夫よ、死んでくれないか

著者 :
  • 双葉社
3.23
  • (12)
  • (43)
  • (91)
  • (20)
  • (4)
本棚登録 : 820
感想 : 68
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575246858

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 麻矢、友里香、璃子の大学時代の三人組が、まず、友里香の夫で、生ごみ、くずという意味のあだ名で呼んでいるガーベをなんとかしようとします。
    友里香はちょっとした喧嘩でガーベを気絶させてしまいますが、麻矢と璃子を呼び、ガーベを始末してしまおうと共謀しますが…。


    読んでいて、女性でも気分が悪くなりそうな話でした。
    著者の丸山正樹さんの意図はわかりますが、『デフ・ヴォイス』などの優しい作品を書かれる丸山正樹さんの作品なので手に取りましたが、これは結婚生活に幻滅を感じずにはいられなくなる話でした。
    三人の友情が、途中危うくなる場面もありぞわぞわして気味が悪くなりました。



    あとがきで著者の丸山正樹さんはおっしゃられています。
    読者の中には、本作のタイトルやあらすじなどを見て「丸山もずいぶん作品傾向が変わったな」とお思いの向きもあるかもしれない。(中略)
    今回は珍しく「参考文献」はないが、執筆のきっかけになった書籍はある。
    『夫の死に救われる妻たち』(ジェニファー・エリンソン、クリス・マゴニーグル著)というフィクションがそれでタイトルに惹かれて手に取ったのはもう数十年前。
    小説家としてデビューする前のことだった。
    「夫の死に開放感を覚えた」という共通項を持つ二人の女性が身近な人と死別した者たちの複雑な胸中を取材した作品で、初読の際に衝撃を覚えて以来、ずっと心の隅に引っかかっていた。
    そのモチーフを現代の日本の若い女性に置き換えて書けないだろうかと、新作の執筆を依頼してくれた双葉社の編集者に「恐る恐る」提案したのが始まりだった。(中略)
    最後に、結婚生活を含めこの世の全ては自分たちが動かしていると思っている夫(おとこ)たちよ、本書を読んで震えて眠れ。
    ー以上あとがきより抜粋。



    この本を、読んだ次の日会った、知人がやっぱり「夫にはやく死んで欲しくてたまらない」と言っていたのでこの本のことを話したら「私の為に読んでくれたんじゃないの!」と大喜びされてしまいました。
    そういう人いるんですね。ただの他人事ではすまされない気がしました。

    • まことさん
      Manideさん♪

      やっぱり、変えられていたのですね。
      でも、なんか、今まで女性の方と話していたつもりだったので、慣れないですね。

      姪は...
      Manideさん♪

      やっぱり、変えられていたのですね。
      でも、なんか、今まで女性の方と話していたつもりだったので、慣れないですね。

      姪は、コロナ禍になってから、ずっと会っていなくて、今年の夏家にやっと来る予定でいたのですが、家族の体調が悪く、それも、流れてしまいました。
      高校3年の時に進路の話など、したきりです。
      もう1年、大学に編入して、学びたいと言っているので、そうなれば、来年会えるかもしれないので、楽しみにしています♪
      2023/12/02
    • Manideさん
      いや〜、女性的な要素はないと思っていたので、新鮮です(^^)

      姪っ子さんにしばらく会えていないんですね、きっと、すごい様変わりしてそうです...
      いや〜、女性的な要素はないと思っていたので、新鮮です(^^)

      姪っ子さんにしばらく会えていないんですね、きっと、すごい様変わりしてそうですね。私の姪っ子は美容学校に行っていたんですが、あるとき金髪で現れて、びっくりしたのを覚えています。
      大学編入は、まさに、保健師の資格も取ろうとしているんですね、きっと。子どもたちが頑張っている姿を見ると、すごい刺激をうけます。みな、努力して進んでいかないといけないですね。
      2023/12/02
    • まことさん
      Manideさん♪

      いえ、ああいうかわいらしいアイコンは女性と思っていらした方、結構いると思いますよ。

      美容学校とかだと、金髪も、珍しく...
      Manideさん♪

      いえ、ああいうかわいらしいアイコンは女性と思っていらした方、結構いると思いますよ。

      美容学校とかだと、金髪も、珍しくないのでしょうね。
      そうですね、私は自分がなんの資格もない、無職なので、子どもから、刺激を受けています。
      2023/12/02
  • なんてキャッチーなタイトル(。 >艸<)
    迷わず借りたよね(≧▽≦)
    以前読んだ『もう別れてもいいですか』を見た時、「すごいの読んでるな」と言った息子。今回も、タイトル見ただけで大ウケしてましたꉂꉂ(ˊᗜˋ*)
    私が読書してるのを見る度に「どう?死んだ?」と聞いてくる息子。「いや、これがなかなか死なないん
    だよね。それどころかあーなってこーなって、もうドロドロだよ」なんて言って悪魔のように「クククッ」と笑い合う母と息子…旦那が見たら絶対泣いちゃうよね(*ᐛ )
    作者が男性なので、いやいや、そんなもんじゃないよってところや、逆にそれはひどすぎでしょうってところはあるような気がしましたが、女性の仕事、結婚、出産での葛藤や、女性同士のつるむところだったり、妬むところだったりを見事に詰め込んだ作品だと思いました。それが物事を複雑にしてミステリーになり、読者もハラハラドキドキ翻弄される感じです。
    あとがきで、作者の丸山正樹さん、「夫たちよ、本書を読んで震えて眠れ」って……(^_^;)
    男も女も、ぜひぜひ震え上がってくださいw

    • まちゃこさん
      こっとんさん、土瓶さん‼️

      正直、あたしは、

      「お願いだから」
      と、入れたい時もありました。笑

      だけど〜、息子がいるからねー泣
      息子の...
      こっとんさん、土瓶さん‼️

      正直、あたしは、

      「お願いだから」
      と、入れたい時もありました。笑

      だけど〜、息子がいるからねー泣
      息子のことは、可愛いからね〜泣

      ね〜、こっとんさん‼️‼️‼️
      2024/01/22
    • こっとんさん
      ね〜!まちゃこさん!
      息子は可愛いよね〜。
      アンミカさんも「人生はブーメランやでー」と言ってるし、夫にもなるべく優しくしよーっと(о´∀`о...
      ね〜!まちゃこさん!
      息子は可愛いよね〜。
      アンミカさんも「人生はブーメランやでー」と言ってるし、夫にもなるべく優しくしよーっと(о´∀`о)
      2024/01/22
    • まちゃこさん
      こっとんさん‼️
      そうそう、それで平和になるなら、それが一番よ❤️
      こっとんさん‼️
      そうそう、それで平和になるなら、それが一番よ❤️
      2024/01/23
  • タイトルが、日頃の心の声そのままって感じでフッと笑ってしまう。
    夫にタイトル見られたくないなぁと思いながらも本には興味ないから何を読んでるか、なんて見ないはずと…。
    見てたらショックを受けるのか?興味を抱くのか?わからないけど。
    まぁ、関心などないだろうな。
    結局、長時間置きっぱなしにすることもなく読破したのだが、あまり衝撃度が強いとは感じず…。


    結婚して何年も経てば「こんなはずじゃなかった」と思うことはある。
    だが、すぐ離婚には踏み切れず、子どもがいればすんなりいかないだろうとか、お互いの親のことなどさまざまな問題もある。

    この物語は、三十代半ばの大学の同級生三人がお互いに愚痴を言い合い、ストレスを発散するのだが、離婚を経験して独身なのは璃子。
    モラハラ亭主に悩みながら一人娘を育てる友香里。
    仕事が忙しくてすれ違いの夫とは、共感する部分がなく冷め切っている麻矢。
    友香里の夫が、夫婦喧嘩の最中に頭を打ち逆行性健忘になり、麻矢の夫は突然家を出てから会社も行かずに行方不明になり…。
    次々と起こる出来事に三人が必ず連絡を取りあうというのも、なんだかなぁと思ってしまうのだが。
    もっとどうしようもないくらいに重くて切実な感じかと思ったのだが、それは結婚歴の短い三十代半ばの話だからかもしれない。
    最後のテレビニュースに流れた、逮捕された女性の人生だとどうなんだろうと思ってしまった。

    もし、「妻よ、死んでくれないか」という本があれば読むだろうか?
    たぶん読むだろう。
    本を読まない夫が読んでいたらフッと笑ってしまうかも…。




  • 初読みの作家さん。

    図書館に早くから予約しておいたので、早目に借りられた。ありがたい。

    ページ数も文字の分量も、ストーリーの流れと書き方も、全て読みやすかった。

    3人の女性の話であっても、ありがちな視点が変わるということがなく、全て麻矢目線で語られていたのも読みやすいポイントだった。

    諦めや我慢や絶望など、本書の中に「あるある感」は有った。
    (死んで欲しいなどとは思ったことはないが)

  • 衝撃的なタイトル。
    夫に見せようかと思ったけどやめてブックカバーをかけた。

    途中まではハラハラ読んだけど、後半兄が出てきたあたりから、狭い世界で次々揉め事が起こり、それぞれが他人をどうこうしようとしている感じがした。
    限られた人間関係のなかで揉めたり解決したりすることは往々にしてあることなのだろうが、なんだか冷めてしまった。
    夫達を始めとする男達の行動がなんだかなー。

  • 過激なタイトル。
    この一言で内容が尋常じゃないことが推測される。
    結婚に不満だらけの女3人組、あることをきっかけに強い絆で結ばれている。
    その絆が脆いのか、強いのかがよくわからず、何だか不満を聞かされただけのような展開だった。日常生活は、こんなものだろうけど、だったらそんなに過激にならなくてもいいのでは、、、と思ってしまった。

  • 構成が巧い一冊。

    タイトルといい、初っ端の女子三人トークといい、"死んで…"が目に痛い。

    愚痴を超えるとそれは毒に変わることを感じた。

    さすがにここまでは…と思いながら結束の固い彼女たちがどんなストーリーを展開していくのか、もしかして本当に夫を…なんてドキドキ。
    そして、夫の突然の疾走という不穏な展開さえも盛り込み、夫婦の在り方を問いかけるように読み手をラストまで一気に引き摺り込む、なんとも巧い展開、構成だったと思う。

    今現在、愚痴なんかじゃない壮絶な思いでいる妻がいるのかもしれない。
    そう思うと複雑な思いと身震い。

  • '24年4月20日、読了。丸山正樹さん、確か三作目だったかな…。

    とても、面白かったです。僕にしては、集中して読めました。

    主人公の、苦しみ…印象的でした。ラストに近くなるにつれ、あっちもこっちもイッキにガチャガチャになって…思わず手に汗握ってしまいました。
    己を知る、ということの、なんと難しいことか(⁠ ⁠⚈̥̥̥̥̥́⁠⌢⁠⚈̥̥̥̥̥̀⁠)

    ハッピーともバッドともとれる、ラスト…僕は、苦しかったなぁ(⁠ᗒ⁠ᗩ⁠ᗕ⁠)


  • 結婚後に訪れた気持ちの変化やすれ違い。
    生活することで感じる日常と非日常の違い。
    特別に見えた時間が当たり前に変化し、
    いつしか虚しさに変わってしまうこと。
    さらに二人でいるはずなのに増大する孤独感。
    結婚生活に思い悩む主人公の嘆きがリアルでした。

    そんな中、離婚を選択する友人、
    文句を言いながらも現状維持に終始する友人、
    どちらとも決めかねる主人公。
    三者三様の生活は、あるかもしれない別の道を
    親友三人に分担させて対比して書かれていて
    違った道が見える三面鏡みたいで分かりやすい。

    日々の生活への不満と不安も愚痴を言い合える
    親友がいることでバランスがとれていた部分と、
    逆にそれが暴走してとんでもない方向に走り
    出してしまう振り切った無茶具合が滑稽で面白い。

    きれいにひっくり返されたラストでは、
    したたかで小狡い人物にやっぱりなーと
    頷きました。

  • 衝撃のタイトル。夫の前で読んでいたけど、何となく夫にはタイトルが見えないようにしていた。笑

    世の中には確かに、"夫よ死ね"と思っている妻がいるのかもしれない。本作でも友里香の夫:哲也なんかは最悪の男である。家事育児を全て押し付け、友里香を召使いのように扱っている。
    主人公:麻矢の夫も浮気していた時点でアウトではあるが、どちらかというと哲也の方が嫌だなぁ。

    3人の30代の女性がそれぞ(1人は既に離婚済)夫と上手くいかなくなり、殺人計画まで練ることになるほど追い詰められる出来事が起こるが、結果、丸く治まったとも言えるだろう。良かった。いや、良くはないか。

    夫の問題以外にも、女性が出世することのハードル、親権はどちらに行くのかなどいろいろな問題が出てきてお腹いっぱいだ。この世は地獄か?と思う。
    結婚するときは皆祝福してくれるのに、した後は諦めがあるだけなのだとしたら、何のために結婚するのだろう。相手に期待し過ぎるのは良くないが、結婚って互いに歩み寄って一緒に生きていってことじゃないのか?
    私も最初の結婚は失敗したが、その経験は今、役立っていると感じている。
    タイトルだけ見ると毒を吐く妻の話かと思うが、そうじゃない。
    夫という存在について、自分が何を求めているか浮き彫りになる小説だと思う。

全68件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

京都大学大学院理学研究科教授。

「2004年 『代数幾何学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

丸山正樹の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×