- Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575316391
作品紹介・あらすじ
〈ある日の昼下がりのことだった。
朝まで原稿を書いていて、自宅のベッドで寝ていた僕は、ふいに鳴りだしたスマホの着信音に叩き起こされた。
仕事仲間はこちらの生活リズムを知っているから、あまりこんな時間には電話を鳴らさない。いったい誰だろう?
ディスプレイに映し出された名前を見た瞬間、僕の心臓は誰かに掴まれたようにギュッと縮んだ。
“これ、夢じゃないよな? いま、俺、たしかに起きているよな?”
震える手で通話ボタンをタップする。
「もしもし……」
「小島さん、ご無沙汰してます。25年ぶりぐらいですかね?」
電話口から聞こえてくるその声は、あのころとまったく変わっていなかった。懐かしさで胸がいっぱいになり、気がついたら、もう涙がポロポロあふれて、止まらなくなっていた――。(プロローグ~それは「幻の男」を探す旅からはじまった~より)〉
感想・レビュー・書評
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活動期間は3年程度と短命だったが、バルコニーダイブなど当時としては常識破りのことを繰り返したWING。行き当たりばったりに見えたこの団体、30年の時を超えて当時の関係者のインタビューから明確になる。要するに若いパワーで行き当たりばったりだった。とにかく差別化、ということで経営など度外視でレジェンド外国人レスラーの招聘と過激なデスマッチなど、ひたすらアイデアで勝負していた。金回りはよくわからないが、バブル経済最末期から崩壊の時期だったから調達できたのだろうか?世界のデスマッチの橋頭保たるWING、そのプロレスに賭ける情熱は今の日本に必要だろうが、もうこんな団体をつくるのは無理だろう。
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W☆INGの始まりから終わりまで書いてあって良かった。
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文字通りW☆INGという団体について当時週プロの番記者だった小島和宏の一冊。
フロントや選手の証言を元に丹念に時系列を追っていて、改めてW☆INGの凄さとでたらめさを知ることができた。 -
なんとなくのあやふやな記憶だけだったのが、旗揚げから崩壊までまとまって、W★INGの全体が把握できる良書。
もう少し、各外人レスラーについての補足説明的なのがあればよかったかと。 -
読み終わって思った、たしかに純情青春録だなぁ
W☆INGが会社としてカッチリしてなかった&金が潤沢じゃなかったからこその想いとアイデアという薪をくべにくべた狂った団体・レスラーとなり、今度はどんな物を見せてくれるんだろうという期待でファンは追い続けた。そして勢いにのっている時は予想を遥かに越える伝説級の出来事にさせる何かが確実にあり、下火になってくるとそれは本当に悲惨な結果となってしまうから不思議だなと思う
この本には当時のフロント側もインタビューに応じていてそちら側から見ていた景色もまた濃くて良かった
いやー、面白かった!!
そして金村キンタローが今なお自分を惹き付ける存在であり、悪い思いが全くしないのが超個人的に凄いなと我ながら驚いてもいる