バナナケーキの幸福 アカナナ洋菓子店のほろ苦レシピ (PHP文芸文庫)
- PHP研究所 (2023年2月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569902838
作品紹介・あらすじ
「ママ、ケーキを売ろう。人生リベンジしよう」熟年離婚した母と恋愛下手の娘が洋菓子店を始めようと奮闘するハートフルストーリー。
感想・レビュー・書評
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☆4
美味しそうなバナナケーキの表紙に惹かれて購入した作品。
トントン拍子にうまく行き過ぎでは…という印象を少し受けましたが、茜さんと七には幸せになってもらいたかったので、新たな人生を母娘で切り開いていく2人を応援しながら楽しく読ませてもらいました❁⃘*.゚
山口恵以子さんの作品は初めてだったのですが、他の作品も読んでみたいと思います! -
夫から突然離婚を告げられた母、茜。
そんな茜に人生を取り戻してもらおうと支え励ます娘の七。
得意なケーキ作りで、その後の人生をいきいきと生きていく様が描かれている。
茜の得意なバナナケーキとダークフルーツケーキは美味しそうです。食べてみたいですね。
そして、巡り会った人に対して優しいのでしょう。母娘の周りの人たちが優しいです。
バナナケーキとダークフルーツケーキの2本を主軸にケーキ屋を開店して軌道にのせて、拡げていく。
パワフルな母娘だな~と思いました。 -
突然、父親から離婚を切り出された母と娘が一念発起し、趣味で作っていたケーキ作りで成功をおさめる。打つ手は全て当たり、詐欺師の手には乗らない。適齢期には王子さまが二人も現れてどちらにしようかな。まるでサクセスストーリーの見本市のよう。最後まで何の波乱もなく終わった。ややこしい話を求めていないとき、安心して読める本が欲しいときには最適だと思う。
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好きなことで生活ができたら、どんなにいいか。
普通の主婦だった人がケーキ作りが好きだからと言って、
ケーキ屋さんになれるのは、ほんとにまれな事。
どんなに才能があっても、その人だけの努力では絶対に成功しない。
必ず、そばに応援をしてくれる人が必要。
なにより、本人が「人を喜ばせたい」という気持ち。
茜の人柄がたくさんの人たちを引き付けたと思う。
詐欺を見破る観察眼も鋭かった!
その時代の、女性の立場が弱かったころ、
しっかりと自分の力で生きようとする姿。
この著者らしいストーリー。
「恋をしなくても、結婚はできるが、
愛がなければ、結婚は破綻する」とか、
「恥をかく勇気」とか、
うんうん、とうなずきながら納得した。
父親の葬儀に、しっかりと出席して、
お別れできた七に、優しかったころの父を思い出すシーンは、胸が熱くなった。 -
山口惠以子さんの作品は、『ゆうれい居酒屋』、『婚活食堂』の両シリーズ物を読み進めており、いつも楽しませてもらっていますが、本書『バナナケーキの幸福』も、是非シリーズ化して続きを読みたいなと思わせてくれるほど、本当に面白かったですね。
それこそ、一気に読み終わりました。
読み続けたいなと思う大きな要因の一つに、物語の主人公を応援したくなるかどうか、があると思います。
その点、本書の主人公である、母・茜と娘・七の母娘は、応援したくなる、また応援する甲斐がある主人公にピッタリでした。
とりわけ、七の茜を大事にする心と、茜が作るケーキを喫茶店への卸売りから始めて、洋菓子店の開店、販売の拡大に繋げる決断力・行動力は、読んでいて気持ちが良く、応援したくなりました。
物語の序盤、父の突然の裏切り行為(不倫⇒離婚)によって、裕福な病院長夫人とその娘という立場から退かねばならなくなりますが、そこから、茜・七母娘の奮闘が始まります。
ある意味で、茜の本来の人生はそこから始まったのかもしれませんが、(前述のとおり)七がいたからこそとも言えるでしょう。
勿論、七は七で自分の人生を歩んでおり、全てを茜に捧げているわけではありません。
母娘で、それぞれを尊敬し、それぞれの人生を尊重しながら、それぞれの幸せを掴もうと、一生懸命に生きている姿が清々しいですね。
やはり、山口さんの作品は読んでいて気持ちが良くなること間違いなしでした。
山口さん、PHP研究所の皆さん、シリーズ化されることを是非お願いします。 -
何かと困難に立ち向かっていく姿はちょっと元気もらえました。美味しいケーキとコーヒーをいただきたくなります。
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焼きたての甘いケーキの香りに包まれたような感覚で、読み終えた。
趣味のケーキ作りで人生を充実させていくお話。元気をもらえる。ケーキのレシピ付きが嬉しい。このケーキを家族に焼いたら、私も登場人物の仲間入りができそうで、それもまた楽しみ。 -
医師の父から離婚をつげられた
母の茜はお菓子作りが上手だった
その腕をいかして
法律事務所勤めの七と商店街の友人と共に
手作りケーキを売る
数々の困難に立ち向かう母と娘の絆
シビアな困難をさくさくっと乗り越えていくようで
あまりぴんとこなかった
もう少し登場人物達の心情を丁寧に書かれているとさらにステキな作品だったのかもしれない
茜の作る洋菓子はステキ
作り方が後ろに書かれていて
お菓子作りが好きな方にはたまらないかも -
穏やかでお菓子作りが上手な母・茜と法律事務所に勤めるしっかり者の娘・七。
ある日、茜は夫から離婚を言い渡されてしまう。
突然のことに傷つき、離婚後も落ち込む茜。
茜の生きがいを取り戻そうと、七と商店街の友人たちは手作りケーキの販売を持ちかけ…
人生へのリベンジをかけ、母娘二人の洋菓子店が開店する!
奮闘する母と娘の絆を、スイーツと共に暖かく描く感動作。
(文庫本・裏表紙より)
この本の前に読了したのが『爆弾』なので
ちょっとほんわか、気持ちの落ち着ける本をと思い『バナナケーキの幸福』を選んだ。
文庫の紹介では「人生のリベンジをかけ」と勇ましい文言がが並ぶが
私はそこまで強い感じは受けなかった。
どちらかということ、その時々で思い悩みながらも周りの人たちの助けのもと
一歩踏み出す勇気を持てたことが明るい未来に繋がっていく、という感じかな。
長い人生、どんなことが起こるかわからない。
”青天の霹靂”のようなことが起こることもある。
何も考えられず、何もしたくない、そう思うことも
それでも時だけは流れて行く。
それならば、どんなにゆっくりでも、進んでいくしかないことだってある。
今、うまく行っていなかったとしても、大丈夫!
ちょっと休憩して、甘い物でも食べて
また明日がんばろう!
巻末には本の中に登場するバナナケーキとダークフルーツケーキのレシピが掲載されている。