ゴースト・ボーイ

  • PHP研究所
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569827094

作品紹介・あらすじ

12歳の時に難病発症、10年以上を植物状態で過ごした著者。しかし彼には、意識があった。世界中でベストセラー、驚異と感動の自伝!

感想・レビュー・書評

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  • 「潜水服は蝶の夢を見る」を昔読んで、とても感動した記憶があり、同じような経験をされている方の本だな、と思って手にとりました。
    本の裏表紙をめくったところのプロフィールからとてもポジティブな人柄が伝わってきて、「潜水服」の時代よりツールも進化し、最新テクノロジーを駆使して障害なんて吹き飛ばして明るく生きる現代っ子の物語かな?なんて明るいストーリーを予想していました。
    ところが予想に反し、驚くほど読むのが辛い本でした。
    想像を絶するような過酷な経験がつづられていました。
    目覚めてから本を書くに至るまで、非常に長い時間を要している。ゆっくりゆっくり、一歩ずつ、恐れを克服しながら、前進してこられたことが分かります。
    それは、彼自身の努力はもちろんのことですが、私の目から見ると聖人か神の化身かと思えるような、素晴らしい人たちとの出会いと彼らの信念が起こした奇跡のように思います。
    一方で、彼がそこにいると気づかず「モノみたいに扱った人たち」や、希望が見えない日々に疲れ、ひどい言葉を口走ってしまった母親は、もしかしたら私だったかもしれないと思わずにはいられなかったです(虐待介護士は論外ですが)。決して彼らを私は責められないです。そして、著者も責めてはいません。
    虐待の経験や、暮らしていく上で感じる恐れや不満や不便などは、書くのはどんなに勇気がいったことだろうと思います。だからこそ、多くの人に読んでほしいと思います。
    介護についてだけでなく、職場や家庭や人生の多くの場面で誰に対しても、あるいは動物や、あるいは植物や物にだって、自分がかかわるすべてのことに対して、敬意と愛を決して忘れてはいけないと気づかされました。

  • 今夜、フジテレビ「アンビリーバボー」に著者・マーティンの奇跡の人生がとりあげられます! 12歳の時に難病発症、10年以上を植物状態で過ごした著者。しかし彼には、意識があった。世界中でベストセラー、驚異と感動の自伝!

  • 人間はどこまで醜悪になれるのか、そしてどこまで愛情深くなれるのか。そんなことを考えさせられた。12歳で未知の病に倒れ意識をなくした少年。16歳で意識を取り戻すも周囲に気づかれず、約10年間「幽霊」状態に。人間の尊厳を無視された「モノ扱い」「お荷物扱い」に心が凍える。しかし、一人の介護士が彼に意識があることに気づいたおかげで、徐々に彼は人生を取り戻していく。時に失敗したり戸惑ったりしながらも。これは深い家族愛の物語であり、地獄から生還し見事に幸せをつかんだ奇跡の男の物語である。

  • 原因不明の病気、12年の介護施設生活を経て、人生の再出発の機会を得た著者。口のきけない患者としての尊厳について考えさせられた

  • 決して読みやすい本ではない。特に前半は読むのが苦しい。徐々に補助代替コミュニケーション(AAC)の能力を高め、ジョアナに出会ってからはラブストーリーで、安心して読めます。ゴーストボーイという言葉は、介護施設で働く私に鋭く突き刺さります。

  • (リリース・レビュー:あぜやん)

    人は自分では何もできなくなった時、
    真っ暗闇の中に入った感覚になり、誰かに大声を出して助けを求めるだろう。

    しかし、誰もその声に気が付かないと知ってしまった時、
    普通の人は諦めて、空気の存在に慣れてしまうだろう。

    その空気の存在がゴースト(幽霊)になった状態である。

    この物語は、南アフリカに生まれた普通に生活していた少年マーティンが
    12歳のある日を境に声も出なくなり、体も動かなくなって、未知の病にかかり、
    過去の記憶が一切無い状態になってしまった。
    そんなゴーストになってしまった少年マーティンは介護施設で14年間を過ごす。

    その施設で過ごした14年間の生活がすごく過酷であることは、本書を読むと明らかになる。
    ある介護士には「ゴミ」とか「バカ」とか人間以下の扱いを受けたり、
    ある女性介護士には性的虐待を受けたり、
    人間不信に陥ることが沢山ある中、家族の存在がマーティンの落ち込んだ心を救う。

    母親は発病して2年間は献身的に看病した。
    しかし、回復しない我が子を観て自分を責めた。

    父親は、違った。
    マーティンが回復すると信じていた。
    母親が看病できなくなった後は父親が献身的に看病を行った。

    そして、介護士ヴァーナとの出会いが暗闇から抜け出すキッカケになった。

    さらに小さな頃から得意だった、パソコンで人生の飛躍につながった。


    本書は323ページある長編だが、あっという間に読んでしまう。
    前半は苦しい介護施設時代の話でなかなかページが進まないが、
    後半残り100ページに物語の一番盛り上がる部分が訪れる。
    ここで人生を変える出来事が起こるが、
    あとは、読んでのお楽しみにしょう。

    ブログ;沖縄面白本棚より。
    http://azeyan.blog.jp/

  • 217ページの写真が目に留まらず、次の288ページの写真で驚いた!本人だ!この話は現実だ。

    いつまでも残るものは信仰希望愛。その中で最も優れているものは愛。マーティンの人生は3つを網羅してる。そして愛は全てを支えできた。結婚これからも。

  • 色々とそういうことがあるのかと思ったが、
    やはり他人の人生面白い部分と面白くない部分がある
    ゴーストボーイというタイトルがいい。
    過去の自分が自分を見ている。

  • ある研究では、植物状態の人の4分の1に意識があると言われている本を読んだことがあります。この本の主人公は本当に幸運であると感じました。1人の協力者が主人公の人生をこんなにも豊かなものにしていける。私自身、植物状態の人と話ができるすべを持っていますが、こんなふうに上手くはいきません。彼らは無表情で喜びや悲しみを感じています。植物状態の人に意識があることを人は奇跡と呼んでいますが、それは奇跡ではありません。奇跡なのはそれに気づける人が近くにいること、またその人の豊かな人生のために協力してくれる人がいることだと思います。そっと植物状態の人の手の上に自分の重ねて問いかけて下さい。彼らは伝えたがっています。
    世界中で奇跡と言われていることが奇跡と呼ばれなくなる未来を祈るしかありません。この人生の日々を本として残して頂けて感謝します。

  • 自伝なのに
    ラストは本当に?って思ってしまう

    自分が主人公ならば
    どうなっていただろうか?

    人間は凄い!としか言えない!

    また主人公のような凄さは出来ないが
    主人公のような人をサポートしたりしたいし
    失礼な態度をとらないようにしなければと
    深く思った

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