レンタル家族 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 89
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575521931

作品紹介・あらすじ

『亡くなった家族ともう一度暮らせるとしたら何をしますか?』
「家族レンタルサービス」がはじまった。
亡くなった家族の情報を提供することで、それをAIが読み取り、性格までそっくりな人間をレンタルすることができるというサービスだ。
夫婦、子供、きょうだい、親……。サービス利用者は、亡くなったはずの家族ともう一度暮らしながら「遺された大切なもの」に気付いていく。

感想・レビュー・書評

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  • 亡くなった家族そっくりの人がやってくる、グリーフケアのお話

    以下、公式のあらすじ
    ------------------------
    『亡くなった家族ともう一度暮らせるとしたら何をしますか?』「家族レンタルサービス」がはじまった。亡くなった家族の情報を提供することで、それをAIが読み取り、性格までそっくりな人間をレンタルすることができるというサービスだ。夫婦、子供、きょうだい、親……。サービス利用者は、亡くなったはずの家族ともう一度暮らしながら「遺された大切なもの」に気付いていく。
    ------------------------

    ・夫を交通事故で無くした妻
    ・6歳上の兄を病気で亡くした弟 実は隠し事が……
    ・偽装結婚の相手が亡くなってからやってきたレンタルとの1週間
    ・娘をちゃんと育てようとしていた母親
     我慢させた腹痛が腹膜炎だったという後悔
    ・父を癌で亡くした娘


    私の琴線に触れるジャンルの一つがグリーフケアの物語なんだよなぁ
    家族で亡くしたのは祖父母を老衰だったくらいで、そんなに劇的な別れを経験しているわけではないのに、何でですかね?
    逆に自分がそんな経験していないから純粋に感動できるのかな?


    亡くなった家族そっくりの人が派遣されてくるシステムの設定はかなり雑
    見た目がそっくりな他、生前の話し方や記憶までほぼコピーされているように思われる
    ま、ありえないわなぁー
    その辺は主題絵はないので、スルースキルが要求される

  • 死別の悲しみに寄り添い、立ち直るための支援、「グリーフケア」のお話。
    悲しみを和らげ、前を向くきっかけ作りとして利用する、とする「レンタル家族」。
    遺族は突然亡くなってしまった家族がもう一度目の前に現れることで、忘れていたことだったりつたえることで整理をつけていく

  • 死んだはずの人を甦らせる。
    亡くなった人とそっくりな人間をAIに作らせ、それをレンタルする家族レンタルサービス。
    兄弟、親、配偶者、子ども様々な視点から亡くなったという事実を家族レンタルサービスを通して受け止め乗り越えていく物語。短編小説。

    最後の1行が本当に心に残るものだった。

    各編の展開は似ているが視点によって様々な心情が読み取れ、あまり感動系の小説を読まない私も楽しめた。

  • 家族レンタルの短編集。
    第5章ラストが良かった。家族の匂いっていいな。

  • 亡くなってしまったとわかっていても諦めきれない、そんなことあるかも。そこで故人をレンタル。それで気持ちの整理がつくならアリかも。ただし、ご近所迷惑だよね。

  • 残された人の持ち寄った記憶や記録でつくられる、亡くなった人と同様の容姿、性格のレンタル家族。亡くなった人は残された人の中で生きているっていうのを体現したような存在。
    グリーフケアが完了し家族の元から去ったレンタル家族はその後どう生きるのだろうか。大事な家族となった人たちと別れ、顔や戸籍を変え、全く別の場所で生きるのか。はたまた再度整形や性格調整をして新たなレンタル家族となり別の家庭に派遣されるのか。その時彼ら彼女らの記憶感情はどこにいくのか。解約された後のレンタル家族のお話も読んでみたかった。

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著者プロフィール

二松学舎大学文学部 都市文化デザイン学科教授 (大学院国際日本学研究長、都市文化デザイン学科主任)。
主な著書・編著に
『デジタル記号論』
『理論で読むメディア文化「今」を理解するためのリテラシー』(編著)
『ポケモンGOからの問い』(編著)
『コンテンツのメディア論』(塙 幸枝氏と共著) いずれも新曜社

「2024年 『日中韓のゲーム文化論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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