時間はなぜ取り戻せないのか (PHPサイエンス・ワールド新書 12)
- PHP研究所 (2009年12月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569775647
感想・レビュー・書評
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「時間」を生命の「主体的意思」(生きようとする意志)の産物として理解しようとする一書。「時間」を単なる相対的時間として理解せず、数学、物理学、哲学を駆使して解き明かそうとしたところが印象的だった。
それにしても、相対性理論がわかった気になる、不思議な一冊。哲学と物理学、数学は隣接してるんだなってことが改めて感じられた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
知ってる人は知っている、物理のハッシー君の本です。受験生の時にはお世話になりした。純粋な物理学の本ではないので、読みやすいですし、興味ある方にはお勧めです。ミンコフスキー空間とかにやにやします(笑)
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ヤバい!めちゃくちゃ面白い。
科学のワクワク感(作者はセンスオブワンダーと読んでいる)を思い出させてくれた。
この本は、科学書というよりsfに近い。
議論もかなり大雑把な部分があり、全てがスッキリ腑におちるという訳ではない。
が、ソレが逆にオモシロイのだ。
この本を、読みながら「時間とはなんなのか?生命とはなんなのか?」という問題に思いを馳せてワクワクした。
なんか、小学生に戻った気がした。
オススメです。
•ココロに残ったエッセンス
重量、慣性力を人間は直接感じるコトはできない。(見える力)
エントロピー増大の嵐から、逆らっているのが生命(生命は主体的意識を持つ)
生命が持つのは、複雑なフィードバックシステム
ミンコフスキー時空では、時間は存在しない
人間原理と多世界宇宙
人間が見ているのはイリュージョン
(宇宙の非対称性の解釈) -
同じ内定先の某内定者I氏に触発されて購入した一冊.
かなり面白い本だった!I氏には感謝の意を評します(・∀・)
同じ著者の本だったってことに気づいたのは読み終わってからだったということは内緒にしたいところ...
前半は時間とはあまり関係なく,生命が誕生するにあたっての水(特に地球では常温で液体の状態を保っている)・熱ゆらぎ・エントロピーの重要性などなど.中盤は打って変わって,相対論・ミンコフスキー時空等数学的な話が続く.相対論では,光と同じ速さで動く物体には時間も空間も存在しないようで.
それらを組み合わせて後半の主題である
「時間を生み出すものは何か」
「時間はなぜ取り戻せないのか」
という問いに言及していく.
本書では以上の問に対して,
「生命の主体的意思(主観)が時間の流れを生んでいる」
としている.
細胞は乱雑な熱運動にさらされており,それに抗って生きていかなければならない.そこで乱雑な熱運動に対抗するように細胞内部で共鳴的に相互作用し,自身のエントロピーを高めていかざるをえない.共鳴的な相互作用とはある分子の情報は隣の分子に伝達され,その伝達された情報がまた元の分子にフィードバックされることを意味する.その際に情報の引継ぎ・連鎖が生じ,それは未来の向きに向いたベクトルとして捉えることができる.これが僕らが感じている時間の正体である.
と,書いてみたものの,完全には理解できていないのが現状.
最後に書かれていた
「時間がなぜ取り戻せないのか」
「過去は知ることが出来て未来はなぜ知ることができないのか」
という問いを,ミンコフスキー空間を使って説明した部分には感動した. -
エントロピーが増大する方向に生まれる堅固な秩序が原子・分子・太陽系・銀河系などであって、もろい秩序が生命ということか。もろいながらも秩序を維持するために生まれたのが主体的意思であり、主体的意志が時間を生んだということか。
だが、そもそも、宇宙にとって、もろい秩序を維持する必要性はあるのか。主体的意志が生まれる必然性はあるのか。なぜ、もろい秩序を維持する「ために」ということができるのか。主体的意志が生まれる理由はやはり説明されていないのではないか。 -
「ミンコフスキー時空」とともに時間について。21世紀は時間軸が鍵になる…腑に落ちる。
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時間は絶対的に存在するのではなく、生命の主体的意思が時間の流れを創り出しているのかもしれない。
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[ 内容 ]
誰で一度は「過去に戻りたい」「時間よ止まれ」などと夢想したことはないだろうか?
だが、考えてみれば、当たり前のように流れるこの時間は、いつ、どのように始まったのだろうか?
そもそも、我々の目に見えない“時間”とは一体何なのか?
時間の謎を解き明かす鍵は、生命の“意思”にあり、「意思とは何か?」というのも本書の主題である。
哲学、物理学が探求してきた永遠のテーマを解き明かす、画期的な思考実験がここに。
[ 目次 ]
第1章 主観なしに宇宙は語れない
第2章 もろい秩序が生命を可能にする
第3章 物理法則を超えて共鳴するシステム
第4章 相対論とミンコフスキー時空
第5章 空間としてのシステム、時間としての主観
第6章 時間の流れと主体的意思
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
前作の『時間はどこで生まれるのか』が面白かったので読んでみた。なんだか自論の成長とともに、裏づけがなくなってしまったみたいな気がする。ちゃんと説明しているのかもしれないけれど読み取れなかった。
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