なぜ彼女が帳簿の右に売上と書いたら世界が変わったのか?

  • PHP研究所
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本棚登録 : 181
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569831862

作品紹介・あらすじ

「複式簿記」が存在しないパラレルワールドを舞台に現役アイドルが大活躍! SF仕立てのエンターテインメント・ビジネスノベル。

感想・レビュー・書評

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  • 作品のテーマが面白そうだったので購入しましたが、私には合わなかったです。せっかくのアイデアを完全に活かしきれていないのが残念に感じました。あまり良い表現ではありませんが、中途半端な恋愛ドラマと美彩さんが絶世の美女という無駄な設定?が不要だったように思います。綺麗な女性なのは間違いないのですが、この内容にその設定はいるのかと思いますし、そこまで強調されるとご自身で恥ずかしくないのかなとか思ってしまって、あまり内容に集中できませんでした。。笑
    純粋に簿記の話だけで展開した方が良かったのではないかと。仕訳の説明等は非常に分かりやすかっただけに勿体ない作品だなという評価です。

  • "簿記・会計をテーマとしたファンタジックな戯曲"

    解説文冒頭のこのフレーズが端的にこの本の特色を述べている。

    書店のビジネス書コーナーに衛藤 美彩(乃木坂46)が微笑んでいる帯が平積みされている光景は異彩を放つが帯を外したとしても本書の内容はかなり異質だ。


    簿記・会計に関する本というと昨年翻訳が出た『帳簿の世界史』(ジェイコブ・ソール)が読み応えのある名著だったが、本書では"複式簿記が存在し得ない世界"というパラレルワールドのファンタジーなため、複式簿記の歴史的経緯にも触れられているし、資本主義に於いて果たしてきた役目も(登場人物の台詞を通じて)知ることが出来る。

    ビジネス書としては複式簿記の仕組みだけでなく、背景・思想・根本原理を学ぶ一冊として打って付けの一冊だろう。

    ファンタジーとしても「複式簿記がないために資本集約的な工業経済が発展しておらず明治・大正のような生活様式が続いている2016年」という設定で楽しく読める。

    貴族階級が残っているということは第2次世界大戦に敗戦してないのだろうか……とか無粋なツッコミもあるが、そこはライトノベルだと思って軽く受け流したい。

    小説ではなく戯曲として書かれたというのは衛藤 美彩さんが文字メディアとしてはそちらのほうにより馴染みがあるのだろうななどと思うが、ページ上段1/5ほどに空いたスペースがメモ書きに調度良い。心ある役者が台本にメモ書きするように気になったことや分からなかったことを調べながら読み進めたい。
    ところどころにそういった手書きの注意書きが印刷してあって、これは衛藤 美彩の自筆(の印刷)だそうである。そういった部分はファンには嬉しいのかもしれない。

  • 著者:衛藤美彩/澤 昭人
    総頁:328ページ
    定価:1,400円(税別)
    発売:PHP研究所
    発売日:2016年8月26日

    ・以下、特設サイトから
    [内容紹介]
     本作は、乃木坂46衛藤美彩が、会社の数字のプロ・澤先生に簿記・会計の講義を受けているうちに≪「複式簿記」が存在しないパラレルワールド≫に迷い込んでしまうという、SF仕立てのエンターテインメント・ビジネスノベルです。その世界で唯一、複式簿記を知る存在となったヒロイン・美彩が、簿記・会計の知識とスキルを駆使して事件を見事に解決していきます。
     気鋭の公認会計士・澤昭人氏が、《簿記・会計の本質》というテーマをわかりやすく解説するためのパートナーに、乃木坂46で、簿記資格保持者でもある衛藤美彩さんを指名。「これまで学んだ簿記を生かすことができる」という衛藤さんの思いから、この異色コラボが実現いたしました。
     「仕訳」「借方・貸方」「株式会社会計」「クリーン・サープラス関係」「不正会計」など、簿記の初歩から現代企業会計のトピックスまで、シナリオを楽しみながら学べる1冊です。
    http://www.php.co.jp/nazekano/

  • 複式簿記の無いパラレルワールドの自分に衛藤美彩が乗り移ったという設定で物語が進んでいく.前半は知っている複式簿記を周囲の人に説明してちやほや,後半は複式簿記で発展した世界で魅力的な女性としてちやほや.最後は衛藤美彩の美しさが原因で複数の男性が様々な事件を起こして終わる.物語として読めば中身が無く中途半端な終わり方で,簿記の勉強として読めば実用性が低くて説明不足.「乃木坂」という看板を全面に出して会計の知識つくっぽい本を作れと言われて無理やり書いたような印象.ファンの方以外におすすめしません.

  • 一晩で読んじゃいました。
    「簿記を勉強・復習したい人にオススメの本」という触れ込みで購入。分かりやすくて一気読み。『複式簿記の存在しない世界』に簿記を落とし込んでいく過程が、“簿記をほぼほぼ忘れてしまった自分”に見事に落とし込んでくれた。
    なぜそれが必要か、なぜ効果的か、その問題点。
    社会が変化して成長してやや腐敗していき、それに対応して仕訳も変わっていく。
    粉飾決算の話をストーリーに盛り込むために、現代ではアイドルの主人公が男どもを惹きつけすぎて教授だった社長が粉飾決算までしてしまう、というストーリーも絶妙で、、笑
    これなら頭に入ってくるわ…必要になったらまた読もう。買ってよかった。


    最後に、衛藤美彩って誰や聡明な感じだな〜って思ってググったら、源田壮亮の奥さんやんけ!
    (だからどうとでもないけど)

  • 初心者向けというよりは、
    社会人になって現場で覚えた人が
    なんでこういう分け方をするのかとか
    株式会社の成り立ちとはなどを改めて考えるのに向いています。
    全く知らない人が読むには物語風がかえってわかりにくいです。
    超初心者の方は、語句の説明がたくさん入った入門編を読んだ方がいいです。

  • 簿記の知識がまるでない状態で読んでみました。
    最初は簿記ってこういうものなのね!と思いながら読めたのですが、途中から他の参考書がないとおそらく理解できない内容になったかなぁ…と思います。
    ですが、簿記の基本的な考えを知れて為になりました。

    また、ストーリー仕立てなのですが、その話の流れがちょっと最終的にどろどろ&なにも解決せずに終わってしまいます。
    様々な複式簿記の内容や、複式簿記が発明されたことによる大幅な経済の変化を描くには必要だったのかもしれません。

  • <目次>
    まえがき
    プロローグ
    登場人物
    序章
    【複式簿記導入編】
    第1幕 平野屋開化堂店内 − 仕訳
    第2幕 同平野屋開化堂店内 − 総勘定元帳
    第3幕 三本家邸宅客間 − 借方と貸方
    第4幕 同三本家邸宅客間 − 取引の二面性
    幕間 貴己の部屋 触れ合う手と手
    【現代企業会計登場編】
    第5幕 その一 平野屋開化堂店内 − 売上原価と期間損益計算
        その二 同平野屋開化堂店内 − 時間損益計算と資本金
    第6幕 鹿鳴館控え室 − 貸借平均の原理と試算表
    第7幕 鹿鳴館別の控え室 − 固定資産と減価償却
    第8幕 司法省法制審議会会議室 − 利益剰余金とクリーン・サープラス関係
    第9章 清原家邸宅客間 − 報告形式と経営指標
    幕間 乃木ちこ事務室 リーダーとフォロワー
    【株式会社会計発展編】
    第10幕 鹿鳴館部糖室 − 実現主義と発生主義
    第11幕 乃木ちこ倉庫 − 在庫と粉飾決算
    第12幕 清原紡績事務室 − 株式市場とクリーン・サーブラスの断絶
    幕間 乃木ちこ事務室 − エヴァンゲリスト
    第13幕 乃木ちこ株主総会会場 − 複式簿記と資本主義経済
    終幕 同乃木ちこ株主総会会場
    エピローグ
    あとがき
    解説



    2016.09.08 北澤さんのツイートより
    2016.09.11 予約
    2016.12.28 借りる

  • 公認会計士の澤昭人氏と乃木坂46の衛藤美彩氏の2人が複式簿記のないパラレルワールドで複式簿記の基本的な知識から本質に至るまでをストーリー形式で書いた一冊。

    本書を読んで、簿記の基本的な知識はもちろんのこと複式簿記のない世界で導入していくとどのように変わるのかということが物語のなかで理解できるように工夫されており、非常に面白さを感じました。また、読み進めるにつれて複式簿記の簡潔明解で、事実が明瞭になる本質的な素晴らしさだけでなく、不正会計やクリーン・サープラス関係に関する問題なども提起されていて入門書としてだけでない側面が本書にあることも好感が持てました。
    また、ROEなどの財務諸表からみえる経営指標やIRなど経営に関する用語についても書かれているところも多くありましたが、巻末に索引があれば復習の効果があがるのにと感じました。

    明治時代の世界観のパラレルワールドで繰り広げられる会計を巡る様々な事件から簿記のこと、経営のこと、資本主義経済への転換のことなど色々なことの知識を得ることのできた一冊でした。

  • もしアイドルが「複式簿記」のないパラレルワールドに迷い込んだら・・・。

    小説なので簿記の基本を学ぶには役立つ部分も多いが、肝心の小説があまり面白くない。

    ストーリ仕立てにしてボリュームを出すよりも短く簡潔な内容にしたらもっと良い本になった気がします。

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著者プロフィール

乃木坂46メンバー

「2016年 『なぜ彼女が帳簿の右に売上と書いたら世界が変わったのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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