むかしむかしあるところに、死体がありました。 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 331
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575524970

感想・レビュー・書評

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  • 昔話をベースにしたミステリー短編集。

    アリバイトリック、ダイイングメッセージ、倒叙ミステリー、密室トリック、クローズドサークルと、趣向を凝らした全5話。

    発想が見事で新鮮な驚きがありました。
    「赤ずきん」が面白かったので読んでみましたが、案の定こちらもブラックな仕上がり(笑)
    なんか切なくなります。

    昔話特有の設定などが上手く活かされている本格ミステリーでした。

  • 花咲か死者伝言がいちばんおもしろかった!
    つるの倒叙がえしもけっこうすきでした

  • 面白かったー!!
    ちゃんとミステリだった。
    特に「花咲か爺さん」はぞくっとした〜
    シリーズ全部制覇したい

  • 面白くて、スイスイ読んでしまいました!
    短編集だし、読みやすい。
    昔話をミステリーの舞台にしたら、こうなるのか!という感じです。

    ちなみに一寸法師が実は悪い奴だったという話は、たしか御伽草子に書かれているんですよね。
    お姫様をお嫁に欲しくて、濡れ衣を着せて勘当させるんですよね。
    夜、屋敷の人が寝ている間に、お姫様の口にお米を付けて…(笑)
    嘘でしょ?!と、ひっくり返った記憶があります(笑)

    そういうオマージュみたいなのもあるのかな?と思うと、本当のお話も読んでみたくなりました。

  • お爺さんが死んでいるのに緊迫感の無い表紙が気になり購入!

    昔話を再構築したミステリー

    誰でも知ってる昔話ゆえに、内での小槌、花を咲かせる灰の不思議さも気にならない!
    アリバイや動機などを必死に証明しようとする昔話の登場人物達が何だか愉快な気分にさせてくれる!

    太宰治や村上龍も昔話を題材にした短編集を書いていましたが、やっぱり昔から語り継がれるネタは面白い!


    一寸法師の不在証明:容疑者は一寸法師?事件が起きた時、一寸法師は鬼の腹の中!?

    花咲か死者伝言:人の良い花咲か爺さんがエンディングの直前で殺された!?

    つるの倒叙がえし:つるを助けた青年は殺人を犯していた・・・

    密室竜宮城:竜宮城で密室殺人!?竜宮城の秘密が今、明らかに!!!

    絶海の鬼ヶ島:桃太郎が討伐した鬼ヶ島の後日談!?鬼達は心を改め平和に暮らしていたのだが・・・




    つるの倒叙がえしには『あっぱれ』です。

  • ★3.7
    誰もが知っている「むかしばなし」。
    あなたの知っている「むかしばなし」って生易しくない?


    国民的な話、というのがあるから作れる「if」の物語。
    好みは「花咲か爺さん」の話だった。結末をはっきりさせない意趣返しなのだがそれがいい。
    「桃太郎」なんて、「そして誰もいなくなった」を少しオマージュしてたのではないかとすら思える不気味さがあった。


    むかしばなしなんていくらでもネタがあるし、シリーズ化余裕だろうな、なんて思っていると既に結構出ているのね。。。

  • 作り話のさらなる作り話だ。星新一さんの未来イソップは話の筋を変えて、教訓を現代風に変えている点で知的な感じがするが、この作品は、ミステリーらしさを演出した構成になっている。その点で面白い。

    一寸法師、わっるぅ〜。アリバイ工作がユニークだ。物語の要素をちゃんとふまえている。藤の花は鬼が嫌いだと思っていた、親方さまの家族が言っていた。
    花咲かじいさんのぺんぺん草のダイイングメッセージ、さて犯人は?
    鶴の恩返し、最初に犯人がわかる。コロンボか、古畑任三郎か。
    浦島太郎、密室トリック、そうだろうなと想像がつく。だって竜宮城って密室だもの。
    桃太郎、連続殺鬼事件、犯人は?動機は?方法は?これまでのお宝が出てくる。そして意外なことが判明する。ただし作り話だけど。

    エンタメ本として秀逸で楽しめたが、一度読めば良いと感じる作品だった。

  • 日本昔話をミステリーに書き換えた。一寸法師、花咲か爺さん、鶴の恩返し、浦島太郎、桃太郎の五作を収録。短編ですが、しっかり推理小説になってます。

  • ジャケットから想像出来なかった、割と本格派ミステリー(笑)

    一寸法師、花咲か爺さん、つるの恩返し、浦島太郎、桃太郎がベースのミステリーなのだけど、私たち読者の既知をうまく生かして、覆していくストーリーが上手い。
    以下、ややネタバレ含むので、注意!




    一番印象に残ったのが「密室竜宮城」。
    亀を助けた浦島太郎が、竜宮城で出会ったのは、乙姫様と殺人(魚)事件。
    その解決を頼まれるのだけど、首尾よく解決をし、お仕置きを見せたくないとの理由で、玉手箱を手に地上に帰される浦島太郎。
    例の煙に包まれながら、頭によぎるのは、事件の真相が他にあったということ。

    老化するだけでなく、老化をミステリーの要素に加えて、最後に悔恨を生み出すところが、すごい。

    「絶海の鬼ヶ島」は、芥川龍之介版「桃太郎」を彷彿とさせるような趣きがある。
    結局は、鬼の疑心暗鬼(なんか面白いな、響きが)で絶滅パターンか?と思いきや、さらにその先があったので驚きだった。
    源平合戦もかくや。

  • 誰もが知っている日本昔話をモチーフにした6話ミステリー。『一寸法師』『花咲か爺さん』『鶴の恩返し』『浦島太郎』『桃太郎』

    もっとパロディ風かと思いきや、しかけやトリックもそれぞれで、思考が凝らされていた。

    設定の現実味がないのは、大前提。その分、引き込まれはしないけどサラリと楽しめました。

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著者プロフィール

1980年千葉県生まれ。2009年『浜村渚の計算ノート』で第三回講談社birth小説部門を受賞しデビュー。「ブタカン」「西川麻子」「猫河原家の人びと」などシリーズ多数。2019年刊行の『むかしむかしあるところに、死体がありました。』が各ミステリーランキングや書店年間ランキングにランクインし、本屋大賞にもノミネートされた。

「2023年 『あかがみんは脱出できない(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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