- Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569807485
作品紹介・あらすじ
民主博愛党政権の暗黒時代が終わり、新指導者による自由革命が成就。だが、それは新たな戦いの序曲だった……。衝撃の近未来小説。
感想・レビュー・書評
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新自由主義経済が暴走したらどうなるかという事をストーリー仕立てで説明した小説。巨大多国籍企業がインフラや公共サービス(警察や国防なども)入札で受注する世界。すべてがコスト削減で動く世の中。なかなかぞっとさせる状況が展開する。
ストーリー自体は後半から盛り上がるが、「希臘(ギリシャ)から来たソフィア」の時も感じたが、終わり方が面白くなかった。「希臘…」の時は恋愛関連で面白くない展開でがっかりしたが、本書は独裁者の最後に幼少期のストーリーを挿入するなどして陳腐に読者の感情移入を狙っているようで、何となくわざとらしく感じてしらけてしまった。
おそらくさかき漣の性格からこのようなストーリー構成になるのだと思う。
読後に生きる気力がわくようなストーリーでは無いし、何か行動できる指標を得た訳でもないので、星二つ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ヒト、カネ、モノの自由化。こんな世の中になったら嫌だなぁ。
自由化も行き過ぎるととんでもないことになるんだな、
と空恐ろしくなりましたが、いろいろと参考にもなりました。
日本の良さがなくなって、日本が壊れてしまってから後悔しても
遅いですから、あまり行き過ぎたことにならないよう、
私たちもしっかりしなくちゃいけませんね。
自由化も規制緩和も全部認めるなんて、やっぱり日本の国柄には
合わないと思います。
警察も消防も国防も公共サービスもみ〜んな民営化しちゃって、
お金のある人しか利用できない世の中になってしまったら・・・。
これだけでも非常に不安になります。収入があれば、何とかなる?
その職でさえ、海外からポンポンやってくる押しの強い
外国人労働者に横取りされて日本人はあぶれてしまうかも。
登場人物、薄っぺらかったなぁ。GKは病んでるし、
みらいも好きになれなかった。こういう話に出てくる女性は、
たいてい美しい人で、その時点でただただ胡散臭く感じます。
ハニトラ要員かと思っちゃった・・・。 -
意義はあるが、小説としては微妙
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設定、背景は村上龍かな、しかし小説としては残念か出来。かわぐちかいじ漫画の方がリアリティもクオリティも上かもしれない。
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副題:「自由革命」「新自由主義」との戦い
「新世紀のビッグブラザーへ」の続編・パラレルワールド。
国という枠組みがなくなり、「第三地域市民」となった日本。
革命により、再び「日本」を取り戻した筈の、国民。
しかし、その日本が保守すべきものは、何なのか?
自由とは何か?
僕達は何を背負っていくのか?
経済的な効率化と自由の果てにある世界が見事に描かれている。
1年前に書かれたものとは思えない!
恐ろしくなるほど酷似する現代の日本を描き上げたこのミステリ作品・・・
今読むことに大きな意味があると思う。
このほんの結末が、希望へとつながれば良いのだが・・・
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【内容(「BOOK」データベースより)】
201X年、中国漁船の大群が尖閣諸島に押し寄せ、そのうちの一隻の「船員」が魚釣島に上陸したことから、「極東戦争」が勃発。この事態に対してアメリカは、日中間の軋轢に軍事介入することを避け、参戦を拒否。果たして日本は、大エイジア連邦主席という独裁者によって支配され、日本国民は「第三地域市民」として生きることを余儀なくされる。秋川進と涼月みらいは、抵抗組織「ライジング・サン」の一員として「祖国・日本」を取り戻すために、新指導者を戴く革命を成就。暗夜が決壊し、新指導者“GK"は国民の万雷の拍手で迎えられる。だが、それは進とみらい、いや、心ある日本国民にとっては、次なる新たな戦いへの序曲に過ぎなかった……。
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前半☆☆☆☆☆
後半☆☆☆