逆転美人 (双葉文庫 ふ 31-03)

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 7824
感想 : 733
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575526127

感想・レビュー・書評

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  • ミステリーあまり読まない人にもミステリー好きにも一度読んでほしい。最後の方までこの本のいわゆるトリックに気づかないで読んでしまったのだが気付いた後は全然気づかなかったと驚いてしまった。
    世の中の美人の中には、こういう生活を送ることになる人もいるのかと思うと自分の生まれもった手札をいかにうまく活用するかでこうもちがうのかと思った。
    単純に読みものとしても面白く、テンポよく読み進められる。

  • trick【名】
    1.いたずら、悪ふざけ
    2.〔人をだます〕ごまかし、たくらみ、トリック、手口
    3.〔人を楽しませる〕芸当、技
    (英辞郞より抜粋)

    本書は帯に「ミステリー史上初の伝説級トリックを見破れますか?」とあります。
    一般的にミステリー小説におけるトリックと言うと、多くの方が犯した罪を隠すための仕掛けをイメージすると思います。そして「なるほど、すっかり騙された!」という痛快さを楽しむことが読み手の目的であったり。
    が、本書においてはそういった意味でのトリックではありません。1か3の意味の方が近いかなと思いました。少なくとも騙される要素はありません。

    美人であるが故に様々な困難や苦悩を抱え、犯罪にまで巻き込まれてしまったとある女性の手記という形で物語は進みます。
    幼少期から始まり、結婚して2人の子どもを授かった後にマスコミが騒ぎ立てるような事件の被害者となったため、手記を発売したという流れです。
    この手記、口語でダラダラと話しているような文体なので大変読みにくくストレスを感じます。文章の流れとしても引っ掛かるところが多く、この違和感は後に意図的なものであることが明かされますが、それ以外にも不自然な箇所が非常に多いため読み進めるのが辛いです。

    手記が一旦完結したあと追記が始まり、ここで読み手は手記内にあった事件の真相と、本作の「トリック」を知ることとなります。
    確かにこの仕掛けを作るために著者は大変な苦労をしたでしょう。すごいアイディアで驚きました。
    ですが、仕上げ方が残念すぎました。

    ごくごく普通のミステリー小説として書き、作中では真相は分からないまま終わらせ、あとがきでこの仕組みを披露して読み手に真相を明かす形だったら、まさに伝説となったでしょう。

    私は作中に作家が自身の名前を本人として登場させるのは好きではないし、美人だけど不遇という設定に(少なくとも本作の中には)かなりの不自然さを感じたので、総合的に低い評価となりました。


  • 逆転美人
    藤崎 翔
    この本に関してはまずほぼ何も言えない、紙の本でしか無しえない、驚愕の仕掛けが施されており、これから読む人はまず書評を見ずに読むことをお薦めします。私は到底無理でしたが、相当な勘の鋭い推理偏差値高い人ならもしかしたら、トリックに気付けるかも・・・・
    美人である事って得に感じますが、幼い頃から美人であるが故の壮絶な不幸が主人公に襲い掛かります、そして積もり積もった不幸が大きな事件を巻き起こし世間からも非難された彼女は思い切って逆転の一手として手記を発売します。その手記をまず読む事から始まるのですが、壮絶ないじめ、裏切り、暴力の描写がありかなり読みずらし・・・
    しかしその先にある真実(仕掛け)を知りたいという欲求が唯一の拠り所となり本を読み進める事が出来ます。とてつもない驚愕の仕掛けが施されている為、読んでいるとあちこちで感じる何とも言いようの無い違和感!!その違和感をトリックに結び付けられるかどうかが唯一仕掛けに気付けるかどうかの手掛かりとなるでしょう・・・・
    正直ああっ真実はこうなんだろうな―って思ってて、案の定予感が当たってて、なんだその程度かってなってからが本番でした。それだけではなかった・・・この仕掛けを思いついた後それをプロットに落とし込む作業は地獄だったんじゃないかなと思います。よくやり遂げたなと藤崎先生を褒めたたえたいです。一つでも間違うと仕掛けが台無しですから・・・ついでに言いうと仕掛けの後に更なるもうひと仕掛けあってちょっと嬉しくもなります。さてさて「逆転美人」表題の真なる意味を読み解き、作者が仕込んだ罠を逆転出来るかどうかはあなた次第です・・ああっ私は不細工でほっとしています

    注)書評でも似たような細工を施そうと思いましたが大変過ぎて結局諦めました事をここに記します

  • この本自体のトリック自体もそうですが、話しの内容、展開としても秀逸かと思います。
    これは結構斬新な小説の使い方ですね。驚きました。
    純粋に楽しめたなと思う1冊です。

  • 前半から感じる違和感は2/3過ぎたあたりから回収されていきます。
    普通に面白い、ただそれ以上でもそれ以下でもないかなぁという印象、、

  • この本との出会いはブクログです!

    美人は徳か?

    得してるように思えるのだけれども・・・


    マルチ商法やドラゴンボールに合コン、平成の前半の時代を生きてきた人達なら一度は聞いたことのある言葉!
    なんだか懐かしい気持ちになりました。

    しかし、本作品はそんなほんわかした内容ではありません!

    美人に生まれた主人公が美人ゆえに受ける不遇と、それにより齎される不幸・・・
    美人が受けるイジメのメカニズムが適切に表現されています。


    本書を読んで、人を見た目で判断してはいけないとは思うものの、それ以上に人を妬む気持ちと他人から掠め取ろうとする思いが、色んなものを歪めていくのだと思わされました。

    因みに、本書には秘密があります。
    帯に書いてありますが紙の本でしか出来ない!
    テレビや映画では再現不可!

    ぜひ一度手に取ってお読みください♪

  • ブラボー!
    読むにあたって自分なりに予想していたのだけど
    いい線はいっていたが
    結局最後まで見破れずに完敗。
    私は素直に驚くので、とてもいい読者だと思う。

  • 伝説級トリック
    見破れませんでした。

    このトリックで☆5つ

  • Xなどで紙の本でしかできないトリック!といった感想をよく見かけていたので読んでみました。
    何かあるんだろうなと思いながら読んでも初見では見破れず、ネタバラシを読んであ〜なるほど。

    …ただそれ以上でも以下でもなかったです。
    この本の「おもしろさ」をトリックに全振りしている印象で、手記の内容自体はさほど心動かされるわけでもなかったです。
    中途半端な手応えの長い手記をモヤモヤしながら読んだオチがあのトリックのみというのは、個人的には弱いかな、という感想です。
    ネタがわかってしまうと再度読むことはないと思います。

  • いやー、これは初めてだ!
    内容云々でなくこのトリックがすごい!!
    どんなビックリが待っているのかだけを期待しながら一気読みした笑

    で、やられた!!
    これはまさにトリックだし、めっちゃ作るの大変だったろうなぁーとそこが気になった笑
    感激。お見事。これを思いついたのスゴイ。

    序盤、中盤は、世代的に懐かしいものがたくさん出てきて少しクスッと笑ってしまったり、でもなんか終始ずっと違和感があったり…。

    「紙の本でしかできないトリック」(どこかで聞いたことあるぞ…)と思いながら、どこだーどれだー?と読み進めた。賢くない私にはトリックなど見破れるわけもなく、「なんか変」をずっと持ち続けたまま、とにかくどんなふうに仕掛けてくるのかが楽しみ過ぎてグングン一気に進めた。

    はい、これは紙の本でしか無理ですね、確かに。
    気付けた人いたらすごいなぁ。

    ネタバレ禁止だ、これは。

    内容は序盤から違和感ありありで、読みながら「うーん…」ってそんなにハマらなかった…ってこの違和感を感じてる時点でもうハメられてるのか!!笑

    ルッキズムとか一応色々テーマは出てくるけど、何かを感じ取るとか、浅いとか深いとか、人物描写がどうとか内容云々ではなく、「仕掛け」を楽しむ本として、最初違和感を感じて入り込めなくても最後まで読んでみる価値は大いにあると思います。

    とにかくこのトリックで楽しませてもらったので大満足です!!素直に楽しかった♪いつもの読書とは違った満足感が得られた。読み終わって思わず笑っちゃうくらい。

    • Tomoyukiさん
      最後、もう一回あるんかい!
      ってツッコんでしまいました。笑
      最後、もう一回あるんかい!
      ってツッコんでしまいました。笑
      2024/02/10
    • Mayさん
      Tomoyukiさん、コメントありがとうございます♪
      わかります!!笑
      まさかのもう一回。しかも最後のメッセージもうちょい捻りがあるのかな?...
      Tomoyukiさん、コメントありがとうございます♪
      わかります!!笑
      まさかのもう一回。しかも最後のメッセージもうちょい捻りがあるのかな?と勝手に期待してしまいましたが意外と普通で笑いました!
      2024/02/10
    • Tomoyukiさん
      さらなるどんでん返しの可能性に少しビビってました。笑
      さらなるどんでん返しの可能性に少しビビってました。笑
      2024/02/10
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著者プロフィール

藤崎 翔(ふじさき・しょう)
1985年、茨城県生まれ。茨城県立竜ヶ崎第一高等学校卒業。高校卒業後、お笑いコンビ「セーフティ番頭」を結成。ネタ作りを担当。2010年にコンビを解消し、小説を執筆。、2014年、初めて書いた長編ミステリー「神様のもう一つの顔」(のちに「神様の裏の顔」に改題)で第34回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、小説家デビューする。著書に『私情対談』(のちに『殺意の対談』に改題)『こんにちは刑事ちゃん』『おしい刑事』『恋するおしい刑事』『お隣さんが殺し屋さん』がある。


「2018年 『時間を止めてみたんだが』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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