美-「見えないものをみる」ということ (PHP新書)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569816708

作品紹介・あらすじ

「ものごとはすべてリッチでなければならない」。リッチとは心の豊かさを表す。それをどれだけ体験できるかで美意識は変化していく……。

感想・レビュー・書評

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  • 人間らしさを得る気づく。
    文化の駆逐と尊重。
    自然にひれ、五感を研ぎ澄ませる尊さ。日本人らしさを問う教養ヒント。

  • 四季の変化に対して極めて繊細な感覚を持っていた日本人。詩人の高橋順子氏によれば日本には2,145もの風を表す言葉がある。時津風、芋嵐、夏疾風、薫風、比叡おろし・・・。雅味あふれる言辞だが今やほとんど使われていない。語彙が急速に失われている。著者は文化の衰退、文明の衰退を憂う。今こそ人間が人間らしく生きていくための感性を取り戻す必要があると訴える。日本人の本来豊かであった感受性を取り戻す方法は、自然に触れること、美に触れること、本物に触れること。自然は、私たち人間の生命力を養うと同時に想像力の源ともなる。フランスの詩人、ポールクローデル氏は1943年、日本の敗戦が濃厚になってきたとき、どうしても滅んでほしくない民族として日本人を挙げている。「彼らは貧しい、しかし高貴である。」と。経済優位性を失いグローバル社会の中に埋没しつつある日本。日本人が高貴さを取り戻し、存在意義を高めるのは、ひとえに私たち一人一人の生き方。これにかかっている。

  • 「本物」とは、ある種のインパクトで、見る人に刺激を与えられるもの。「教養」とは、イコール知識ではなく、知識や経験をもとにどのような存在となっているか、他者にどこような影響を与えられるか。
    このあたりの解釈が深く勉強になった。そのほか全体的には、昔の日本は良かった・今の若者と日本はダメだの一点張りで読んでいて不快になった。

  • 文化とはよりよく生きようとする人間の創造的行為、目に見える過程とのこと。芸術とは文化を背景にした成果物。
    美は人間が人間として生きていくために必要なこと。

  •  1931年生まれ、資生堂名誉会長、福原義春 著「美」、2014.1発行、心地よく読了しました。文明は文化を駆逐する。同感です。貧しいけど高貴だった日本人も、いよいよデジタル化・コンピュータ化で、「文化」を失いつつあるのでしょうか。1960年代、1970年代、人間の等身大で興隆したアナログ文化の時代。今との是非は別にして、当時には「ムダ」と「遊び」がそこはかとなく存在していましたw。量産化・機械化・効率化、その大きな波に流されつつありますが、ちょっと踏ん張ってみようかな、そんな気持ちにさせてくれた作品です!
     現代社会は、文化の劣化スパイラルの中で、生活の質はどんどん落ちてきている。満ち足りたがための不足感。多様性とともに人間らしい感性を取り戻すには、本物に触れること、美しいものに触れること。福原義春(資生堂社長)「美 見えないものをみるということ」、2014.1発行、再読。①日本の美意識は、見えないものを心(五感)で感じる感性: 閑や岩にしみ入る蝉の声 ②読書は、人生の厚みと幅を飛躍的に広げる ③自然に触れ心と体で感じる体験の積み重ねで感性が養われていく ④季節の移ろいを楽しみながら暮らす。

  • 思索

  • 一旦返却

  • 主張そのものは、ごく一般的なお話であるため、特段新しい収穫はないものの、違和感までは感じない。
    しかしながら、その主張の理由・根拠や話の経緯が、少なくとも私には全く伝わらず、結論ありきで、あとから適当に知識(というか一般的な情報)をちりばめてみた「ジャイアン的な文章」と言わざるを得ません。
    とは言え、主張そのものがあまりにも一般的であるため、支離滅裂な文章でも、頭の中で補うことは容易にできるのですが・・・。
    さらに申し上げると、タイトルにある「美」や「見えないものをみる」とは基本的に関係ない文章です。広く言えば全ては「美」や「見えないものをみる」につながるので、一応著者としてはつながっているご認識なのだと思うのですが。
    久しぶりに「手に取るのも時間の無駄」と感じる一冊でした。

  • 今年一番ともいえる、自分にとって最大の良書になりそうです。元資生堂にいたものとして、精神を大切に育み、後世に伝えていきたいと強く感じました。

  • 読みやすかったけれど、その分ちょっと掘り下げが欲しかったという内容でしょうか。「代表的日本人」「茶の話」「武士道」を読んでみようと思います。

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著者プロフィール

資生堂名誉会長・ほほづゑ発行人 

「2021年 『季刊 ほほづゑ第108号 特集 鉄道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

福原義春の作品

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