現代の考察 ただ独りで生きる

著者 :
  • PHP研究所
4.50
  • (6)
  • (1)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 70
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (816ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569845302

作品紹介・あらすじ

「現代の本質とは何か」を問う6回分の講演会の内容を、質疑応答を含めてすべて再現。832頁にも及ぶ圧巻の書。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この本は、洒落たカフェでお茶を飲みながら、1ページ、1ページ読み進むめていくような本ではなく、明日どうなるかわからないような状態の時に、路上で打ちひしがれて読むような本です。一方的に著者の独特な思想と教養が語られます。気合いを入れて読まないと、付いていけない圧倒差を感じます。読み手を選びますが、4千円を遥かに越えるような満足感と、そして今の状況を生きる覚悟みたいなものを会得することが出来ます。

    個人的な感想ですが、
    今、日本社会が、満洲国が崩壊に向かっているかのような状況にあると思っています。
    またまた、考えすぎだよ、この本の影響受けすぎだよ、と思うかもしれませんが、
    今の政府も国民も、当時のそれと、そんな変わらないような感じがしてしまう。つまり、狂っています。

    当時も、少なくない国民が、きっと、「これは、ヤバい、うまくいかないよ」と思っていたはずですが、
    結局は、暴走は止められず、破滅的な結果を生み、現代でさえも、その時の問題に、
    呪縛されています。今、個人ができることは、何か?ほんと考えさせられる。
    あるモノは、政治に参加し、あるモノは、経済的に何とかしようとし、
    あるモノは、お金を貯める。もっと良い行動はないかと思い、この著作を手にしました。
    かなり、良いヒントを得ることができました。

    この20年で、あっという間に、
    日本が政治的にも、経済的にも急速に落ちぶれて
    今は、それを隠そう、隠そうという空気が、
    日本中を覆っている。それか、現実を見ないことにしようと。

    有効かどうか関係なしに、ノリで、政権が運営され、
    経済政策も、失敗、成功という判断がつきにくいほど、
    無責任に、金だけを使っている。

    先の大戦で、44年以降の戦死者が太平洋戦争における死者の7割以上がその期間に集中している。
    大事な判断を先延ばし、先延ばしにして、結局、犠牲は、全て国民が被る。
    それは、今も変わらないだろう。
    コロナ禍で日本人を取り巻く状況は一変しました。
    正確に言うと、もう日本は崩壊状態にある(もしくは、崩壊している)と、
    わかってしまいました。

    戦前の大本営発表のようにファクトとはかけ離れた内容を、
    平然と垂れ流すマスコミ。
    自分だけ良ければいいとマスクを大量に買い込むものや、
    そしてあり得ない価格で、売るもの、
    独善的な正義で、ただ他者を影で批判するもの、
    コロナをきっかけに、今までよく見えていなかった、
    日本の現況がわかるようになりました。

    日本が既に先の敗戦の時のように、
    破滅に行っている状況にあると、
    少なくない人が感じているはずです。

    サラリーマンの方は、リストラに怯え、
    社内の空気は、ますます、ぎすぎすし、
    足の引っ張り合いが横行するようになりました。
    協力するよりも、没交流、やるかやられるかかの状況にあります。


    事業者の方は、いつ潰れるかわからないで状況に陥り、
    資金繰りに奔走するが、先が見えない状況にあります。

    それらの状況から発生する言いようのないストレスの矛先は家族や他者に向かい、
    安全地帯であるはずの家庭が、
    ストレスフルな環境になっています。

    街を歩けば、今にでも、怒号をあげて怒り出す瞬間の人や、
    殺人者を見るような目で、人びとをにらみつけるもの、
    ただただ、現況がよくわからず、いやいや会社に行く人々、、、、

    まるで今の日本は、戦場です。
    まるでというか、戦場そのものになっています。
    おそらく今の日本人の平均のストレス値を測ったら、
    最前線で戦っている兵士と似たようなストレス値になっているでしょう。

    以前の敵は外国でしたが、
    今回の敵は、自分達になりました。
    自国民同士による凄惨な殺し合いを行っています。
    物理的な暴力を使わないで、
    精神的ハラスメントを徹底的に日本人同士でやりあっています。

    問題を解決するには、今の状況を正確に認識することが最優先ですが、
    それをしないで、ただただ、人を傷つけているのが、今の日本です。

    こういう状況の時、私たちはどうすればいいでしょうか?
    私の考えは、「現況を徹底的に理解する」ことだと思っています。
    これは、この著作で、執行氏が行ったことと基本的な同じです。

    自分の哲学を確立し、魂を燃やすように生きる、
    例え笑いモノになろうが、批判されようがです。

    コロナ禍で、コロナ禍対策本が大量生産されていますが、
    そういったものは、大して役に立たないでしょう。
    現在では、どうやって、生き残るか、それぐらいの意識が必要になっています。

    今、日本では、精神的ハラスメントによつて、多くの人が、
    廃人・狂人同然となっています。
    中には、歩くのも怖い人もいると思います。
    その感覚は、非常に正確だと思います。
    なぜなら、日本は、今、戦場になっているからです。

    こういう状況で、どうしたら、生き延びられるか、
    そのヒントをこの著作から、多くもらいました。

    先の大戦で、1944年以降のたった1年足らずの戦死者が、
    太平洋戦争における死者総数の7割以上に集中しました。
    これは、大事な判断を先延ばし、先延ばしにした結果です。
    犠牲は、全て国民が被りました。

    今、自分達の社会も、このような状況になっています。
    毎日、毎日、多くの犠牲者が、大量に生まれています。
    今回は、戦死者という数でもなく、コロナに感染した数でもなく、
    人間性を著しく失った人間、「狂人」の数です。

    政治が悪いんだ!リーダーを変えればいいんだ!
    そんな小手先の改革では、もう何も改善しない状況に、
    日本はなっています。

    絶望感に打ちひしがれている人もたくさんいると思います。
    自死という選択肢を考えている人もいると思います。
    ただ、何も、反抗しないで、そのように選択するのは、
    本当に愚かだと思います。
    考え方を変えれば、この絶望的な状況でも、たくましく生きることもできます。

  • 民主主義は大衆虚無主義へ。
    その世界で生きるには孤独を愛すること。それも義に生きることととらえた。
    現代は自己肯定感があまりにも高すぎるを知る。
    年末年始に読んで読み終わるまで3にちかかった。それだけ濃い。
    しかし、言ってることは至ってシンプル。
    人に言っても伝わらないし、説教なんてもってのほか。
    死生観をもとにただただ人に感化されるような死に方を選ぶしかないということ。
    宇宙の成り立ちは死だと思うと天に向かう生き方は死の逆算といえよう。
    物質主義の中で生きるには、それでも仕事(特に今だと献身と服従だろう)に生きることを選ばないと家畜と一緒になる。
    ぶを弁えて、体当たりするしかない。
    義と愛の核融合。

  • これは相当な期待外れだった。。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1950年、東京都生まれ。立教大学法学部卒業。実業家、著述家、歌人。ウナムーノの哲学思想に深く影響を受け、独自の生命論を確立し、実業に生かしている。また、戸嶋靖昌記念館 館長、執行草舟コレクション主宰を務める。蒐集する美術品には、安田靫彦、白隠、東郷平八郎、南天棒、山口長男、平野遼等がある。洋画家 戸嶋靖昌とは、深い親交を結び、画伯亡きあと全作品を譲り受け、記念館を設立。駐日スペイン大使館等と協力の元、戸嶋靖昌の展覧会を実施。また、コレクションを千代田区麴町の展示フロアで公開している。
著書に、『「憧れ」の思想』『おゝポポイ!』(以上、PHP研究所)、『生くる』『友よ』『根源へ』(以上、講談社)、『孤高のリアリズム』『憂国の芸術』『生命の理念 Ⅰ/Ⅱ』(以上、講談社エディトリアル)、『魂の燃焼へ』(共著/イースト・プレス)、『耆に学ぶ』(共著/エイチエス)、『見よ銀幕に』(戸嶋靖昌記念館)等、また『情熱の哲学──ウナムーノと「生」の闘い』(佐々木孝著、法政大学出版局)を監修。日本菌学会終身会員。

「2018年 『ベラスケスのキリスト』 で使われていた紹介文から引用しています。」

執行草舟の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
佐々木 圭一
リンダ グラット...
執行 草舟
マルクス アウレ...
アンデシュ・ハン...
執行 草舟
マシュー・サイド
ジェームス W....
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×