- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575236101
感想・レビュー・書評
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本を読んで泣く、ということは今までなかったのだけど、見事にそれを打ち破ってくれた本。
豊島さんは、日常に漂うモヤモヤした気持ちや揺らぎを書くのがとてもうまい。ありきたりにならない。
夏から始まる四季の花を絡めた、十代の日常にせまる四つの短編集。なかでも「椿の葉に雪が積もる音がする」は珠玉の一編!
豊島さんの書くストーリーのなかで群を抜いて素晴らしい。
日々の生活の中で感じる「おじいちゃん」と家族と自分との微妙なズレや苛立ち。おじいちゃんに対する家族の態度が気になったり、そんな自分自身も何だかイラっとしちゃったり。そんな自分にちょっとした罪悪感。みんな、決しておじいちゃんが嫌いなわけじゃないんだ。
読んでる間中ずっと、おじいちゃんへのおもいにシンクロしすぎて切なかった~!おじいちゃん子の私にはあまりにもしっくりしすぎて泣けて泣けて仕方ない。
私は今でもずっと、おじいちゃんが好きなんだなと実感した一編でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
コスモスと逃亡者と、僕と桜と五つと春がおもしろかった
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花に関わる短編集です。
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短編集。 今まで読んだ豊島ミホさんとはまたちがった設定の話が多くて楽しめた。「椿の花に雪の積もる音がする」が好きかな。家族の中で少し孤立していたおじいちゃんが倒れた後の家族の様子です。
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ゆっくりと穏やかな文章を書く作家さんだと思った。それぞれ花がテーマになった4つの章で構成されていて、個人的には3番目の「椿の葉に雪積もる音がする」に心打たれた。
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4つの季節の花をモチーフとした短編集
花の存在が絶妙に人間の感情を映している
表紙にもなっている桜の話が一番よかった
最も儚くて、せつなくて
「椿の葉に雪の積もる音がする」っていう言葉が美しすぎた -
4つのお話のバランスが良い。数年ぶりの再読でコスモスのお話だけ記憶に残っていたのだが、椿のお話は切なく、桜のお話は少女漫画のように甘く、印象深い。
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「花が咲く頃いた君と」豊島ミホ◆結局青春って何なのかよく分からないけれど、澄んでいるような濁っているような、こんな感じだったっけ。短編が4篇、『僕と桜と五つの春』が良かったです。成長する桜の樹と輝きを増すあの子を勝手に重ねて酔いしれる男子高校生が、痛々しくて見苦しくてたくましい。
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なんだか切ない気持ちになった。