[新訳]風姿花伝 六百年の歳月を超えて伝えられる極上の芸術論・人生論

  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569803401

作品紹介・あらすじ

観世流の宗家による相伝の書の抄訳本。「初心忘るべからず」「秘すれば花」など、いまでも使われる言葉のほんとうの意味とは。

感想・レビュー・書評

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  • 世阿弥の「風姿花伝」はの能楽論ではあるが、他の芸事や人生にも通ずるものがありますね。

    「上手は下手の手本、下手は上手の手本」は心に響きました。

  • 古典を読んでみる。なんというか含蓄があって深いですね。
    初心忘るべからず。は初心=未熟な自分 ってこと。いつまでも未熟であることを、忘れてはいけない。日々成長。
    秘すれば花。手の内を隠すってことも大事ですな。
    寿福増長。楽しく。世の中の幸せを増やすってこと。

  • 宗家家元が書かれた本という事で選んだ風姿花伝。言葉の意味、重みがあります。
    初心忘るべからず、は武田鉄也氏がラジオで紹介されていたのとは違ってて少々面食らいました。それにしてもじわりじわりと染み込んでくる、常に心したい言葉です。
    秘すれば花なり、は芸に流行り廃りがあることの理由を表し、そしてこの理こそ能が700年の時を経ても生き残った要因であるのだと。
    世阿弥の残した言葉は全ての芸事のみならず仕事、そして人にも通じます。

  • 風呂敷包みを開けると箱の中からは、やはり・・・

    能700年の歴史を引き継ぐ二十六世観世宗家観世清和によるリアルな『風姿花伝』。何のために能を舞うのか? 父である先代家元からの問いは世阿弥の相伝だったのか。

    「そもそも芸能というものは、人々の心を楽しませ、貴賤いずれの心も動かすものであり、幸福を増進し寿命を延ばす基となるべきものだ。突き詰めてみれば、芸能はいずれもそのような役割をもっている」

    「申楽は大衆に愛されることを以て、一座の維持・発展のための幸福としている」

    世阿弥が残した渾身の肉声。芸能はもちろん、各分野におけるヒントになりそうな珠玉のフレーズは、本気の人の普遍的な何かを含んでいる気がする。

    「初心を忘るべからず」の真意とは?

    「曲といふは、節の上の花なり」など「花」の在りかについての深い展開。

    詳しくは、

    「秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず」

  • 20140629読了
    NHK「スイッチインタビュー」で観世清和氏と内田樹氏の対談を観た。能で使われる古い品々の中には家康公から拝領したものもあった…自分の感覚ではひとつの家に代々伝わると聞けば曾祖父母かそのちょっと上くらいまでですらおおっと思うのに、江戸時代まであっさり遡ってしかも歴史上名を知られた人物がくれたものって…さすが700年近く続いてきた芸能の家は違うなと思った。で、前から気になっていた風姿花伝を読む。●5章、いかに成長するか。稽古は子どもが自然と興味をもってやりだす時期、つまり5~6歳で開始するのがよい。強制や義務であってはならない。10歳をすぎると「時分の花」。この時期ならではの美しさ。15歳を超えると変声期を迎えここが「一期の堺」。20代前半は青年特有の美しさがあるけれども慢心は禁物。30代前半が盛りで40歳から能は下がる。●「初心忘るべからず」は己の技量の未熟さを忘れるなという意味。自己満足による芸の停滞を強く戒める言葉。●男時、女時。向田邦子さんの「男どき女どき」。

  • 世阿弥の能に対する考えが明快に表現されており、芸に対する考えを変えてくれる。芸とは諸人の心を和らげ、寿福をもたらすもの。観客に合った「花」を見せることが大事だが、絶対的な花は無く、時と演じる場所において新規さを有するものが花となる。最後は;「この道を究め終わりて見れば、花とて別にはなきものなり」。花の正体は観客の珍しいと思う心に依存する。私のような初心者にも能の基本を説明しながら、世阿弥の書を翻訳し、解説してくれる。

  • 一子相伝の風姿花伝を当代による解釈。わかりやすい

  • テレビで紹介されていたので購読。
    この本は小さい割に開く時の触感が悪いので好きになれません。
    内容は申し分ないのですが。。

  • 世阿弥の風姿花伝を観世宗家家元観世清和氏が
    解説している本。
    以前にNHKのテレビで内田樹氏と観世清和氏が
    対談しているのを見ましたが。能や観世宗家の
    700年にわたる歴史観とその700年というスパンを
    現実的にとらえている考え方がすごいと思いました。
    風姿花伝は初めて読みましたが、有名な言葉が
    いっぱいあることに感心します。
    『初心わするべからず』は解説を読んでみると趣の
    ある深いことばだと思いました。

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