ホテル・ピーベリー (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575517293

感想・レビュー・書評

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  • 常夏の島ハワイのホテルピーベリー。居心地良いがリピーターお断り。滞在客が溺死して他の客の嘘も暴かれていく。和美が木崎の関係は期間限定を利用したお互いを慰めるための仮初のものだったはずなのにそれぞれが持つ傷を癒すものになったのかな。青柳は巻き込まれてしまって気の毒だった。桑島の彼氏は結婚したら絶対モラハラ夫になるから逃げ出して正解だった。

  • 職を失った主人公が3ヶ月のハワイ滞在中に遭遇する事件と真相。
    序盤のハワイ島の描写で旅行気分を味わう事ができ、1ヶ月でもよいので旅行、ではなくて暮らしてみたい気持ちに駆られました。ハワイ島は世界13気候区のうち11まであるなんてすごいですね。常夏の島ではなかったのな驚きです。ミステリーにその得意性を盛り込むも更に印象が深くなりそうですがそれがなくてもとても面白い仕掛けを楽しめます。いくつもの謎を前半に刷り込み、後半で鮮やかに回収します。主人公が惹かれる女性の年齢幅が広すぎて共感が持てないのが少し残念です。若い桑島さんにもなびいているところが女性に対する普通の価値観も持ち合わせていることを示していますが。

  • 元小学校教師の主人公は現在の境遇から逃げ出すためハワイの小島に3ヶ月滞在することを決める。
    個人経営のアットホームなホテルで数名の男女とオーナー夫人と暮らしていく中で死亡事故が発生。
    ミステリーだが物語を通して悲しい空気が漂うストーリー。

  • ハワイ島にある、リピーターお断りのホテル・ピーベリー。居心地のよさそうな小さなホテルだが、宿泊客のひとりがプールで溺死したことで、不穏な空気が漂い始める。

    単行本で読んだものの再読。
    主人公への嫌悪感が拭えない。彼が誰を愛したかという問題ではなく、言い訳がましい自己中心的な思考が見え隠れしているところが苦手。

  • とても読みやすかった。
    ミステリー小説らしく、あっと驚くような展開もあるにはあるが、謎解き要素はあまり無かった。

    それよりも物語の舞台であるハワイについて、気候や食べ物から観光スポット、交通事情まで触れられており、どれも初めて知ることばかりだったため、常夏の島を満喫した気分に浸れた。
    一方で主人公がハワイを訪れることになった理由がそもそも明るい話ではないし、そのことについて主人公が回想するシーンも度々出てくるので、作品全体としてみると(南の島が舞台というわりに)爽快感があまり感じられなくて、不思議な作品だなという印象が残った。

  • 職を失った木崎純平は、友人に勧められてハワイの長期滞在型のホテル・ピーベリーへやってくる。

    一度泊まれば二度と泊まることができないホテル。
    リピーターなしのしがらみを作りたくない者にはいいホテルである。

    4人いる宿泊者の1人が、ホテルのプールで溺死。
    そしてもう1人は、バイクで事故死。
    ゆっくり過ごすことなく、不穏な雰囲気になる。

    最初から何かあるなと感じてはいた。
    ずっーと不穏な空気感のまま、嫌な感じのまま読み進めていく。
    果たしてオーナー夫妻の秘密がとんでもないことだったわけで…
    なんとなく、スッキリとしないのは、木崎の性格が好きになれなかったからかもしれない。

  • サクリファイスシリーズしか読んだことのない自分は、あれ以上の作品はあるのかな?と懐疑的にこの本を読み始めた。
    が、大変失礼しました。素晴らしい小説でした。
    ハワイ島の描写も簡潔で分かりやすく、1度しか行ったことはないが鮮明に頭でイメージできた。
    本は経験できないことを感じ取れるものだと思うが、正に旅行者の気分であっという間に読み進んだ。
    文庫本の解説も良かった。良い作品には良い解説も多い。
    すぐに近藤史恵さんの他の作品を読みたい。

  • ミステリーと銘打っている。しかし半分以上は主人公の喪失と再生の物語だと思う。
    この小説の静かな雰囲気が大好きです。
    図書館で借りたけど手元に置いておきたい一冊になりました。

  • 木崎淳平がわけあってロングステイで訪れた
    ハワイ。日本人夫婦の経営する宿には、他に
    4人の日本人宿泊者がおり、うち1人が言った。
    「楽しみにしてろよ」そして事件は起きた…。

  • 最初は、自分探しに出かけた、ひと夏の経験の話かなぁと思っていたんですが、半分を過ぎたくらいから、風向きが怪しくなってきます。

    残り1/4暗いからかなぁ。一気に、話が変わってしまいますね。

    そういえば、作者はジュブナイル小説というより、元々ミステリーを書く人でした。思ったよりも評価が高くないですが、終盤の話の転換には、私的には刮目しました。そうきたか、と。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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