上達論

  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569845609

感想・レビュー・書評

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  • 帯裏
    「基本が無い」甲野先生の武術をどう学べば良いのでしょうか。
    多くの人が、ここで頭を悩ませることになります。
    残念な事に、手掛かりが無いまま早々に挫折をしてしまう人もいます。
    一方で、甲野先生は驚くほど多彩な人材を輩出しているという面もあります。
    「挫折をした人」と「残った人」。この違いは何なのでしょうか。
    それは「基本に替わるもの」を手に入れた人達だと私は考えています。
    では、「基本に替わるもの」とは何でしょうか?
    まずは、そこから語り始めたいと思います。
    (方条遼雨・序文より要約抜粋)

  • 研究者が指導者に必ずしもなる事ができるわけではなく、往々にして翻訳者が必要だと思うわけで。
    甲野先生はまさに刺激や発想の源で、探求者で研究者。
    そこそこ先生から離れながら独自に極めた人が独り立ちするのもそう言うあたり。
    師に依存せず、自己観察省察する力が求められると言う事。

  • 共著のようだか事実上、方条氏の著作です。

    稽古をする上で上達のコツとは何か、というよりは上達を妨げるものは何かに焦点が置かれている。

    稽古をする者にとっても指導をする者にとっても耳が痛い話も多いがとても参考になります。

    少しだけとげとげしい文章という印象があったのだが、後半の甲野氏との対談を読んで稽古会での嫌な出来事などの経験があるからなんだなと納得。

    方条氏は甲野氏のもとで多くの人材が育ったと言っているが、私が逆に甲野氏のもとでなぜ人材が育たないのかがこの本を読んでわかった。

    なぜならこの本で書かれているような上達論が甲野氏ではなく、弟子である方条氏が書いてあるから。

    甲野氏にとって稽古は自分がするもので、方条氏は稽古とは相手とするものと考えている気がします。

    甲野氏の稽古はあくまでも「個」であり、方条氏の稽古は「場」である。

    そんな「個」の甲野氏に「場」の方条氏だから稽古が成立する。

    「個」と「場」、「場」と「場」の組み合わせは稽古としては問題ないが、「個」と「個」では質の良い稽古は成り立ちづらい。

    類は友を呼ぶという考えから言えば、これからも甲野氏の稽古会はこの本で書かれている上達論から外れた人達が集まり続ける気がします。

    もちろんこれは「個」の稽古を否定しているわけではなく、甲野氏の能力はむしろ「個」だからこそ突出したと思います。
    ただ稽古の場を主催するような立場的には「個」は難しいタイプかなという気がします。

    武道の稽古をしている人にはおすすめの一冊です。

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著者プロフィール

1949年、東京生まれ。
20代はじめに「人間にとっての自然とは何か」を探究するために武の道へ。
1978年、松聲館道場を設立。
以来、日本古来の武術を伝書と技の両面から独自に研究し、2000年頃から、その成果がスポーツや音楽、介護、ロボット工学などの分野からも関心を持たれるようになり、海外からも指導を依頼されている。
2007年から3年間、神戸女学院大学で客員教授も務めた。
2009年、独立数学者の森田真生氏と「この日の学校」を開講。
現在、夜間飛行からメールマガジン『風の先・風の跡』を発行している。
おもな著書に、『剣の精神誌』(ちくま学芸文庫)、『できない理由は、その頑張りと努力にあった』(聞き手・平尾文氏/PHP研究所)、『ヒモトレ革命』(小関勲氏共著/日貿出版社)、『古の武術に学ぶ無意識のちから』(前野隆司氏共著/ワニブックス)などがある。

「2020年 『巧拙無二 近代職人の道徳と美意識』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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