- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569837277
作品紹介・あらすじ
銀座、築地、日本橋……50年前まで水の都だった東京。『ブラタモリ』に案内人として7回登場した著者が発見して歩く楽しみを伝える。
感想・レビュー・書評
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家康の江戸開府以後、東京の街が変貌を繰り返してきたことや、首都高が川を埋め立てて造られたということは何となく知っていたが、昔の地図と照らし合わせて丹念に分析することで、過去の様子が浮かび上がってくる。文中にも書いてあるが、時代が下るにつれて川を埋め立てたという単純な話でもなかったりする辺りは興味深かった。基本的に、東京都中央区のエリアを取り扱っているので、この辺りに通学・通勤・居住している(していた)ならきっと引き込まれるはず。なお、図表を行ったり来たりするので、電子書籍ではなく紙の本で読んだ方が読みやすいと思う。
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<目次>
はじめに
第1章 水の都にふさわしい江戸時代の掘割網
第2章 明治前期~延伸した浜町川、埋め立てられた三つ
の掘割
第3章 市区改正事業で延伸した日本橋川と埋め立てられ
た四つの掘割
第4章 二つの川を開削し、三つの掘割を埋め立てた帝都
復興事業
第5章 大空襲の瓦礫処理で埋め立てられた五つの掘割
第6章 高度成長期以降、陸化した五つの掘割
おわりに
<内容>
この本のできた経緯は「おわりに」に書かれている。ブラタモリにも登場した著者のこの本は、専門書顔負けの本である。江戸の町は水の都であった。江戸時代以降、掘割が掘られたり埋められたりを繰り返したが、関東大震災、東京大空襲で瓦礫処理で多くが消え、高度成長期に高速道路網と河川のドブ化がすすんで、今のような状況である。しかし、神田川などを見るとその名残がある。著者の言うように、高度成長も過ぎて若者の車離れも進んだ。東京都心には物流拠点も大工場もない。河川や掘割を復元し、東京の水の都化計画、いいと思う。