桜風堂夢ものがたり

著者 :
  • PHP研究所
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感想 : 90
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569851112

作品紹介・あらすじ

桜風堂書店のある桜野町に続く道。そこには不思議な奇跡が起こる噂があった。田舎町の書店を舞台とした感動の物語。シリーズ最新作。

感想・レビュー・書評

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  • 桜風堂の番外編が4作。

    本編で登場した人に起こる優しいファンタジー。
    山の峠での不思議ないい伝え。
    今は亡き会いたい人に会えるというが…

    このシリーズのラストになるのかな?
    優しい優しいシリーズでした(^-^)





  • 【収録作品】第一話 秋の怪談/第二話 夏の迷子/第三話 子狐の手紙/第四話 灯台守

    『桜風堂ものがたり』『星をつなぐ手』の番外編。あとがきによると、本編と異なり、はっきりとファンタジーや怪奇物語の側面を打ち出したとのこと。その意味で「夢ものがたり」としたそうな。

    本編の主人公・月原一整は、本作ではメインではない。
    第一話 桜風堂店主の孫・透少年と仲間たちが肝試しを企む話。怖い噂のある森の洋館での不思議な出来事が描かれる。少年たちの友情が微笑ましい。
    第二話 桜風堂を訪れた銀河堂書店店長・柳田六朗太が帰途道に迷う話。山道で迷ったときのことを教えてくれた亡き従姉や、死んでしまった子猫、子どものころの知り合いを思い出していると、彼らが現れる。
    第三話 銀河堂書店店員・三神渚砂が桜風堂を訪れる途中の話。確執のある父親のことを思い出しながら歩いていると、病院を抜け出して桜風堂に行くという当の父親に出会う。いい話としてくくってはいけない、そのうえで、渚砂にはよかったと思う。
    第四話 森に住む青い目の老人の話。長い間住んでいるのに、誰も正体を知らなかった。そこまで話を広げるか! と驚く。一方、一整を見守る優しい視線が描かれる。
    「会いたい人に会える」道。生きている人に都合がいい優しさだが、生き続けるのに必要な優しさではある。

  • 「本を読むことで自分と違う人生も見ることができる、人に優しくなれる」ってしみじみ思う事ができるこの作品。幼い頃に読んだ本だったり子どもたちが小さい頃に読んであげた本を読み返したくなるような感じでした。私は会いたい人に出会えるなら、亡くなった祖父母はもちろんだけど、今は成長した子どもたちが小さかった頃のあの子達に会いたい。一緒に何度も何度も読んだ絵本もあの書店には揃っていそう。本屋って人と本が出会えるだけでなく、時空を超えて会いたい人に出会える素敵な場所って感じられます。

  • 桜風堂店主の言葉に『本を読むとは他人の人生を生きるということだ。自分ではない誰かの人生を辿り、その心で生きてみるということだ。…ひとは、一冊本を読むごとに、きっと、その本の分だけ、優しくなれるんだと…。ひとは本がなければ、ひとりぶんの人生しか生きられず、…』と本を売るという仕事が大好きな理由のひとつとしてあげている。そうだよなぁ。と改めて思う。
     本を読むことが習慣化されていればそんなに意識することがないのだが、普段あまり読書をしない人にとっては、何が良くって読むの? 何が楽しいの?って思いを持つらしい。ごくたまにだが、そう言われたりする。今度聞かれたら店主の言葉を伝えようと思う。その通りだと思うから。
     現実では経験できない事。幽霊や不思議な奇跡も異星人の存在もここでしか味わえない経験が自由にできる世界!読書の醍醐味を感じます。合う合わないはあるでしょうけれど‥。

  • 『桜風堂ものがたり』番外編として、本編とは毛色の異なるおとぎ話のような短編がそろっていた。

    会いたいけれど、会えない。
    そんな人や物語との再会を描いており、私自身もこんなことがあったらいいのになぁ、と思いながら読み進めた。
    現実的に言ってしまえば、実際に会うことは叶わない。けれど、絆の深い人や物語は私たちの意外と近くにいて、見守ってくれるのかもな、と思うとあたたかな気持ちになった。

  • 桜野町付近で起こるちょっと不思議な出来事の短編集。
    一整のまわりの人々をやさしく見守ってくれる不思議な存在たち。怖くないお化けはいいね。異星人まで出てきた。

    村山さんのファンタジー世界に慣れていないので、自然な流れで突然人ならぬものが出てきたりして、ぼーっと読んでいたらあれって思ったりした。
    個人的には少し入りづらい文章もあったけれど、やさしい怪奇現象を楽しめた。

  • 想像していた内容と違ったため、やや消化不良な感じではあるが、一整の周りの登場人物たちのことも好きなのでこれはこれで楽しめた。

    桜風堂のその後が描かれていたり、一整の思い描く書店作りへの奮闘が読めるのかなと思っていたので、その辺の続編に期待したい。

    透や来未、風猫さんを始め、桜野町がますます素敵に繁栄していく様子の続編、それぞれが叶えたい「夢」を実現していく方の「夢ものがたり」が読める日を待ちたい。

  • 桜風堂番外編。

    まさに「夢ものがたり」

    ほわっと楽しめました。

    最初の透とその友達2人の冒険もなんかいいなあ、と思いながら読みましたが、都会で人間関係うまくいなかなかった人が田舎で自分を取り戻すーかどうかは田舎出身の私にはちょっとひっかかりました。
    「都会では、空気が読めない善人は、嫌われてしまうこともあるのだ。」
    これは田舎も同じ。そして、都会なら逃げ場もあるけど田舎にはない。

    そんな現実はともかく、桜野町はあくまでも架空の町。夢を見させてくれる町。
    読んでいる間は現実を忘れて、どっぷり夢の世界にはまって幸せな気持ちに。

  • 大好きな「桜風堂ものがたり」のスピンオフ。
    続編をもう読めないと思っていたので、スピンオフでも「桜風堂ものがたり」を読めるのは、とても嬉しい。
    今作はスピンオフなので、主人公の一整の出番は少なめ。
    その代わり、元桜風堂の主人の孫である透、銀河堂書店の店長・柳田、その銀河堂書店のカリスマ書店員・渚砂などが街へ向かう山の中で不思議な体験をするというお話が描かれる。
    ファンにとっては、お馴染みのメンバーで安心感がある。
    そして、作者得意のファンタジーを組み合わせて来ているので、本当にほっこりした感じで読めた。
    一整の登場シーンが少ないのは、少し寂しいが、まだ登場していないメンバーを主人公にした物語もあるらしいので、「スピンオフ」の続編に期待したい。
    心が塞ぐ世の中が続く中、温かい物語を発信し続けてくれる作者さんに感謝したい。

  • ちょいちょい話がおかしいな…と、思っていたら、この本は桜風堂ものがたりの番外編でした…(苦笑)

    番外編は村山早紀さんらしいファンタジーでほっこりしました。あまり本屋は関係ないのが残念だったのですが番外編なら仕方ないですね。

    さて、順序が変わってしまいましたが本編の方を読むことにします。

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著者プロフィール

1963年長崎県生まれ。『ちいさいえりちゃん』で毎日童話新人賞最優秀賞、第4回椋鳩十児童文学賞を受賞。著書に『シェーラ姫の冒険』(童心社)、『コンビニたそがれ堂』『百貨の魔法』(以上、ポプラ社)、『アカネヒメ物語』『花咲家の人々』『竜宮ホテル』(以上、徳間書店)、『桜風堂ものがたり』『星をつなぐ手』『かなりや荘浪漫』(以上、PHP研究所)、げみ氏との共著に『春の旅人』『トロイメライ』(以上、立東舎)、エッセイ『心にいつも猫をかかえて』(エクスナレッジ)などがある。

「2022年 『魔女たちは眠りを守る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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