十津川村天誅殺人事件 (双葉文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575518795

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  • 〇信心深い彼らが義憤に転じるとき、この事件が起こった
    元国交省官僚の奥寺が「義によって天誅を下すものなり」という血文字とともに何者かに殺された。犯人は「十津川」と名乗った男だったことから、捜査に十津川警部が起用されることになり、調べてみると、奥寺の作った財団法人「日本の伝統と自然を守る会」が奈良県十津川村の自然保護活動をおこなおうとしていたことを突き止め、奥寺の娘・香織と共に調べ始める。何日か滞在していた時、文化交流に熱心な東京のベンチャー企業の小野田社長の秘書が「天誅」という言葉とともに殺されていた…

    "義によって天誅を下すものなり"
    この言葉を見た亀井が、犯人を「幕末の志士気取り」と評したくらいには自己心酔していると思われるものの、作中に出てくる十津川村藩士たちの決意や行動原理を読めば、事件の背景も臭わされたも同然だ。
    実在の書物を元にしながら、十津川村と明治維新との関係を明らかにしていて、歴史読み物としても十分に面白いに違いない。

  • 内容紹介

    月島の超高層マンションで財団法人〈日本の伝統と自然を守る会〉の理事長が殺害される事件が発生した。 捜査に乗り出した十津川警部は、犯人と思われる人物が「十津川です」と言って、被害者のもとを訪ねて来たことを知る。 自らの名前を騙られたことに驚き戸惑いながらも、もしかしたら「十津川」とは奈良県の十津川村ではないかと思い現地に向かった。 十津川村を訪れた十津川警部の前に新たな殺人事件が……。

    内容(「BOOK」データベースより)

    月島の超高層マンションで財団法人“日本の伝統と自然を守る会”の理事長が殺害される事件が発生した。捜査に乗り出した十津川警部は、犯人と思われる人物が「十津川です」と言って、被害者のもとを訪ねていたことを知る。自らの名前を騙られたことに驚き戸惑いながらも、「十津川」とは奈良県の十津川村ではないかと思い現地に向かった。十津川村を訪れた十津川警部の前に新たな殺人事件が…!?

    著者について

    1930年東京生まれ。62年、双葉新人賞に『病める心』で入選。65年、『天使の傷痕』で江戸川乱歩賞を受賞。 78年、十津川警部を主人公にした鉄道ものを刊行。折からの鉄道ブームとも相まって空前のトラベル・ミステリー・ブームを作り出した。 81年には『終着駅殺人事件』で日本推理作家協会賞に輝く。2004年第8回ミステリー文学大賞を受賞。10年、第45回長谷川伸賞を受賞。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

    西村京太郎
    1930年東京生まれ。62年、双葉新人賞に『病める心』で入選。65年、『天使の傷痕』で江戸川乱歩賞を受賞。78年、十津川警部を主人公にした鉄道ものを刊行。折からの鉄道ブームとも相まって空前のトラベル・ミステリー・ブームを作り出した。81年には『終着駅殺人事件』で日本推理作家協会賞に輝く。2004年、第8回ミステリー文学大賞を受賞。10年、第45回長谷川伸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    本の感想(オフィス樋口Booksより転載、http://books-officehiguchi.com/archives/4756127.html

    この本を読む前に、十津川村というと大和八木駅から奈良交通の路線バスで片道6時間半かけて新宮に向かう路線のことを思い出す。また、2004年に紀伊山地の霊場と参詣道が世界文化遺産に登録されているのでいつか行きたいと思う。

    本題で、この本の話はある財団の理事長奥寺真一郎が殺害された事件で、娘の奥寺香織が「犯人は十津川だ」と言ったことから始まる。この事件では「天誅」と書かれたメモが見つかっている。

    犯人と思われる人物が十津川と名乗ったこと殺害された理事長が奈良県の十津川村に関心があったことから、事件の捜査のために十津川警部が十津川村に向かう。十津川村に滞在していたとき、ベンチャー企業の社長秘書が殺害され、現場に天誅と書かれたメモが残されていた。

    この事件は東京の十津川村の歴史に関する講演会で、犯人がボーガンでベンチャー企業の社長を狙おうとしたときに取り押さえられた。

    この本で意外だったことが川湯温泉と十津川村が自転車で移動できる範囲であったことだ。他に、十津川村の歴史について触れることができるので、紀伊山地にある観光名所に行きたい人に勧めたい小説である。

  • 2016/5/31 35読了

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著者プロフィール

一九三〇(昭和五)年、東京生れ。鉄道ミステリ、トラベルミステリの立役者で、二〇二二年に亡くなるまで六〇〇冊以上の書籍が刊行されている。オール讀物推理小説新人賞、江戸川乱歩賞、日本推理作家協会賞など、数多くの賞を受賞。

「2022年 『十津川警部と七枚の切符』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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