- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575313277
感想・レビュー・書評
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<目次>
はじめに
第1章 文房具ワールドへようこそ
第2章 マイベスト「筆記用具」に出会う
第3章 「ノート」を使いこなす
第4章 頭と心を整理する「手帳」
第5章 世界を変える「フセン」
第6章 生活をととのえる「ファイリング」術
第7章 整理・整頓・「デスクアクセサリー」
第8章 素敵な文房具生活
おわりに
<内容>
久しぶりに文房具のいい本を読んだ。単なる新しい文房具の紹介でなく、使いこなし方が紹介している。もちろん著者和田さんの使い方なのだが、それがなかなかこなれている。それは著者が長いこと、文房具を生活の中で考えてきたからだろう。「フセン」はなぜ単色のキットがないのか、それ故まだ発展途上の文房具だという指摘はもっともだ。私は、メモ用に従来型の正方形の75㎜型を、本の重要ポイントにフィルム素材を主に使っている。このフィルム素材型は3色のものが主で、しかも最近色合いが変わった気がしている。一応色の使い分けをしてきたが、あんまりしっくり来ていなかった。著者の指摘に納得するのはそういうところだ。
著者の言う、使い方から文房具を選ぶ、かっこいいススタイリッシュのものばかり選ばない、という金言は心にしみた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
☆○対になれば…高級文具の記載多くポイント違いか? 文具王
油性ボールペン 染料を有機溶剤に溶かしたインクをチューブへ・チップ(ペン先部分の部品)・先端に回転する金属製ボール・強い筆圧可で複写伝票○
水性ボールペン 樹脂製チップと水性インク・軽やかな書き味
ゲルインク 水性の媒体に顔料などを混ぜ、軽い書き味、明瞭な線、耐水性
三菱 ジェットストリーム 油性を改良、極めて滑らかな書き味
ゼブラ サラサクリップ 水性顔料のゲルインク替え芯(ゼブラではジェルインクと呼称)
一般にゲルインクは用紙の種類を多少選ぶ、油性に比べインクの減りが早い
ぺんてる ノック式エナージェル ゲルインク・ペン先が細いneedle針型
パイロット フリクション 消せるボールペン
シャーペン 折れにくくするためのガード、芯が回り書く場所が変化
万年筆 M、F(fine細字)、EF(extra fine極細)
紙のサイズ 大きい原紙 Bゼロ1,030㎜×1,456㎜ Aゼロ841㎜×1,189㎜ B判は日本由来 縦横比は100対71
ゲージパンチ(書類にルーズリーフのような穴をパンチできる文具)
モレスキン→イタリア、高品質のノート
ロイヒトトゥルム→ドイツ、モレスキンの品質を凌駕
P178 いわゆるパワーゲームの一環として取引先への信頼を得るために、カバンや腕時計、そして手帳を一流のモノで揃えるというやり方は過去のもののように感じます。☆書類をきれいに折ってあるかどうか…信頼に関わる気がする。
ポストイット 3インチ×3インチ(75㎜)
ヤマト テープ状のフィルム付箋
クロネコヤマト 機密文書リサイクルサービス 段ボール1,847円
ブランド信仰の罠 資本が買収で創業家のポリシーを継承しない場合 開封前の箱の汚れ→製品のクオリティも低下 -
・セクションクロッキーノート
・白いマステ+クリアフォルダ
・筆立ては2つ(1軍・2軍)
・ペリカーノJr. は初めてにオススメ
・万年筆の値段の違いはペン先の素材
・エナージェル ノック式 はペン先がニードル型 0.5mmは高評価
・サラサクリップはゲルインク系でも優秀 -
文房具がはやる前から、文房具好きが生じて文房具を紹介することを生業としている筆者が文房具を紹介。
筆記用具、ノート、手帳、付箋、ファイリング、デスクアクセサリーという章立てで筆記用具を語る。
私が気になったのは以下。
・万年筆
海外モノと日本の製品の傾向。
ラミーサファリ、ペリカンジュニアなど海外モノのMなどで万年筆の書き味を楽しんでから、日本の細字系をしっかりかけるものに移行する。
ペリカン スーベレーンM400 600
・ノート
ツバメノート シンキングパワーノート
リヒトラブ ツイストノート
ロイヒトトゥルム1917
ごらんFW
ニーシモネN180A
セッションクロッキーs237
・ボールペン
ロットリング フオーインワン
パーカー ジョッター
ラミー アルスター -
文房具の基本。誠実にまとめてられていて楽しい。ファイリングは大事だと思うのだが、最近のビジネスでは軽視されていると思う。
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和田哲哉さん久々の新刊。おもしろいけれど、文具ブームの火付け役は自分だという自意識がちょっと出すぎ。
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タイトルが挑戦的ですが、ご本人も冒頭で、
「社会人のみなさんであれば〝文房具をこういった視点で捉えて、こんなふうに使って、ご自身の成長に繋げてください〟と書けば、理解をしてもらえるのではないかと、少々都合よく考えている次第です。」
と書いています。つまり、文房具を上手に使えば仕事がうまくいくなど自分の成長に繋げられる、そのことを頭がよくなると捉えているわけです。
それが分かると、この本で丁寧にそれぞれの文房具のよさや魅力、使い方が説明されている訳が分かります。実は、私は著者の本を読むのがこれで3冊目になりますが、どの本も、基本的に同じスタンスで書かれているように感じます。
残念なのは、意図的にそうしているようですが、紹介されている文房具の写真や図が少ないことです。隣にスマホを置いて、検索しながら読めばいいと言えばそうですが、やはり同じページの中で確認できる方が手軽ですよね。もっとも、定番のものが多く扱われていますので、文房具好きであれば、ほとんど知っているという人がほとんどかも知れません。
あぁ、また新しいものが欲しくなってしまいました。本当に頭がよくなるのであれば多少の出費もやむを得ません。ね、やむを得ませんよね(^^)。 -
本書のタイトルは「頭がよくなる〜」とあるが、著者のエッセイ集になっている。
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和田の文房具についての見識には以前から共感することが多く既刊本も読んできたのだが、本書もまた、巷間のチャラい文房具論をきっちりと腐しつつ、工業製品としての文房具を現代の視点から正しく評価しようとする姿勢は変わらず、今回もブレずに楽しく読めた。
この30年ほどの文房具の流れを押さえつつ、ノートの章でもファイリングの章でもデジタル環境との相補性が適切に吟味されており、あくまで2017年に書かれたものとして興味深く読める。
決して文房具趣味に淫するものではないのではあるが、暇さえあれば、また旅先で、ついつい文房具店を覗いてしまう同好の士であれば、見たことある感じの色の表紙にニヤリとし、見開きのマージンに驚き、ブルーブラックの本文インクにも感心せずにはいないだろう。
また数年後、和田による新しい文房具論を読めることを楽しみにしている。