使ってはいけないエセ心理学 使ってもいい心理学

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569831756

作品紹介・あらすじ

もうエセ心理学にダマされない! 論拠不明な心理学の俗説を最新論文で片っ端から斬ってゆき、本当にあなたに役立つ心理学がわかる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 心理学には誤解が多くつきまとう。

    いちばんは心理学は心を読み取る学問であるという誤解だ。
    おそらくメンタリスト何某の書籍をかじって起こされる勘違いであろう。ちなみにこれは医療者の中にも心理学科を目指す者の中にも起こる勘違いであった。これを素朴心理学という。心理学をまともに勉強したことのない者に多い誤解だ。

    心理学は人文系に類するが、その実際は統計データをきっちり取る科学的な学問だ。仮説を立てて検証し結論を導く。科学的な手法を用いる。

    ゆえに、モーツァルトを聴くと頭が良くなる、という心理学話についても、その実験ではアメリカ大学の大学生が試験を受ける前にモーツァルトを聴いたらテストの点数が数点上がったというものであったが、素人の手にかかるとお腹の中にいる赤ん坊にモーツァルトを聴かせると賢い子供に育つという、その実験設定とは異なった明確な間違いが起こる。

    もう一つは、アドラー、ユング、フロイトが主流(三巨匠!)という誤解だ。これもまともな心理学のテキストをめくればわかることだが、この三人は現在の心理学では相手にされていない(ついでに言うと企業や学校で使われる欲求五段階説のマズローも相手にされていない)。

    この本は、博士号を所持した研究者が書いた本で、論文を精査し、一般人が抱き得る疑問を解消してくれる。
    トピックごとにつまみ読みできるので、肩肘張らず必要なところを適宜参照する使い方が良いだろう(通読してももちろんよい)。

    心理学を売り物にしたサービスは多いが、その多くが誤解や思惑に満ちていることを学ばないといけないと思う。

    あとがきがちょっと甘酸っぱいのだけれど、これは心理学では簡単には解決できない現実を明らかにしているのだろう…。

  • 授業で心理学をとり以前よりも興味を持つようになったこの本では授業で取り扱っていた内容もたくさんあったので直ぐに読み進めることができた

  • 吊り橋効果、フットインザドア、ドアインザフェイス、ピグマリオン効果、ハロー効果、ミラーリング、プラセボ効果、単純接触効果、ツァイガルニク効果など。
    午前中のほうがより倫理的・道徳的にふるまう。
    テストは長期的な記憶の保存を考えたときに極めて効果的。
    覚えた時と思い出すときの状況が似ているほど思い出しやすい。
    スーパーマリオ3Dで空間把握能力が向上する。
    20代と80代で脳細胞の数はほとんど同一。
    親の経験はDNAを介さず子に伝わる。エピジェネティクス。
    空腹であることで自分の欲求に素直になる。逆に満腹になると他者に寛容になる。
    アイディアの3段階=様々な情報のインプット、忘れる、アイディアが生まれる。
    人生の満足度を上げるには自己肯定感を高める。
    無意識を数値化する試み。

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著者プロフィール

九州大学大学院芸術工学研究院准教授。心理学博士。オーストラリア、ウーロンゴン大学客員研究員、東京大学Intelligent Modelling Laboratory特任研究員を経て、現職。著書に『おどろきの心理学 人生を成功に導く「無意識を整える」技術』『未来は決まっており、自分の意志など存在しない。心理学的決定論』(共に光文社新書)

「2022年 『漫画 人間とは何か?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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