『週刊文春』と『週刊新潮』 闘うメディアの全内幕 (PHP新書)
- PHP研究所 (2017年12月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569837116
作品紹介・あらすじ
元『週刊文春』編集長vs元『週刊新潮』副部長――すべてを知り尽くす二人が週刊誌の裏側から、スクープ史の真相、日本メディアの未来までを抉る!
感想・レビュー・書評
-
素晴らしい。躍動感ある対談
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
競い合うように数々のスクープを連発し、権力に挑み、大物のクビを飛ばし、事件の真相を追い、人間の真実を描いてきた『週刊文春』と『週刊新潮』。両誌の歴史と内幕を知り尽くしたOB2人が、すべてを語り尽くす。
芸能スキャンダルを連発して一時期「文春砲」と持て囃された『週刊文春』も、部数は10年前の71%、『週刊新潮』に至っては52%なのだそうだ。2人の大物ОBの対談は「昔(自分たちの頃)はよかった」という老人の話のようなところも鼻につくけれど、昨今の新聞の堕落やTVワイドショーの手法への批判は正鵠を得ている。
(B) -
おもしろかった
-
文春と新潮の、名物編集者の対談。
面白い。
文春と新潮の違いなんか気にしたこともないし、そもそも読んでないのだが。所詮週刊誌とか、くだらないスクープ合戦と思ってたんだが、少なくとも、ちょっと前は全然違ってたんだな。
お互いのライバル感とか、故の経緯とか見えて、そこがいい。
新聞はどうでもいいが、こういうジャーナリズムが、ネット時代にどう生き残って行くのか難しいところだろう。 -
●昔はテレビが週刊誌を発売前日に入手して、勝手にパクっていた。2016年、文春砲の威力もあって、ようやく記事の使用料をテレビ局が支払うシステムが構築された。
●様々な関係者の証言によって構成された記事には、極端に言えば、結論は関係ないのです。真相は藪の中です。しかし読み上げるとその事件はどのようなものだったのか、なんとなく見えてくる。そのようなジャーナリズムの形を「週刊新潮」が作ったんです。これは新聞には何もできないスタイルです。
●ネットの登場によって、情報はいわば民主化された。新聞はより露骨に、主義主張、イデオロギーに基づいて、ファクトそっちのけで記事を書いて印象操作をするようになってきた。
●加計学園の問題。朝日が読めなくした部分には、「国家戦略特区諮問会議決定と言う形にすれば、総理が議長なので、総理からの指示があったように見えるのではないかと言うことが書かれていた。
●少年法の問題。少年法は第1条の「この法律は少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して…」と書いてあるつまり少年の非行なのか、そうではなくて、犯罪なのかというのは1番重要なポイントになります。 -
『週刊文春』の元編集長と『週刊新潮』の元特集班デスクが、日本のジャ-ナリズムの内幕とこれからのメディアの在り方について語りあった真柏の暴露本である。巻末の月刊誌と週刊誌の年表を見ると、インターネットやスマホなど“情報ビッグバン”が紙媒体を市場から減退、休刊、廃刊が相次いでいることがよく解る。さらに新聞ジャ-ナリズムの主義主張、イデオロギーに基づく情報操作によって世論を扇動している有様について、両者の実体験を生々しく論じている。安易な週刊誌ネタに留まらない、闘うメディアの誇りと情熱を見せつけられる。
-
読みゴタエ有る一冊‼️
-
新年明けてようやく読み始めました。
いやね、週刊誌の区別とかしていませんでしたなぁ -
80年代から90年代の週刊誌2誌について、その当事者が対談形式で振り返った内容で、インターネットが普及する前に両誌が果たした「役割」とはなんだったのか、を明らかにしていく。
今となっては懐かしい内容も多く、古き良き時代を懐かしむ会話も含まれているが、あれだけ世の中の中心にいた両誌でありながら、それほど自画自賛は多くなく、いかにも「雑誌の人」という切り口による「振り返り方」が素晴らしい。
当時すでに新聞は「死んでいた」が、雑誌は「役割」を果たし続けた。そしていまは雑誌も死につつあることがよく理解できる。
これからの雑誌については、専門性の低い一般誌はオワコンなので、新書で出すなり、電子書籍で出すなり、有料動画で配信するなり別の媒体で「週刊誌」が生き残っていってほしい。
https://twitter.com/prigt23/status/1049241603389370368 -
週刊文春の元編集長と週刊新潮の元副部長の対談本。プロレスなのかシュートなのか分からない応酬だけで面白い。ファクトを捻じ曲げ本質を報じずに政権を叩くだけの新聞・週刊誌への危機感には納得。古巣贔屓や個人の思想が見え隠れしている面もあるが、それも含めてメディアリテラシーなんだと思った。