日本経済 予言の書 2020年代、不安な未来の読み解き方 (PHPビジネス新書)
- PHP研究所 (2020年6月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569847085
作品紹介・あらすじ
超高齢化、AI失業だけじゃない! 東京五輪後の10年、私たち日本人を次々と襲う大変化とその対処法とは? 未来予測のプロが徹底解説。
感想・レビュー・書評
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『日本が壊れる10年間』
2020年代、2030年までの10年間で日本はいろいろな危機に遭遇する。
新たに7つのショックが到来
●アフターコロナショック
・グローバル分業の分断による物流の機能停止
・テレワークにより無駄(会議、手続き、移動など)に気づきはじめ、節約する。
そのような賢さは経済を停滞させる
●トヨタショック
・電気自動車
誰でも自動車が作れるようになり、参入障壁がなくなる。
コンピューターがIBM(垂直統合型)からインテル、マイクロソフトに一大転換したのと同じ
グローバルIT企業の投資額はトヨタよりも全然多い。
・CASE 自動車業界が未来を見据えて
C コネクテッド(自動車がネットワークにつながる)
A 自動運転
S シェア、共有
E EV化 電気自動車へのシフト
→ CとSについて自動車メーカーは後ろ向き
Sが進むと自動車が売れなくなる
E 電気自動車化は雇用が失われる、ガソリンの需要が失われる。政治家が強い圧力をかけてくる。
・5つ未来
・都市交通制御
・物流の最適化ビジネス
・電力会社になる(自動車の電池に貯める)
・カーシェア
・サブスクモデルの事業展開
●気候災害ショック
・予測されていたスーパータイフーンが現実に
・熱波の到来
・経験のない疫病発生リスク
●アマゾンエフェクト
・楽天市場の試練
アマゾンは物流を徹底して改善、送料を安く
・イオングループから見える日本の小売業
総合スーパーが利益率悪い
食品スーパーがなんとか。
金融、不動産などが好調
小売りは全般的に不調
セブンイレブンも、店舗は苦しいがフランチャイズの元締めは潤っている。
・ネットに食われるのは「買い物自体が楽しくないもの」
●人口ピラミッドの崩壊
・人口予言はほぼ確実にあたる
・AIによる仕事消滅が2020年代を通じて起きる
正社員が消滅する、ホワイトカラーの仕事の削減
●ポピュリズムショック
●デジタルチャイナショック
半グレ化する大企業とアイヒマン化する官僚たち
・半グレ化
みずからはクリーンにホワイトに守りながら、個々人の今ぷら違反は切り捨てる
・アイヒマン化
政府に人事権を掌握された官僚たちは、政治家のイエスマンに、ナチスのアイヒマンのように小役人が悪いことと知りながら上から命令されると実施してしまう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あまり嬉しくないここ10年の未来予測。かなりの自信と説得力を持って近未来を描いてます。
うなづける予測と多少首をかしげたくなる予測がありますが、どれも一応の説得力は持ってます。
暗い予測に対しては処方箋も書いておりますが。そこの部分は少し弱い。新書の分量なので仕方ないが、もう少し書き込んでほしいと感じました。 -
経営戦略コンサルタントである著者が、2020年から10年間の変化を予言した一冊。
これから日本に到来する7つのショックの内容とその対応策について、予言の書、と言いながらかなり具体的に述べています。トヨタ自動車の未来や今後の政治行政体制の問題など、刺激的な内容になっています。
変えられない未来に対しては、どのようにそれを受け入れていくか、変えられる未来に対しては、よりよい未来を作るために、今何ができるか、非常に考えさせられます。個人の力は小さなものですが、少しでもいい未来となるような行動を心がけたいと改めて感じる一冊でした。
▼2020年代に到来する7つのショック
・アフターコロナショック
・トヨタショック
・気候災害ショック
・アマゾンエフェクト
・人口ピラミッドの崩壊
・ポピュリズムショック
・デジタルチャイナショック
コロナは2020年の夏からは経済問題へと性格を変える。それとは別の原因でトヨタがこれからの10年間で衰退していくこと、巨大台風だけでなく熱波や熱帯性伝染病など新しいタイプの気候災害が日本を襲うこと、アメリカ同様に日本でも大規模小売チェーンが次々と閉店していくことなどのショックが予測される。日本社会では人口ピラミッドが崩落する中で「高齢者が働かなければいけない社会」「増加する移民」「人工知能」への不満が高まり、縮小する経済の中で2020年代中盤にはふたたび政権交代の機運が高まるだろう。
▼未来予測の手法
①起きている現象について情報収集し、影響の範囲を考察する。
②想定できないリスクは何か? 要因を挙げ、それぞれのリスクを見積もる。
③過去の類似現象と似ていること、繰り返す歴史を考察する。
④構造的に過去とは前提が変わるもの、新しい変化は何かを考察する。
▼自分の意見がパワーを持っているのではなく、それぞれの立場の集団がきれいに分離されている。最大の問題が分断であって、目に入ってくる共感はSNSが引き起こす錯覚
▼実は日本政府の今の状況は、東芝や三菱商事のような多角化大企業のトップにリーダーシップの強いオーナー型経営者が就いたのと同じ組織体制
▼「日本が壊れていく10年間」において日本がどう生き残ることができるのかについて、ふたつの示唆があると思います。ひとつは、技術について予測される破壊的な10年後の未来は実際に10年後には訪れるということ。そしてもうひとつは、その危機を企業は乗り越えることもできるということです。
▼自動車産業の5つの未来
・都市交通の制御というビジネスチャンス
・物流の最適化ビジネスの可能性
・自動車メーカーが電力会社になる
・カーシェアのビジネスモデル
・製造販売からサブスクモデルへの事業転換
▼気候変動の結果、私たちの生活を脅かす5つの災厄が科学的に予言されています。豪雨災害の甚大化、熱波の到来、疫病の増加、飢饉、そして海面の上昇です。このうち前の3つは2020年代を通じて、そして後のふたつも2040年までにには私たちの未来に甚大な影響をもたらす変化になると予測されています。
▼未来予測術では「将来人口は確実に予測通りになる」と言われています。そしてテクニックとしてもとても実用的です。
▼AIの先に待ち構えているのは日本人の大半が非正規労働者になる未来であり、正社員と中流家庭の消滅を意味する社会構造の変化です。
▼最終的に私たちが2030年問題について選択できる未来は、移民を受け入れるか受け入れないかの選択肢だけです。
▼「どんな思いもよらない前提条件の変化でも、5年前にさかのぼってみると必ずその変化が起きる兆しを発見できる」
だから「誰にも予想できない変化が起きたのだ」という言い訳は通用しない
▼変えられない未来と変えることができる未来
・比較的変えることが難しいもの
→人口問題それ自体の構造。日本社会の少子高齢化は少なくとも20年先までは決まった未来。その構造を少しでも変えられるのは移民政策にどこまで踏み切るか
→地球温暖化問題。よりエコな形でのワークスタイルが広まることで、予言のペースがゆっくりになる可能性はある
・一見なんとかなりそうに見えて変えるのが難しいもの
→正社員の消滅と非正規労働者の増加の問題。医療費や社会保障費などのセーフティーネットの破綻の問題、国民の不満の背景で台頭するポピュリズムの問題。根本の部分で資本主義と民主主義の欠陥がもたらす悪い未来。解決するには現代社会を動かしているこの資本主義と民主主義の原理に手を加える必要があるから解決は難しい。
<目次>
第1章 コロナショックでこれから何が起きるか
第2章 なぜトヨタは衰退するのか
第3章 気候災害の未来はどう予測されているのか
第4章 アマゾンエフェクトが日本の流通を破壊する日
第5章 確実に起きる人口問題の不確実な解決方法
第6章 半グレ化する大企業とアイヒマン化する官僚たち
第7章 日本崩壊を止めるには -
トヨタは衰退する?
温暖化は間違いなく進む(熱波到来、台風の場所変化)
アマゾンがセブン、小売り、音楽、テレビを席巻する
半グレ化する大企業とアイヒマン化する官僚!
(個人事業主への責任転嫁、法さえ守ればという責任転嫁、官邸の権限強化による官僚の質低下)
→どれも主張が分かりやすい -
h10-図書館2020.10.22 期限11/5 読了10/24 返却10/25
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タイトルは胡散臭が、内容は腑に落ちるものである。過去から現在を俯瞰し、現在から未来を演繹している。前提条件は、日々変化しているが、一方変化していない部分もあり、怖さを感じる。希望があるとすれば、我々一人一人が行動を起こすことだと思う。
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俄に信じられないがほぼ間違いなのない日本の未来があり、何とかなるかもしれないがまだその梶を切れないトヨタやアマゾンエフェクト、地球温暖化、、、
目を背けてしまいたい、現時点からは想像し難い未来の姿を認識し、自分事と捉え、行動を起こすことが大切だろう。 -
アフターコロナショック、トヨタショック、気候災害ショック…。2020年代の日本には新たな7つのショックが到来するという。その内容や対策を、経営戦略コンサルタントの鈴木貴博氏が語る。
第1章 コロナショックでこれから何が起きるか
第2章 なぜトヨタは衰退するのか
第3章 気候災害の未来はどう予測されているのか
第4章 アマゾンエフェクトが日本の流通を破壊する日
第5章 確実に起きる人口問題の不確実な解決方法
第6章 半グレ化する大企業とアイヒマン化する官僚たち
第7章 日本崩壊を止めるには -
資料・統計などを元にこれからの10年に起こることを予言するという本
こういう予言本はある程度時間が経ってから読むと、予言の当たり外れが分かって楽しかったりする
興味深く納得できる点もあるが、ツッコミどころも多い
【参考になった点】
1 コロナショック
生命より経済
新型コロナの金融パニックはまだ
2020~2021の我慢、その後はV字回復化
2 トヨタの衰退
CASE→購入客減+ソフトは他業者
3 気候変動
温暖化防止→既得権益に抵触
グレタは出番なし?最近寒いけど?
4 アマゾンエフェクト
◎小売業 △メディア △アマゾンコンビニ
5 人口問題
移民は必須
6 半グレ化企業
ポピュリズム:N党躍進、トランプ当選←大外れ
信じる世界の崩壊
7 日本崩壊を止める
とりあえず自衛
【内容:アマゾンから転記】
★コロナショックで日本経済はどうなる? その後に到来する「7つのショック」と「1つの希望」とは?
★月間100万PVの注目を集める「未来予測のプロ」が、日本経済の近未来を徹底予測!
★「失われた30年」から「日本が壊れる10年」へ。不安な未来を読み解き、新たなリスクに早く備えよ!
【本書「はじめに」より】
2020年代にはこれから新たに7つのショックが到来します。それは、
●アフターコロナショック
●トヨタショック
●気候災害ショック
●アマゾンエフェクト
●人口ピラミッドの崩壊
●ポピュリズムショック
●デジタルチャイナショック
という7つの変化です。
日本経済は長らく「ゆでガエル」の状態にあると言われています。
だからこそみなさんが今、目にすべきは10年後の「熱いお湯」を描いたレポートであるべきです。それを目にすることで、カエルはゆであがらずにお湯から飛び出すことができるかもしれません。
そしてこのレポートが描く「日本が壊れる10年間」についての予測が結果として外れれば、日本は壊れずにすむかもしれません。
私たちの意思や行動が変われば、未来も変わる。壊れる定めも止めることができるはずだ。その意識で本書を手に取っていただきたいと思います。
【本書の構成と主な項目】
■第1章 コロナショックでこれから何が起きるか
・コロナの一番怖い予言とは?
・日本経済をダイレクトに襲う「東京五輪中止リスク」
・まだ起きていない「本格的な金融パニック」が起きるとき
・コロナ対策が後手後手に回る理由
■第2章 なぜトヨタは衰退するのか
・テクノロジーの進化から未来が予測できる
・アイリスオーヤマの乗用車がホームセンターで売られるようになる
・自動車産業の5つの未来
・2020年代にトヨタが衰退する最大の理由
■第3章 気候災害の未来はどう予測されているのか
・グレタさんがあんなに怒っている理由
・今世紀初頭の地球温暖化予測で警告されていた〝今の危機〟
・2020年代に日本を襲うと予測される「熱波」
・地球温暖化を止めない人たち
■第4章 アマゾンエフェクトが日本の流通を破壊する日
・イオングループから見える日本の小売業の現状
・アマゾンの破壊から逃れられる小売業態は?
・ベゾスが買収を狙う日本の大手小売企業はどこか?
・アマゾンゴーがセブン-イレブンを破壊するシナリオ
■第5章 確実に起きる人口問題の不確実な解決方法
・外国人労働者が500万人規模で増加する社会
・70代前半まで働かなければ普通の生活が成り立たなくなる
・AIによる仕事消滅が2020年代を通じて起きる
・2030年までに日本が選択しなければいけない本当の論点
■第6章 半グレ化する大企業とアイヒマン化する官僚たち
・埼玉の参議院補欠選挙で起きた奇妙な現象
・日本でもポピュリズム爆発の危険が高まっている
・ホワイトのつもりが「半グレ化」していく大企業
・そして退廃と堕落の2030年がやってくる
■第7章 日本崩壊を止めるには
・一律10万円給付金は「ベーシックインカム」の社会実験
・世界経済回復のカギを握る中国は何を狙ってくるか?
・なぜトヨタ問題が2020年代最大の問題なのか
・「巨大IT企業との対等合併」というウルトラC
・予言とは違う「わくわくする未来」