- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569830629
作品紹介・あらすじ
北条政子や徳川家康が愛読した帝王学のバイブル『貞観政要』の叡智を、「社長と先輩の対話」による物語形式で現代に甦らせる珠玉の書。
感想・レビュー・書評
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中国の古典である『貞観政要』をもとにして、リーダーとはどのような心構え、言動を取るべきか、ということを示した書籍。架空の新米社長とその先輩の対話で進んでいくために、非常に読みやすく、なおかつ具体例も出てくるために自分ごとにしやすい。
社長に限らず、組織の長(課長・部長)の立場においても参考になる内容が多いため、折に触れて読み直していきたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『貞観政要』が教えるマネージメント
◯どのような本?
安定した長期政権を確立するヒントがある本
-『創業』から『守成』に切り替えるときに読む本
◯貞観政要とは
唐の時代の本。貞観とは唐の太宗の治世の年号。素晴らしい政治を行ったことから『貞観の治』と呼ばれている。その太宗の臣下とのやりとりがまとめられているのが『貞観政要』長期政権作りには欠かせない実践的な内容が書かれ、徳川家康や北条政子が読み耽ったと言われる。
◯理想とするリーダー像
『部下の話を聞くリーダー』聞きにくい指摘でも受け入れることができるリーダー。国が滅びる理由はトップが原因。
◯業績が下がる組織の兆候
組織のエネルギーが内側に向くと業績が下がる。例えば、社内用の会議資料作りで社員が忙しくなったらお終い。社内からは決してお金は入らない。力の発揮の対象は社内でなく社外になるべき。また、客よりも上司の対応に気を遣う方が疲弊する。
◯人物を見抜くポイントの『六観』
①地位がある人に対しては、どのような人を採用・抜擢するか見る
②裕福な人に対しては、他人にどのようなものを与えているか見る
③自宅にてどのように過ごしているか見る
④皆で学んでいる時の発言を見る
⑤生活に困窮しても、『それだけは受けられません』と拒否するものを見る
⑥出世から外れた者に対しては、『これだけは譲れない』というものを見る。
◯滅亡する国の10の組織
①トップの側近が保身に走る組織
②ルールや規律を万能とする組織
③見栄をはる組織
④力づくで解決しようとする組織
⑤トップの家族がリードを始めた組織
⑥問題が共有されない組織
⑦ビジョンが明確でない組織
⑧好き嫌いで人事が行われている組織
⑨独裁であるが自覚がない組織
⑩後継者が定まらない組織
◯『創業』者への扱い
英雄として一生保障するが、主要な地位からは退いてもらいメンバーチェンジ。
◯『守成』で大事なこと
新しい象徴的なものを作り出すこと。二代目、三代目でうまくいった組織は、画期的/象徴的な新商品を出す。ダメな経営者ほど組織をいじり疲弊させる。(唐にとっての新製品は儒教だった)
◯社長の仕事
業績が上がりやすい会社にすること