ディープフェイク

著者 :
  • PHP研究所
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感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569850405

作品紹介・あらすじ

それは私じゃない!?ディープフェイクで作られた偽りの動画が拡散され、追い詰められていく一人の教師の姿を描いたサスペンス小説!

感想・レビュー・書評

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  • 『ディープフェイク』福田和代著(PHP研究所) 1980円 : 書評 : 本よみうり堂 : エンタメ・文化 : ニュース : 読売新聞オンライン
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20220112-OYT8T50054/

    ディープフェイク | 書籍 | PHP研究所
    https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-85040-5

  • ディープフェイク(AIによる画像合成技術)で精巧につくられた動画がネット上で拡散され、見に覚えもない教師が追い詰められていく…

    そういうくだりから始まり、ネット上の中の自分が自分なのに自分でない…訳がわからないまま名声も仕事も家庭も失われて。

    追いつめられる恐怖感は半端なくこちらちも伝わってくる。
    読むスピードが止まらない。
    早く、早く解決してほしい一心で一気読み。

    しかし、なぜ人は理性的な情報には動かないのに怒りや悲しみや同情などの心を揺さぶる強い感情には動かされやすいのか。
    悪意に満ちた誹謗中傷を簡単にするのか。

    AI技術が発展しても道を間違えない良い方向へと進んでくれたらと願う。

  • 今や社会現象にもなったディープフェイク。
    嘘で塗り固まれ、人の生活、挙句の果てに命までも脅かす悪意あるもの。

    【世の中にフェイクが溢れているのに、子供たちが純粋なままでいられるはずがない】
    これからを生きる若者は生きづらい世の中だろう。

    同僚教師、上司、教育委員会、出演している番組のスタッフや出演者、雑誌記者。
    陥れられた湯川の周りにはたくさんの人がいて、そしてたくさんの味方がいて支えてくれた。

    しかし読みながらこの中に犯人が?と疑心暗鬼にもなっていた。

    とても読みやすく話の進みも早い。
    最後の裁かない判断は素晴らしい。

  • いじめられていた生徒が報復の為にいじめた生徒に切りかかろうとしたところを、身を挺して守ったことからマスコミに「鉄腕先生」と呼ばれ、テレビ出演さえするようになった中学教師の湯川。
    そんなある日、新宿のホテルで転校した元教え子と密会していたと週刊誌に掲載される。
    その記事は全くのデマ。しかし、そのデマはどんどん拡散し、他にも男子生徒を殴る動画も拡散されるが、湯川には恨まれる覚えがない。
    悪意に満ちた巧妙な罠にどんどん陥っていく様子を描く前半は読んでいて気分が悪くなる。
    全然見えない希望。誰が湯川を陥れようとしているのか、分からないので、登場人物誰もかれもが怪しく思える。
    主人公の湯川でさえ、本当に自分が言うほど善人なのか?と思うほど。
    そこまで思わせるのは、作者の力量のなせる業だろう。
    個人的にSNSをやらない自分には、SNSに詳しくはないが、タイトルにもなっているAIを使用した「ディープフェイク」はとても恐ろしいと感じた。
    最近のニュースも、一般人の情報から拾ってきたものも多く、ネットニュースにおいては誤字脱字のチェックしかない。そんな情報をすぐに信じる人間の多さも怖いと思った。
    前半のただただ主人公が追い込まれていく様子が、とてつもなく怖くて、全然関係のない人まで巻き込まれる様子は読んでいるのが辛かったので、評価は低めで。
    後半の伏線の回収は見事だったけど、作者の得意なシステム系の話がもう少しあると、もっと面白かったと思う。
    誰もが湯川と同じ被害に遭うかもしれない世の中に、何だかとてつもない絶望感を感じる。

  • 新聞の「書評欄」を眺めるのが
    楽しみの一つです。
    そして、気になる「一冊」があると
    行きつけの図書館に行って見る。
    ここまでの「作業」がとても楽しい。

    この「ディープフェイク」も
    その一冊。
    小説はお気に入りの作家しか読まないので
    どうしても読み方が偏ってしまう。
    この福田和代さんも初読になります。

    フェイク・ニュース、AI、ネット
    (私の)日常からは遠いところにある
    モノたちばかりなので
    読み始めた時には
    どうかなぁ
    と思っていましたが

    いゃ これは なかなか
    時々 へぇ 今はそんなことまでできるのだ
    とか思いながらも
    その方面音痴の私にも
    物語の巧みさに操られて
    最後まで しっかり読ませてもらえました

    そして
    改めて 現代の新聞の今の書評に
    取り上げられた一冊であることに
    しみじみ納得させてもらいました。

  • 主人公は有名人で多くの協力者がいたから救われたが、普通の人がこんな方法で陥れられたら、ひとたまりもないだろう。

  • 身を挺して生徒を助けた事件がきっかけで、「鉄腕先生」と呼ばれ、テレビ出演でも人気を博す中学校教師の主人公。ある日、週刊誌に身に覚えのない女生徒との密会が合成写真付きで報じられたのをきっかけに、ネット上では彼が生徒に暴力を振るう巧妙なフェイク動画が拡散される。悪意に満ちた誰かに陥れられようとしているが、心当たりはない……。

    ドラマ『相棒』で2年越しのキーワードとなった「ディープフェイク」というタイトルに惹かれて読んでみた。ネット上で根拠のない情報が簡単に拡散され、それに乗じた自称「正義感」の人たちが個人を徹底的に叩くーーそんな現実でも起きていることがリアルに描かれる。読みやすい文章で展開も速く、一気に読んでしまった。真犯人の正体は割と検討がつけやすいかもしれないが、人の裏表がうまく表現されていると感じた。事なかれ主義の校長や、個人的な怨嗟で主人公を嫌う議員など、実際にいそうなキャラクター作りも上手い。それにしても、映像まで捏造できるとは恐ろしい時代だ。AIや最新の技術はそれ自体はもちろん素晴らしいものだが、悪用されないためにはどうすべきなのだろうかと考えてしまった。

  • 過去、生徒間の事件を解決したことからメディアに取り上げられ、「鉄腕先生」と呼ばれて、コメンテーターとしても活躍する教師・湯川。彼はある日、自分が女生徒とホテルで密会したという週刊誌報道が流れていることを知る。
    さらに、「ディープフェイク(AIによる画像合成技術)」で精巧につくられた、湯川が生徒に暴力を振るっている動画もネット上に拡散。出勤停止、テレビ番組の降板、さらに妻子が家を出ていく中、ネット上では湯川に対する大炎上が巻き起こる。果たして、湯川を陥れようとしているのは誰なのか。
    そんななか、湯川の働く学校ではさらなる事件が起き――。

    最新機器にめっぽう弱いおばちゃんの私がAI使った冤罪事件に巻き込まれたら・・アウトだな。その前に狙う意味が無いだろうが・・・

  • 女性作家さんらしく伏線は全て回収されたね。それと、これでもかって感じでサプライズ。なんだかんだで一気読み!

  •  過去、生徒間の問題を体を張って解決した事から「鉄腕先生」と呼ばれ、テレビのコメンテーターとして活躍していた湯川。
     ある日、女生徒とホテルで密会していたと言うネットニュースが出回り、更に生徒に暴力を振るっていたと言うフェイク動画まで流れ始め、身に覚えのない容疑とSNSの誹謗中傷で大炎上し始め…

     出てくる人が味方なのか敵なのか、いかにも怪しいも思われる人は果たして真犯人なのか?ドキドキしながらページを捲る手が止まりませんでした。
     最終的にあのSNSのつぶやきは、やってしまったのかとヒヤヒヤしましたが、思いとどまってくれて良かった。でも、自分の家庭より先生を優先したのは壊れても仕方なかったのかもしれないですね…

     湯川に救われた森田と穂乃果が付き合ったのは、救いのないラストに対して少しホッコリしました。

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著者プロフィール

福田和代一九六七年、兵庫県生まれ。金融機関のシステムエンジニアとしての勤務を経て、二〇〇七年、航空謀略サスペンス『ヴィズ・ゼロ』でデビュー。主な著作に『TOKYO BLACKOUT』『ハイ・アラート』『怪物』『迎撃せよ』『潜航せよ』『生還せよ』『繭の季節が始まる』『梟の一族』など。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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