夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

著者 :
  • 双葉社
4.16
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  • (8)
本棚登録 : 3763
感想 : 609
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (103ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575297447

感想・レビュー・書評

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  • 装丁/こじままさき for BodyDouble inc.

  • 「この世界の片隅に」は、大好きな作品で色々な奇跡によって片渕監督の映画とともに百年後も残る金字塔と(本気で)思っているが、こうの史代先生を知ったのはこの作品だった。きっかけは忘れてしまったが、多分何かの書評コメントを見たのだと思う。
    「夕凪の街」の皆実は、被害者のはずなのに10年経っても生き残ったという罪を背負って自身の幸せを拒否し、ようやく受け入れる気持ちになれた時に悲しい結末となってしまう。
    続く「桜の国」では、戦中の直接的な被害だけでなく、普段はつながりを感じない現代まで親兄弟、子孫にも原爆の影響を描いており、すごいと思える作品で、単純に泣けるだけではなく色んなことを考えさせられる。反面すごく重い作品。
    なので、「この世界の片隅に」コミックスが出たのは知っていたけどなんとなく避けてしまっていた。映画が上映されると口コミがすごくて背中を押されるように観に行き、冒頭の感動を受けて、すぐに原作を買って読みました。
    たまたま山田玲司(漫画家さんです。こうの先生の2つ上と言っていたので自分と同学年かも)がこうのサンにヒロシマを描かせたアクションの編集者にこそノーベル平和賞をと言っている動画を見たが、本作のあとがきに出てくる双葉社の染谷さんがその方なのか。あとがきにこうの先生が真摯に語っているが確かにそれも奇跡の一つなのかも知れない。この世界〜の言及の方が多いくらいになってしまったが、本作は短くて装丁も薄いけど内容は色んな意味で重い。今回読み返して残ってた帯に「文化庁メディア芸術祭 マンガ部門 大賞受賞」とあり、さもありなん。

  • 戦争が終わっても人に残り続ける傷。戦争は悲しい。生き残ってしまったって言うのがなんとも言えない。

  • 生き残ってしまったことへの罪悪感。幸せを目前にして、それが叶わぬ切なさ。「十年経ったけど 原爆を落とした人はわたしを見て「やった! またひとり殺せた」とちゃんと思うてくれとる?」戦争の犠牲になるのは、何の罪もない人々だ。そして今でも、戦争の犠牲になっている人々がいる。人間はいつまで愚かなままなのだろう。

  • 何度読んでも心が
    キュウッてなる本

    戦争は終わった後も
    日常に潜み続ける...

  • 「昭和30年、灼熱の閃光が放たれた時から10年。ヒロシマを舞台に、一人の女性の小さな魂が大きく揺れる。最もか弱き者たちにとって、戦争とは何だったのか……、原爆とは何だったのか……。」

  • こうの史代著『夕凪の街桜の国(アクションコミックス)』(双葉社)
    2004.10発行

    2018.2.4発行
     世界で唯一の被爆国と言われながら、核の傘の下で平和を謳歌する日本人。知ってか知らずか。世界の人々はそんな日本をどう見ているのか。日本は核兵器禁止条約に反対票を投じた。折り鶴は日本から飛び去ってしまったのだろうか。何度夕凪が終わっても、物語は終わらない。桜の本当の美しさに気づくためには、過去をしっかりと見つめて、未来に繋げることが大切なはず。あの戦争を乗り越えたからこそ私たちが存在していることを忘れてはならない。35ページの空白に何を描くかは私たちにかかっている。七波が弟に引き継いだように。

    URL:https://id.ndl.go.jp/bib/000007518069

  • 広島に投下された原爆に振り回された人達。深く身体や心に影響を受け、差別もされながらも生きていく。絡まる人生を丁寧に描いた素晴らしい作品。

  • 描かれてる以上に伝わってくるもののある物語。
    広島の話。

  • 広島という地が持つ傷はいくら時間が経っても消えないんだなと思う。殺してもいいと思われた自分。なぜ生きているのか。家族を作ってもいいのか。笑顔の下の絶望。でもそれでも命は繋がっている。懸命に生きるしかない。知ることができてよかった。もう本当にやめようよ。どうにかどうにか少しずつでもどうにかしていかないと、人間たち。

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著者プロフィール

こうの史代:1995年デビュー。広島市生まれ。代表作は「さんさん録」や、文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞作「夕凪の街 桜の国」、アニメーション映画のヒットも記憶に新しい「この世界の片隅に」など。

「2022年 『ぴっぴら帳【新装版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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