人類が進化する未来 世界の科学者が考えていること(「世界の知性」シリーズ) (PHP新書)
- PHP研究所 (2021年11月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569850733
作品紹介・あらすじ
●遺伝子学・宇宙科学・AI……科学は人類を何処へと誘うか?
●最新科学の研究がもたらす「新たな人類の進化」とは?
●8名の科学の権威が語る、ポスト・ヒューマン世界の展望!
ピンポイントでゲノム情報を改変する「クリスパー・キャス9」でノーベル化学賞を受賞したジェニファー・ダウドナ氏や、「人生200年時代」の到来をうたうデビッド・A・シンクレア氏など、一昔前ならSFの世界だったような事象が、いま現実の世界で実現されようとしている。
しかし、科学の発展がもたらす「人類の新たな進化」には、大きな思想的・哲学的問題が立ちはだかる。古来より不変の自然の理を超え、人為的に達成される進化を、人類はどのように認識すべきか。そもそも、ヒトが現代の「知性のあるヒト」になったのは必然か、偶然か――。
世界の科学者8名が語る、これからの進化論と、ポスト・ヒューマン世界の展望。
感想・レビュー・書評
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様々な分野で活躍する科学者へ時事について質問しているインタビュー集です。
世界が今注目しているAI開発や宇宙科学や遺伝学の進捗について、様々な畑からの見解が綴られています。
生物学的進化であればゲノム編集、工学的進化であればサイボーグ技術や脳ダウンロードに進むのだろうと考えます。
不老不死は脳ダウンロードで叶えられ、身体能力向上はゲノム編集とサイボーグ技術を合わせることで叶えられると期待しています。
私自身は肉体を改造して新たな人類となることに恐れはありませんが…、皆さんは如何でしょうか。
今後の人類の在り方について考えさせられる一冊。 -
進化する未来にあたり
科学者たちの考察や
なにを動かしているのかを垣間見ることができる。
でも、自分にとって
何が有用なのか、知識を得てこの先へ進みたい
といったことは
本書では達成することは非常に難しい内容である。
研究者たちの向くレールを知らないということは
彼らの理解につながらないし
紡いでいくこともできない。
この「紡いでいく」という点で
社会に役に立っていくことができるであろう著書。
紡いでいくということは
科学者のバトンをつなげていけることだから -
各界の科学者とのラフなインタビュー。
とても軽く少しずつ紹介している。
私が読んで印象に残ったのは、理論物理学者のリサ・ランドールさんと、人類学者のジョセフ・ヘンリックさん。 -
いくつかのピックアップ。結局は自分の勘を信じて研究を続けること。食事の回数を減らした方が健康になれる。脳を活性化させるためにはストレスを減らす。料理で使う火は「体外の消化」を意味する。陶器の発明によって料理の幅が広がった。恐竜が1億6500万年経っても知性を持てなかったのは、必要がなかったからなのかもしれない。
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有り S404/タ/21 棚:13
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プロローグ―科学の発展がもたらす「人類の新たなる進化」
ゲノム編集はヒトの希望か(ジェニファー・ダウトナ):
遺伝性疾患に治療に役立つ
人間の形質を変えるためにゲノム編集が使われる?
政府による規制は効果がない
正確さと精度が鍵となる
科学の発見に求められる気質
「人生200年時代」の到来(デビッド・A・シンクレア):
人生の時計の針を戻す術
老化の情報理論とは何か
iPS細胞研究との関係性
老化の進行は生活習慣で決まる
1日3食も必要ない
人間の寿命はどこまで延びるか
適度な運動と社会貢献で老化を防げ
「目に見えない」宇宙の秘密(リサ・ランドール):
すべては原始から成るという固定観念
恐竜絶滅の原因となった彗星の衝突
大きな疑問が人類の進化にもつ意味
地球外生命の存在は否定できない
人類は「自己家畜化」に陥っている(ジョセフ・ヘンリック):
なぜヒトだけが文化を形成できたのか
ヒトの脳は分業によって拡大してきた
同性愛は人類特有ではない
人類の「自己家畜化」
デジタル化は進化プロセスの一部にすぎない
AIに料理はできるか(ジョナサン・シルバータウン):
料理が「外部の胃」として機能してきた
科学者は「食と健康:をどう考えているか
見落とされる「果糖の罠」
食文化はその国の自由でよい?
遺伝子組み換え食品に対する根拠なき恐怖心
AIによるレシピは途上段階
物理法則に制限される生命(チャールズ・コケル):
アリにリーダーは存在しない
物理法則が生み出す行動にすぎない
細部をそぎ落とした先にある生命の根源
必然があるから生まれる個性
地球外生命体も同じ形をしている
世界大戦が起きれば数分で終わる(マーティン・リース):
AIの進化はいつ人間を超えるか
脳そのものをデータ化すれば不死が実現できる
少数の人間がもたらす破局
監視社会のバランス
「ポスト・ヒューマン」に感情はあるか
グローバルなカタストロフィ
宇宙に「知性」は存在するか(ジョナサン・B・ロソス):
突然変異はランダムで起きる
恐竜はヒトの脳に近づいていた?
デザイナー・ベイビーの危険
地球外生命体とヒトは「似ていない」
地球温暖化の影響
エピローグ―進化論は科学の範疇を超える -
世界の科学者8人にインタビューされ、たいへん読みやすいのですが...ひっかからない→記憶に残らない→すぐ忘れる...内容だと思いました。
明けましておめでとうございます。
この間、クローンのiPS細胞で不死になれることで争いが起こる映画を観たところなので、興味深いレ...
明けましておめでとうございます。
この間、クローンのiPS細胞で不死になれることで争いが起こる映画を観たところなので、興味深いレビューです。
わたしはどうするかな。
貧富の差など関係なくみんなが改造できるなら、やってみたい肉体改造部分もあるかなぁ。
でも一部の権力者や選ばれた人だけしか施術できないなら、世の中は恐ろしいことが起こるかも。
うーん、つい倫理的、感情の面から考えてしまいます。
でもSFな世界は憧れるところもあるので。
うーん、答えはでません 笑
あけましておめでとうございます。
いつもレビューをお読みいただき、ありがとうございます。
富裕層が優先的に強化されれば、格差...
あけましておめでとうございます。
いつもレビューをお読みいただき、ありがとうございます。
富裕層が優先的に強化されれば、格差が深刻なレベルで広がると懸念される旨の記述が本書にありました。
努力が報われない世界は誰も望まないと思いますので、人類全体の進化として万人が任意で享受できる技術でないといけませんね。
インターネットの発達とスマホの普及により既にSFのような世界なのですが、やはり人体そのもののスペックを高めることはそれらとは違うステージだろうと私も思います。
人間を人間たらしめる感情と理性、そして倫理を含めてしっかりと見極めなければならない時代が、もしかしたら我々の世代で到来するかもしれません。
改造する人しない人どちらもいるでしょうが…正解は無いかすぐには判明しないと思います(~_~;)