- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575235890
感想・レビュー・書評
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今年、24年近く一緒に過ごした猫を亡くした身には、読むのがとてもつらかった。
特にモンを看取る場面は追体験しているようでつらくてつらくて、何度も読むのを止めようと思ったくらい。
でも読み終わってみると、
不思議とそこには平穏がありました…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
何だかドキドキした。生まれたばかりの頼りない野良の子猫。
その命が一人の女の気持ち一つで消えてしまうか否か。
そのあとの章の、刃物を持って公園をうろつく少年。
猫が狙われるのか、遊んでいる子供か。
なんだかそういう嫌な胸騒ぎが続いた後の終章では
年老いた猫と老人との最後の日々が綴られる。
ここでやっと猫飼いの喪失という真っ当(?)な涙が流せた。
人間の心ひとつで生きながらえる命、失われる命があることに
涙してしまった。 -
猫と人とのお話。
モンと藤冶のお話は号泣で、わたしはやっぱりゆらゆらとつき動かされるのです。
猫鳴りの描写がすごく暖かで、その毛並とかぬくもりとかを私も感じることができたような気がしますのです。 -
猫を飼う人みんなに読んでほしいです。
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一匹の猫の一生を追いながら、三編の連作にまとめたというのは判るんだけれど、どうなんだろう、第一部と第二部はちょっと中途半端な感じ…。
この前置きを置いたうえでの第三部としたかったのだと思うが、第三部だけでも充分よかったのでは、という気がする。
第三部は秀逸。猫は特に好きなわけではないけれども終盤は泣けてしまった。
第一、二部だけなら星三つだけど、第三部は星五つだな、と思ったので間をとって四つにしてみました。 -
どうでしょう?
特別面白いわけでもなく、私は猫好きでもないですが、
なぜか満点。 -
章ごとに焦点を当てる人を変えながら、一匹の猫の生から死までを描いたお話。
猫も人間も 生きているもの全ては必ず死んでしまう。でもそれは自然のことで何も特別なことじゃない。死は必ずしも悲観されなければならないことではないのだ。死ぬから生が生まれて そうやって時が流れていく。生も死も一つのサイクルの中に成っていて そうやって日々は成り立っている。
世界になんて大げさなものじゃなく、私達のすぐそこに違和感なく存在している生と死。そして生から死へ向かうのは極めて自然なこと。この本はそんなことを一匹の猫を通して教えてくれる。
これといって特別なことも起こらず、ハッピーエンドでもないけれど、読み終えたあと不思議な安堵感があった。 -
「ユリゴコロ」の流れで読んでみた。
猫の一生を子猫から老衰猫まで人間視点で描き切っている。
独特の時間経過と静寂感が、妙に気分に合う。