W☆ING流れ星伝説 星屑たちのプロレス純情青春録

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 32
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575316391

作品紹介・あらすじ

〈ある日の昼下がりのことだった。
 朝まで原稿を書いていて、自宅のベッドで寝ていた僕は、ふいに鳴りだしたスマホの着信音に叩き起こされた。
 仕事仲間はこちらの生活リズムを知っているから、あまりこんな時間には電話を鳴らさない。いったい誰だろう?
ディスプレイに映し出された名前を見た瞬間、僕の心臓は誰かに掴まれたようにギュッと縮んだ。
“これ、夢じゃないよな? いま、俺、たしかに起きているよな?”
 震える手で通話ボタンをタップする。
「もしもし……」
「小島さん、ご無沙汰してます。25年ぶりぐらいですかね?」
 電話口から聞こえてくるその声は、あのころとまったく変わっていなかった。懐かしさで胸がいっぱいになり、気がついたら、もう涙がポロポロあふれて、止まらなくなっていた――。(プロローグ~それは「幻の男」を探す旅からはじまった~より)〉

感想・レビュー・書評

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  • 活動期間は3年程度と短命だったが、バルコニーダイブなど当時としては常識破りのことを繰り返したWING。行き当たりばったりに見えたこの団体、30年の時を超えて当時の関係者のインタビューから明確になる。要するに若いパワーで行き当たりばったりだった。とにかく差別化、ということで経営など度外視でレジェンド外国人レスラーの招聘と過激なデスマッチなど、ひたすらアイデアで勝負していた。金回りはよくわからないが、バブル経済最末期から崩壊の時期だったから調達できたのだろうか?世界のデスマッチの橋頭保たるWING、そのプロレスに賭ける情熱は今の日本に必要だろうが、もうこんな団体をつくるのは無理だろう。

  • W☆INGの始まりから終わりまで書いてあって良かった。

  • 文字通りW☆INGという団体について当時週プロの番記者だった小島和宏の一冊。

    フロントや選手の証言を元に丹念に時系列を追っていて、改めてW☆INGの凄さとでたらめさを知ることができた。

  • なんとなくのあやふやな記憶だけだったのが、旗揚げから崩壊までまとまって、W★INGの全体が把握できる良書。
    もう少し、各外人レスラーについての補足説明的なのがあればよかったかと。

  • 元週プロの名物記者・小島和宏が、
    日本プロレス史上最大の「徒花」とされている『W☆ING』
    及びその後継『W☆INGプロモーション』の全貌をまとめ
    た書籍。こんなクソマニアックな本が出たことが、まずは
    驚きなのだけど・・・。

    とにかく、小島記者(そう呼ばせてください!)の熱量が
    もの凄い。小島氏のプロレス関連書籍はだいたい読んでい
    るのだけど、ここまで熱い思いが溢れる文章は他では読ん
    だ事が無い。関係者である小島氏が、ここまで熱くなれる
    団体、それが【W☆ING】である。

    この本を読みながら記憶を紐解いてみたら、僕もW☆INGの
    重要な興行はかなり生観戦していた事実に驚いた。
    旧W☆INGの旗揚げ戦、マスカラスの登場したW☆INGプロ
    の初興行、松永のバルコニーダイブetc…。確かにあの頃の
    W☆INGには得体の知れない胡散臭さが溢れ、その怪しさに
    魅了されていた時期が、僕にも確実にあった。

    であるが故に、もの凄い文章量の本なのに一切の退屈が無い。
    プロレス本でありながら、しっかりしたドキュメンタリー。
    ただし、読む人を確実に「選ぶ」作品であることに、若干の
    悔しさを感じた。・・・のだが!

    この本、すっげぇ売れている(!)らしい。
    実際、Amazonで注文しようとしたら在庫切れのアラートが
    表示されていたので、わざわざ秋葉原の書泉ブックタワーま
    で買いに行った。そういう人間の絶対量が多い、ということ
    は、まだまだこの時代も捨てたモンじゃない。ちょっと生き
    る気力が沸いて来たぜ!!

  • 読み終わって思った、たしかに純情青春録だなぁ

    W☆INGが会社としてカッチリしてなかった&金が潤沢じゃなかったからこその想いとアイデアという薪をくべにくべた狂った団体・レスラーとなり、今度はどんな物を見せてくれるんだろうという期待でファンは追い続けた。そして勢いにのっている時は予想を遥かに越える伝説級の出来事にさせる何かが確実にあり、下火になってくるとそれは本当に悲惨な結果となってしまうから不思議だなと思う

    この本には当時のフロント側もインタビューに応じていてそちら側から見ていた景色もまた濃くて良かった

    いやー、面白かった!!















    そして金村キンタローが今なお自分を惹き付ける存在であり、悪い思いが全くしないのが超個人的に凄いなと我ながら驚いてもいる

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著者プロフィール

1968年10月、茨城県生まれ。1989年、大学在学中に『週刊プロレス』の記者としてデビュー。同年に旗揚げしたFMWは旗揚げ戦から取材にあたり、翌年以降「大仁田番」として大仁田厚の引退興行まで密着取材を続ける。現在はアイドルの取材をメインに活動。ももいろクローバーZの公式記者として10冊以上の著書を出版し、HKT48の歴史を編むために東京と博多を往復する日々を送る。プロレス関連の主な著作に『ぼくの週プロ青春記』(朝日新聞出版)、『ももクロ×プロレス』『アイドル×プロレス』(ワニブックス)、『ゴールデン☆スター 飯伏幸太~最強編~』(小学館集英社プロダクション)、『誰も知らなかった猪木と武藤闘魂Vスペシャル伝説』(メディアックス)、『憧夢超女大戦 25年目の真実』(彩図社)、『W★ING流れ星伝説 星屑たちのプロレス純情青春録』(双葉社)など。

「2022年 『FMWをつくった男たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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