劇団42歳♂ (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575523829

作品紹介・あらすじ

大学の仲間が20年ぶりに劇団を再結成した。一日限りの公演に向け、それぞれ仕事や家庭を抱えながら稽古に参加する。演目はシェイクスピアの「オセロー」。昔の仲間と集ううちに、実生活で抱えている問題が役柄とリンクし、自分自身を見つめ直すきっかけとなってゆく――。不惑を越えてなお惑う男たちに、温かなエールを贈る物語。

感想・レビュー・書評

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  • 仕事や家庭、プライベートも悩みは尽きない42歳の男5人。大学時代の劇団仲間だった彼らは20年ぶりに「オセロー」公演を行うために劇団を再結成する。しかし本番まではトラブル続き。果たして彼らは無事に公演を迎えることができるのか。

    中年男性の青春よ、もう一度、という感じか。それ自体はいいのだが、トラブルが起きてもあっさりと解決し過ぎなのでは、と思うことがしばしばあった。これをやってはいくら昔の仲間でもおしまいでは、と思うことでも、友情が壊れることはない。私の感覚が一般的ではないのかもしれないが、どうも読んでいてすっきりしない。また、5人の男たちの生活感が薄く、絵空事のような感覚がぬぐえなかった。

    辛口の感想になってしまったが、5人が現実世界で自分の置かれた立場に重ねながら登場人物の言動について解釈を言い合うところはおもしろく、オセローを読んでみたくなった。
    読む人の年齢、性別、立場などによって受け取り方が異なる内容だと思うが、オセローへの興味を喚起するという意味ではいい本なのかもしれない。

  • 劇団あるあるがたくさんたって面白かった。お芝たくなる。

  • 大学時代の5人の劇団仲間が42歳になり劇団を再結成し1日だけの公演に向けて動き出す。男のバカさ加減や、42歳という年齢でぶつかる悩み、迷い。シェイクスピアの「オセロー」という作品を通してそれぞれが自分を見つめ直していく。くだらない話をしたり、夢を語ったり、捻くれたり、不倫していたりと色々な人がいて色々な人生がある。そういうものすべてひっくるめての友情がある。シェイクスピアのことは全く知らないに等しいけれど登場人物たちの考察や議論が楽しく興味を持った。

  • 大学時代に劇団仲間だった5人の男が、42歳になった今、再び一日限りの「オセロー」の公演をするというお話。社長としてバリバリ働いている男、公務員の傍ら採用されない脚本を書いている男、車のセールスマンをしている男、それぞれ別の人生を歩んでいる。大人になってからの喧嘩では、プライドがあって素直に謝れなかったり、でも昔からの知り合いなので、相手の性格をよくわかっていたり、ほのぼのとして少し物悲しく、それでいて生きていく勇気をもらえるような不思議な小説。

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