物理学はこんなこともわからない (PHPサイエンス・ワールド新書 36)
- PHP研究所 (2011年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569792453
感想・レビュー・書評
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2017.12.08 シミルボンより。「意識」とは何か?ゾウリムシに「心」=「意識」はあるのか?
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物理に興味を持つ学生が減ってきている。そんな中で、教科書にあまり登場しない事柄を取り上げて、物理に対する関心を持ってもらおうというのが今回の本だ。
いろいろ取り上げているが、最初に取り上げているのが「猫は高い所から飛び降りても怪我しない?」だ。言われてみると、猫はどうして怪我しないのか不思議だ。
「磁石はどうして肩こりに効くのか」や「鏡のなかの左右と上下」など、日ごろは気にしないが、言われるときになることが載っている。
物理学なのでどうしても数式が出ている。数式が好きでない人には読み通すのは厳しい面もあるなあ。 -
ロケットを打ち上げて、遠くの小惑星に向かわせ、そして、ふたたび地球にもどってくる。そんなことが技術的に可能であるにもかかわらず、日常生活の中には今の物理学でも説明がつかないことが山のようにある。それは当り前で、原因と結果がそうそう一直線で決まるわけではなく、少しでも複雑な系になってしまうと、計算ができなくなってしまう。そんな話題が本書には取り上げられています。前半は数式も含めて何とか付いていっていたのですが、後半に入ってついていけなくなってしまいました。物理学はまだまだやりがいのある学問だと思います。しかし、自分たちに手におえないものを扱ってはいけないのかもしれません。福島原発の状況を聞くにつけ、そんなふうに感じています。
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所在:展示架
資料ID:11002153
請求記号:420||Ka94||036 -
物理学の面白さを再認識できる。
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タイトルと内容があまり合ってない
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摩擦を無視する,とか物理って外部からのノイズを極力除いて考えることが多い。関与する要素の多い生物や社会は他の分野に任せ,純粋化したシチュエーションを対象に進歩してきた分野。その物理の考え方を使って,物理っぽくない話題について検証してみよう,と言う感じの本。磁石と肩こりとか,筋肉のしくみとか。
鏡はなぜ左右を入れ替えるかという話の結論はとても納得。自分と自分の鏡像は,実はまったく違うのに,人は自分の鏡像を自分と向かい合った人と想定してしまうから。確かに! もし自分に背を向けた人を想定すれば,左右でなく前後が入れ替わっていると感じるはずだよなぁ。 -
文部省などの統計によれば、高校で物理を学ぶ生徒は極端に減っているそう。日本全国にはおよそ5050校近くの高校がある。それらの高校に在学する高校生の内、物理を学んでいる生徒は、多くて3割ほど(実態はもっと少ないはず)。そんな僕も高校一年生のときに、物理では赤点以外をたたき出した記憶がない。そして、当時、建築学科と農学・生物系で進路を迷っていた僕は、迷うことなく農学・生物系を選択することとなり、高校2年以降物理に触れることなく、生物と化学を専攻した。
本書の帯に「身近な減少にこそ新しい科学の可能性がある」と書いてあるように、私自身、大学に入ると、やっぱり「物理学」が世界の原理を創っているのではないかという核心を得、熱力学などの授業を勝手に選択肢、その悔しさを晴らしたものである。
僕が本当に未だに驚きを隠せない原理・方程式が二つあった。
一つは、「三平方の定理」一つは、「てこの原理」だ。
そして、最近はエネルギー・ハーベスティングの分野にかなり魅了されており、特に振動発電、温度差発電(ゼーベック効果を利活用)にはかなり驚いている。こういった現象も物理なのか?と思うと、学ばずにはいられないわけである。
前段が長くなったが、本書は「物理学ではわからない自然現象」が書かれているわけである。つまりは、物理学という学問の学際がわかり、逆に物理学の輪郭を明確にしてくれている印象すら受ける。
たとえば、南半球と北半球で、水の渦の巻き方が違うという現象(コリオリ力という)。世界を旅するバックパッカーの間では有名な話であるが、実際にそれを地球の自転や傾斜で説明できるのか?ご丁寧に細かな公式で証明されていたりもするが、そんなものを飛ばして読んでも十分楽しめる。
他、気になるトピックをあげるとすれば
「水の上を走るとかげ」(そもそもそんな忍者みたいなとかげが存在することすら知らなかった)
「鏡のなかの左右と上下」(映る姿をそのまま何も疑問を持たずに見ていたが、本書を読むと鏡の世界の不思議に浸ってしまう)
「磁石はどうして肩こりに効くのか」(そういう効果をうたうCMをよく見るが、そもそも磁力が体に聞くなんて不思議だ。電磁波は忌み嫌われているのに…)
冒頭にもあるように、物理学は日本でほとんど学ばれていない現状だ。しかし、その一方で日本は湯川秀樹博士を筆頭に、6名ものノーベル物理学賞の受賞者を輩出している。
(物理学賞より多いのは、化学賞で7名)経済学部は腐るほど存在する日本の大学。しかし、2010年現在、ノーベル経済学賞を受賞した日本人はいない。これもまた摩訶不思議である。