【小学3-4年生、中学年の読み物】あっちもこっちもこの世はもれなく (みちくさパレット)

著者 :
  • PHP研究所
4.02
  • (16)
  • (20)
  • (13)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 243
感想 : 18
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569880457

作品紹介・あらすじ

ぼくは背が低い。牛乳をたくさん飲んでるのに……。努力しなくたって背が高い希来里が羨ましい。これって、不公平だよ!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 背が低いと嘆く不公平を、視力が悪い子が感じる不公平を知ることで、自分には当たり前で気づかない持っているものがあり、それを不公平を感じている子もいることが知れる。
    価値観が違うから不公平に感じることも違うし、不公平を感じる部分は誰でも持っている。
    悩んでいることが解決になるわけではないけど、不公平が存在するのは当たり前なんだと思えることで少し気持ちが楽になるかも。
    「不公平は公平にある」は記憶に残りやすい名言でした。
    競馬場、という時点で話の展開がわかるのだけど、背が低い男子の励みになる事例、もっとバラエティほしい(泣)

  • #あっちもこっちもこの世はもれなく
    #いとうみく
    #PHP研究所
    #みちくさパレット
    #児童書
    #読了
    大人だと結論は少し読めてしまうかもしれないが、小学生にはちょうどいいかもしれない。自分になくて相手にあるものは見えやすい。その逆は見えにくい。わかりやすいものにとらわれてはいけない。

  • 私も背が低くて目も悪いので、背が高くて目がいい人はうらやましかった。

    いつ頃からかな、気にならなくなったのは。いや、気にしないようになった、というべきか。

    「生きる権利はみんな公平にある。これはなきゃダメだ。でも、人生は不公平だよ。だれかと比べたとたん、全部が不公平になる。それを感じないときは、比べた相手が自分より恵まれているときかな」

    ちょっとあっさりし過ぎな感。

  • 4年生の公太は背が低いのがコンプレックス
    仲良しの希来里(きらり)は背が高く、バレーボールクラブでも期待されている

    「不公平だよ」

    でも、そんな希来里にも悩みがあって……

    「公太がうらやましいよ」
    「はぁ?」

    背が高いのも低いのも、視力がいいのも悪いのも、容姿のことも、生まれ持ったもので努力だけではどうにもならないことだって、見方を変えれば違って見えてくる

    「不公平さは、だれにでも公平にある」

    自分を意識して劣等感を感じ始める中学年から高学年にいろいろな気づきを与えてくれる

    《日本児童文芸家協会賞、野間児童文芸賞受賞等、数々の受賞歴があり、青少年読書感想文全国コンクール2年連続選出の著者が、等身大の少年達を爽やかに描いた共感を呼ぶ一冊。》──出版社による紹介文

    『大渋滞』(2019年)に続き「みちくさパレット」から、2022年4月刊

  • 小学4年生の公太は、とあるコンプレックスを抱えている。一方友達の希来里は悩みなんてなさそうにはつらつとしてるけど、実は・・・
    中学年くらいになると、自分のコンプレックスを自覚してくるようになるのかな。それを踏まえたいとうみくさんの、小学生の心理描写がすごい。これを読んで、子どもたちが自分には嫌なところだけじゃなくていいところもあるってことに気づいてほしいな。
    あと、ころりよさんの絵が可愛らしい。

  • 小学4年生の公太は、背が低いことを気にしている。友だちの希来里(きらり)は158センチある。公太は不公平だと思っている。ところがうらやましいと思っていた希来里にも、将来の夢をあきらめるほどのなやみがあると知って…。
    身長、視力、家庭環境など、世の中には努力ではどうしようもならないことがたくさん。「ずるい」「うらやましい」と思っていることがある人、夢をあきらめている人におすすめの本。
    (YA担当/なこ)

  • 背が低くて、この世は不公平だ、と思ってる公太の話。背が高くてうらやましい友達にも悩みはあって…
    競馬ってあまり子どもの本には出てこないだけに、さわやかな印象を残します。

  • 【小学3-4年生・中学年の読み物】

    好きなイラストレーター・ころりよさんが絵を担当されていて、そこからこの本を知りました。

    不公平は、公平にある。
    その事実を前向きに受け入れていくお話で、とても好きだった。

    誰かのことを羨ましく思ったり、逆に優越感に浸ったり、善意として言われた言葉ですごく傷ついたり……。
    そういうことは子どもの世界だけでなく、大人の世界にもある。
    大人が読んでも楽しめるストーリーだと思う。

    そして、ころりよさんの優しくてあたたかいイラストがストーリーにぴったりで、ほくほくしながら読んだ。
    児童書を読むのは久しぶりだったので、「絵がいっぱいある!」と挿絵を見て嬉しくなった。

    普段使っている言葉で、ストーリーを分かりやすく・面白く組み立てていく児童文学は、やっぱりすごいなぁと思った。
    読めて良かったです。


    以下、好きだった箇所を引用します。

    背が低いぼくはかわいそうだっていうのか? チビだって言われたら傷つくのか? ぼくは気を使われて、かわいそがられなければいけないのか? 背が低いって、残念なことなのか?(P35)

    ——こーた君のほうが、つとむ君よりちっさーい
    ——公太君は、つとむ君より小さいけど、大きい子なんだよ
    どっちもへこんだけど、事実をついたことばより、正義を振りかざしたまっとうなことばのほうが、ぼくは傷ついた。(P55)

    「人生は不公平だよ。だれかと比べたとたん、全部が不公平になる。それを感じないときは、比べた相手より自分が恵まれているときかな」(P118)

    憧れることができるのは幸せなのか、それとも、知らなかったほうが幸せなのかな。(P121)

  • 「ぼくは背が低い。牛乳をたくさん飲んでるのに……。努力しなくたって背が高い希来里が羨ましい。これって、不公平だよ!」

  • 不公平は公平だ!みんなちがってみんないい。子供も大人も、未来に希望を持とうよ。

全18件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

神奈川県生まれ。『糸子の体重計』で日本児童文学者協会新人賞(2013年)、『空へ』で日本児童文芸家協会賞(2015年)、『羊の告解』でうつのみやこども賞(2019年)『朔と新』で野間児童文芸賞(2020年)、『きみひろくん』でひろすけ童話賞(2021年)、『あしたの幸福』で河合隼雄物語賞(2022年)、『つくしちゃんとおねえちゃん』で産経児童出版文化賞(2022年)を受賞。そのほか、『かあちゃん取扱説明書』『二日月』『チキン!』『カーネーション』『ぼくんちのねこのはなし』『よそんちの子』など、話題作を多数発表している。全国児童文学同人誌連絡会「季節風」同人。

「2022年 『バンピー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

いとうみくの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×