量子論から科学する「見えない心の世界」 心の文明とは何かを極める

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (453ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569836638

作品紹介・あらすじ

科学と宗教が統合されるとき、何が見えてくるのか? 人間存在の意味を問い続ける学際学者が、宇宙、社会、生命、知の関係性について展開する、哲学的考察。

感想・レビュー・書評

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  • 驚愕の書である。たまたま書店で手にとって買い求めたが、量子論を元に、生命、心、あの世とこの世、更には神までも解き明かそうとしている。

    量子論では、光(電子)が、粒子と波動の両方の性格を持つことから、同様に人も粒子(実体=肉体)と波動(命=心)を持っていると説く。物理のみならず、道教、佛教、東洋・西洋思想を網羅し、東洋の物心一元論こそ量子論と同一の考え方と私見を展開している。

    これだけだとエセ新興宗教のようだが、著者は京大名誉教授で、量子論をわかりやすく説く力量は大したもの(これで量子論もバッチリ)。

    電子が心を持つ(でなければ、人が心を持てるはずがない)は今ひとつ納得できなかったが、人が波動と考えれば、「積極的心構え」や「潜在意識」など、先人が唱えた心の波動が極めて重要ということが科学的に理解できる。

    賛否両論あろうが、個人的には久しぶりに知的興奮を味わった。

  • ●読みたい理由
    遺伝子の科学を極めてこられた村上和雄氏によると、死後の世界は科学では語れないが、ないと言い切ることもできない。あると考えた方が幸せだと思えばそう信じれば良い。
    ひょっとすると量子力学は何かあるかもしれないと感じて、検索したらこの本がヒットした。

    ●辛口のAmazonレビュー
    私自身も 宗教と科学は結果的には一致するものと考え、いろんな本を読んでいます。岸根さんの本も、タイトルが刺激的なので、「宇宙の意思」「量子論から解き明かす心の世界とあの世」そしてこの「量子論から科学する見えない心の世界」を拝読させて頂きました。先ずいつも思うのでが、宗教と科学の双方とも精通するスーパーマンが現れてくれないかといつも思っています。この点から申し上げれば、岸根さんは、まだ科学(量子論)は及第点としても
    宗教の方はいかにも表層的でガッカリです。例えば仏教の泰斗 中村元東大教授の書物をお読みになったことがあるのか?一念三千を説いた天台智顗の摩訶止観を読んだことがあるのか?要するに引用で出てくる宗教的知見があまりに稚拙です。また科学(量子論)にしても、例えばコペンハーゲン解釈にしても「量子は意思を持っている」と断定されていますが、そもそも観測するには「光子」を使います。要するに同じ大きさで量子と接する訳です。何等かの影響が生成されても不思議ではありません。文中にも「完全に」「決定した」等々、少し思い込みがありすぎるのでは?私自身は、宗教と科学は親和性があるもの考えていますので、更なる客観的な論説をこれからも探して参ります。

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著者プロフィール

1927年兵庫県に生まれる。
京都大学農学部卒業。
統計学、システム論、文明論、情報論、環境論、森林政策学、農林経済学、国土政策学などの学際領域を専攻。
京都大学教授を経て、現在、同大学名誉教授。 南京経済大学名誉教授、元佛教大学教授、元南京大學客員教授、The global Peace University名誉教授・理事、文明塾「逍遥楼」塾長。
著書『文明の大逆転』(東洋経済新報社)、『環境論』(ミネルヴァ書房)、『文明興亡の宇宙法則』(講談社)等。

「2011年 『見えない世界を科学する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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