- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575239744
感想・レビュー・書評
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これは、読んでいて本当に辛かった。こんなことがあっていいのか。そして、心ない周囲の対応に、フィクションであることを忘れ、本気で頭にきて本を破って捨てようかと思ったくらい(笑)
3歳児の娘を持つ妙子は、スーパーでパートをしている。勤務は2時までだが、遅番のパートが度々遅刻をするので、その度に2時半まで勤務せざるを得なくなり、そんな日は幼稚園のお迎えに行くのが遅くなる。
その日もやはり、遅番のパートが遅刻して、妙子は2時半まで勤務しなければならなくなった。幼稚園に少し遅れるので、待たせておいて欲しいとお願いし、急いで幼稚園に行くと娘の琴美がいない。先生に聞くと、恋文が琴美と遊びたいとグズり、恋文の母親の朱里が連れて行ったと言う。
なぜ待たせておいてくれなかったのかの言葉を飲み込み、公園に向かうと誰もいない。一体何が起こったのか。琴美を勝手に連れて行った朱里に話を聞こうにも電話に出ない。夜中に押しかけやっと話を聞くことができるも、のらりくらりと言い訳をして話にならない。
それから22年。衝撃の展開とともに事件は一気に動き出す。
実際、自分が妙子の立場だとしたら、諦めただろうか。妙子のように強く待ち続けることができただろうか。そして、誠司はどんな思いで楓を育てたのだろう。誰も悪くない。いや、悪いか。でも、許してしまいたくなる。
いろいろな事実を考えるとモヤモヤが残るが、それでも最後は心に爽やかな風が吹く。良い本を読んだという読後感だけが残った。 -
犯人を匂わせて惑わせる手法のようで、自分の子供を行方不明にさせてしまった親の葛藤とその後の強い愛を描いていた。
いつもの春口作品のような最後にあっ!となる驚きはなく大体想像通りの展開だったけどすらすらと気持ちよく読めた。
不幸になる人がいなかったのが良かったな。 -
ラストのお父さんの言葉が悲しかった。中傷を受けても、帰ってくる娘を待ってその土地に留まる家族の気持ちがやりきれない。
犯人にも同情すべき点はあったけれど、やはり家族を離れ離れにさせた罪は重い。 -
2016/9/24
3歳の娘が公園で行方不明になった...
一緒にいたはずのお友達もお母さんも何も知らない...
怖すぎて一気読み。
周りの人の保身によって、真実から遠ざかっていくことも多いんだろうな。
娘を大事にしよう。 -
一つの出来事に見えても、多くの出来事が人生には関わると改めて気づきました
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3歳の娘が行方不明になり家族の焦燥や自分を責める母親の描写が辛い。子供を勝手に連れ去る身勝手さが何とも腹立たしい。20数年の歳月が経った後半からは、だいたい想像どおりに展開していくのだけれど、いなくなった娘が見つかっても、幸せに暮らしているのならと名乗らずにいる母や兄の気持ちがとても切なかった。終わりは良かった。良かった良かった。父の認知症の描写は心を打ちました。どんな理由があっても子供を攫うなんて酷すぎる。失った年月は戻らない。
うさこさんのレビューは素晴らしくて、うさこさんが☆5を付けている本のレビューを読ませてもらっては、『読みたい』...
うさこさんのレビューは素晴らしくて、うさこさんが☆5を付けている本のレビューを読ませてもらっては、『読みたい』リストに入れさせてもらってます( ..)φメモメモ