- Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569816449
作品紹介・あらすじ
余分なものを捨てシンプルに生きる。おもてなし、礼儀作法、コミュニケーション、美的感性、そして大いなる癒し。人間の教養と品格を高める茶道の効用とは。
感想・レビュー・書評
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俺はなるほどねと思えるところがたくさんあった。読んで良かった。
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・庭園やインテリアにおける西洋と日本との違いについて。前者は完全を好み後者は不完全を好むというメンタリティーによるところが大きい。西洋のそれらは、対称性は安定して落ち着きを感じるが、それだけに面白くない。見て感心したらそれで終わり。見たという経験が記憶の中に残り知的な興奮も覚えるが、それは時間の経過とともに薄れていく。日本の場合は明確な規則性がない。完結性において欠けているので常に不安感を抑えることができない。そこで、心の中では何とかして自分で完全な形にしようとする意欲が生まれる。そこに注目して、お茶では不完全を好む趣が至るところに演出されている。
・単なるきれいさだけでは十分ではなく、自然の美しさをつくり出すことが重要。それは人口の完全さは不完全であり、自然の中にあって人間にとって不完全であると見えるもののほうが完全である、と考える。
・日本文化のあらゆる形態の中に、日本人の培ってきた精神は深く根付いている。
・さまざまなルールに従って自らを切磋琢磨していくと心が落ち着いてくる結果になっている。ルールがあるのでエゴが出てくる場面が少なくなる。それがお茶の魅力の一つ。
・アタマとカラダの根源になっているココロの部分に影響を与え、より豊かになるようにするものが茶道。
・自分の人格を高めると同時に、人の人格についても関心を抱いて一緒に向上していこうとする。日に対する感覚を研ぎ澄まして、本物は尊重するが偽物を排するという潔癖さも必要・・・茶道は教養の要素が散りばめられている。
・人間的な幅であり厚みであり深みである教養を身につける努力を怠ってはならない。