菌戦部隊——関東軍第七三一部隊』の著者。神奈川大学教授

「2005年 『戦場の疫学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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