後宮の薬師 平安なぞとき診療日記 (PHP文芸文庫)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569901091

作品紹介・あらすじ

父から医術を学んだ一人の娘が、薬師として後宮へ。権力闘争に明け暮れる宮廷で起こる怪事件に、果敢に挑む! 平安お仕事ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 胡人の父と日本人の母の間に生まれた筑前の薬師の瑞蓮は京の都にやって来て、様々な貴人の治療にあたるうちに、いろいろな騒動に巻き込まれる。機転を働かして治療していくのだが、うーん、もう一息かなあ。主人公の個性をもっとはっきりと強調したほうがよかったような気がする。若い安倍晴明がやたらと絡んでくるのが、まあ面白いね。

  • まあ面白かったが、超個人的な理由ながら、読んだ時期が悪く後悔した。そういうの、あんまり考えてなかったが、あるねぇ。とはいえ、長くも重くもないので暇つぶしにはなったが。
    博多津で父と開業していた、安瑞蓮という薬師が主役の医療ミステリ。
    深い緑色(翠)の目、赤みのあるアッシュヘア(花穂をつける前のススキののような赤みのある淡い色)、彫りの深い顔立ち、背が高く、毛皮をあしらった胡服をきている。
    ある意味、異相であるというのは、”マナー”がわからなくても許されがちである、というのがないこともない。”しらない”という決めつけ先入観を相手がもってくれたりするのだ。
    もちろん、その”相手”のレベルによって変わってくるが。
    ともかく、その異相の麗人が内裏で治療に携わったりとか、
    しながら、相手が勝手に自爆していくという系統。
    結構優しい感じだが、
    当時の外科というと”外”、皮膚疾患のことなので
    個人的にあんまり得意ではない。

  • 平安の後宮お仕事ミステリー。

    中華ほどドロドロ感を感じず読めました。きちんと見立てる診療が好感をもてます。

    心身の治療にあたるうちに巻き込まれていくのは王道で読みやすいですね。若き安倍晴明の登場も平安感があって良いです。

    すでに続きがあるようなので楽しみです。

  • お仕事小説は好きなので、楽しかったです。

    今回は登場人物の紹介という感じですねぇ。

  • 978-4-569-90109-1
    C0193¥740E.

    後宮の薬師
    平安なぞとき診療日記

    2021/03/18. 第1版第1刷

    著者:小田菜摘(おだ なつみ)
    発行所:株式会社PHP研究所
    -------------
    大陸から海を渡ってきた胡人の父から医術を学んだ霧すれ・瑞蓮(すいれん)が、腕を見込まれ、京の都の後宮へ。御簾の向こうの姫や女房達の身体や心の治療にあたるうち、瑞蓮は後宮に渦巻く陰謀に巻き込まれていく。
    共に働くのは若き医官の樹雨(きう)、そして陰陽寮の学生安倍晴明も現れて…。
    百花繚乱の後宮で起きる様々な事件に、若き女医(薬師)が医学の知識を駆使して果敢に挑む、平安お仕事ミステリー。 
    文庫書下ろし。

    目次
    序 朱雀大路を歩いてみれば
    第1話 わがまま姫に翻弄されて
    第2話 若宮の病は官公の呪い?
    第3話 膳に難あり、女媧の卦
    第4話 勤勉も時に因りけり
    第5話 風癮眕(かざほろし)の原因は意外なところに
    大内裏見取図
    内裏見取図
    --------------

    手にした理由
    後宮物(日本の)のようなので、興味を持って購入。
    この著者さんは、「平安」のものをたくさん書いている様子、これが面白ければ別のも読んでみるつもり。
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  • 一話ごとで病に関するトラブルが解決して次へ、という訳ではなく、次話以降に持ち越す話が多め。
    解決しないまま次の案件が飛び込んでくるので、なかなかすっきりしないという。
    いや、あの案件はどうなってるんだという。
    実際はそういうことも多いのだろうが、ちょっともやもやさせられた。

    今よりは医学が進歩していない時代、もどかしく思うことは多々あれど、そのもどかしさの理由が医学の遅れよりも現代にも通じる問題や悩みだった点は興味深かった。
    主人公の医学は海外のもので進んではいるけれども。
    庶民感覚も入ってくるので、公家だらけの京では盲点になる部分が解決策になってくる点や、晴明さまの占いが解決のヒントになる点も面白かった。

    気になったのは( )書きの注釈が多くてテンポが悪くなっていた点か。
    現在の地名などの情報を丁寧に載せる必要はなかったかなと。
    他の平安ものではあまり見かけないので余計に気になったのかもしれない。
    視点の時代がずれるから、物語に浸れないしなあ。
    歴史の解説本ではないから、注釈はいらなかったかなと。

  • 後宮+女医の二番・三番煎じかと思ったが,ちょっと違うテイストだった.お決まりの主役+ワトソン役のイケメンに加えて,安倍晴明も登場する.登場人物の心理描写やシナリオにも無理がなく,こういう読み物が好きな人にはお勧めの一冊である.二巻もあるようなので,読んでみたい.
    (小田菜摘の2冊目だった)

  • 医術対呪術、みたいな感じかと思ったら、実は補完し合う関係なのかな。
    平安のお姫様たちは決して顔を見せないのかと思っていたら、結構顔出ししていた。

  • 設定は面白いが、診断と治療技術の限られた中でどこまで迫れるか…。
    誰も救われずにじっとりした感じが続きそう。

  • 身分での差別、跡継ぎ問題などこの時代はかなり厳しかったろう
    誰かの善意に頼ってひとりに苦労を押し付けてしまうところ(介護や仕事)、現代に通じる問題で考えさせられた
    朱宮の今後がどうなるのかが一番気になるところ…
    瑞蓮は樹雨や晴明と関わりながらさらに薬師として成長していきそう、続刊楽しみ

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著者プロフィール

埼玉県出身、佐賀県在住。「平安あや解き草紙」「なりゆき斎王の入内」シリーズをはじめ、数々の人気シリーズを執筆。その他の作品に『西陣あんてぃく着物取引帖』『お師匠さまは、天神様』『後宮の薬師』『掌侍・大江コウ子の宮中事件簿』などがある。

「2023年 『華は天命を診る 莉国後宮女医伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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