- Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575241846
作品紹介・あらすじ
1939年日韓併合時代の夏、平壌一中の吉永と朴は二遊間でコンビを組んで甲子園を目指していた。やがて二人の球児は戦火に巻き込まれ、吉永は陸軍士官に、朴は少年飛行兵への道を選ぶ。白球と特攻――2人の運命は交差し、国境を越えた熱き友情の物語が始まる。
感想・レビュー・書評
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1939年、平壌。甲子園を目指し、セカンドとショートで完璧なコンビネーションで守りを固める朝鮮人の龍雅と日本人の龍弘は、それぞれの事情から航空学校と士官学校への入校を余儀なくされる。朝鮮人である龍雅が、日本国の軍人とならざるを得ない背景は16歳の少年には重すぎる。やがて2人は国と生まれの違いから死を命ずる者と実行する者へと変わっていく。ついに訪れた最後の出撃の前夜、2人は…2人だけではない。2人を取り巻く人達それぞれが、それぞれの運命を苦しみ抜いた。それは戦後70年経ってもなお、消えてはいなかった。
「なぜ死ぬ人間は皆、俺に生きろと言うんだ。一緒に死んでくれと言ってくれたほうが楽なのに」 -
日韓併合、あるいは創氏改名というような言葉を知らない方も多くなってきていると思います。
日本と韓国の過去の歴史にあった事実を日本人と韓国人それぞれはどう受け取っていたのか、その一端を読み取れるかもしれません。
そして戦争、特攻による人間性の否定などを当事者の思いを感じられます。
著者の反戦意識、当時の日本軍に対する批判的な思いも溢れている。
教科書のように事実の羅列ではなく甲子園という夢を追いかけた若者達の生き様を通して考えることができる。
ただ残念なのは本書の装丁と言っていいのか表紙の絵がかつての少年漫画雑誌を彷彿させてしまって内容と乖離が生じているように思えて仕方ない。
本を買うときに装丁に魅せられて買ってしまう
「ジャケ買い」もあるくらいなので勿体無い。