逆転泥棒 (双葉文庫 ふ 31-04)

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575526974

作品紹介・あらすじ

大ヒット『逆転美人』の衝撃ふたたび。驚きの「逆転トリック」がまたも炸裂する。善人と書いてヨシト、なのに空き巣で前科二犯の俺。出所早々、懲りもせず忍び込んだ豪邸の主は、なんと初恋相手の美女マリアだった。後日、偶然を装って再会し、急速に距離を縮める二人……だが、彼女の望みは夫の殺害!? 不穏な現在と、懐かしく切ない平成の青春が交錯する物語の結末とは!?

感想・レビュー・書評

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  • 空き巣で前科二犯の善人は刑期を終えて出所してきて、また昔の仲間のスーさんの手引きで空き巣に入りますが、その豪邸はなんと、幼なじみで初恋の相手のマリアの家だったのです。

    偶然を装いマリアと再会してみると、マリアはやはり幼なじみで医師のタケシと結婚していました。
    マリアは夫であるタケシとは上手くいっていないといい、ヨシトはマリアに「夫を殺してくれない?」と頼まれます。

    マリアの家で、マリアに誘われ密会したヨシトは、マリアがタケシに酷いDVを受けて血を流しているのを目撃してしまいます。

    ヨシト、マリア、タケシの三人は小学校から高校まで仲のいい幼なじみでヨシトとタケシは「もし愛する女に暴力を振るうような男になったらお互いを殺しに行く」という固い約束があったのです。

    ヨシトはマリアの夫を殺す計画を立て始めますが、上手くいくのか…?




    三人の幼なじみ時代と現代が交互に語られていきますが、なんであんなに性格のよかったヨシトが空き巣なんかになってタケシとマリアが結婚しているのだろうと不思議に思いました。

    マリアの歌う懐かしいキョンキョンの『あなたに会えてよかった』が泣かせますが、話題作だった前作の『逆転美人』ほどの驚きはなかったです。


    「♪サヨナラさえ 上手に言えなかった
    Ah あなたの愛に 答えられず 逃げてごめんね
    時が過ぎて 今 心から言える
    あなたに会えて よかったね きっと私」

  • 一つ前に読んだ「逆転美人」で見事などんでん返しを喰らったので、気になっていた「逆転泥棒」を拝読。

    前科ニ犯の主人公ヨシトが、泥棒に入った豪邸は偶然にも高校時代の恋人マリアの家だった。そのマリアから夫であり、ヨシトの幼馴染で親友だったタケシの殺害を依頼される。

    といったあらすじ。

    途中から違和感には気づいていましたが、見事に「逆転」を喰らいました。
    そして、終盤に伏線を次々に回収。違和感のモヤモヤが晴れて、スッキリとした気持ちに。

    時代背景が丁度自分の子どもの頃だったので、「ポケモン」や「男同士のお約束」等、凄く懐かしかったです。

  • 私が読む藤崎翔氏作品の3冊目。

    図書館に早くから予約しておいたので、早目に借りられた。ありがたい。

    …と思ったのだが、借りてきて本の裏に書いてある「あらすじ」を読んだら『あなたに会えて困った』の改題だと知った。
    つまり『逆転美人』が当たったから、本作の文庫化にあたり、それに乗っかって『逆転』にしちゃったのだな。
    すぐに、図書館の「今度読みたい本一覧」(予約枠ではない。180冊以上入れてある場所)に入れてあった『あなたに会えて困った』を登録削除した。

    さて、本作。
    読み出すと、物語の内容としては全く面白くない(特に回想シーンの当時流行した事象の件が面白くないし鬱陶しい)のだが、それは『逆転美人』も内容は面白くなかったことだから、こちらとしては既定路線。
    今回の仕掛けはどんなだろう?と期待しながら読んだ。

    途中、下ネタはあるわ、真ん中当たりで急に社会問題に切り込んでくるわで、これは一体どう展開していくのだろうと思いながら、とにかく一気読みだった。

    種明かしをされた途端、私は混乱し、それまではメモっていなかったのに、急にメモし始めた。
    そのメモを見ながら種明かしの部分を読まなくては、頭が付いていかなかった。
    そして、メモを見ながら2度読み(確認作業)をした。

    これはこれで面白かったけれど、文庫化に当たり改題なんてしなければ良かったのにと思う。
    改題にあたり、『あなたに会えて困った』の時には無かったかもしれない「逆転」という言葉が、本書では多用されていた。

    これでは、本当は本作よりも後の作品である『逆転美人』と読者に比べられてしまい、そうすることによって本作の評価が下がってしまうような気がするのだが…。
    その点が、ちょっと惜しい。

  • 恐らく作者の経験そのままに、90年代ノスタルジー的なものを盛り込みつつ過去と現代を交互に描く幼馴染3人の話。なんだが、単行本からの改題でタイトルに逆転が付いた。逆転美人を思い起こすが、多分この作者なら違うものがあるだろうと、なんかこのあたりが怪しいなと、それでもしっかり引っ掛かった。ネタがネタだけにネタバレ後も結構ややこしいんだが、丁寧な作りと丁寧な解説、ちゃんと読み応えのあるストーリーで満足でした。


  • 時事ネタ、芸能ネタから社会問題までを
    組み込んで練り上げられたストーリーが
    軽快なテンポで流れていく様は、まるで
    舞台上のコントを見ているようです。

    そして、ラストのあっと驚く逆転劇は
    タイトルそのもの。

    『神様の裏の顔』同様、裏も表もあっても
    構わないと思えるいいお話でした。

  • 「逆転美人」の次作としての「逆転泥棒」

    どうしても、騙されるものかと
    読む側が意識してしまうし、
    前作と比較してしまう。

    だからかもしれないけど
    本当に勿体無い。

    タイトルもあえて似せることはせず
    また、あいだをおけば
    十分に面白いし評価されると思うけど、
    逆転美人には敵わない。

  • めちゃくちゃ面白かったです!
    どでかいどんでん返しもありつつ少し感動要素もあります。
    ただこの手のジャンルは好みが分かれるやつですね。
    私は大好きです!
    見事に騙されました。
    ちょっとズルいとは思います笑

  • 現在と回想
    話は淡々と進みますが、
    会話のシーンが多いので
    読みやすいです。

    後半、はっ?へっ?
    とちょっと混乱し、
    そういうこと〜!!
    って感じです。

    逆転美人とは全く違います。
    最後は少し感動です!

  • 逆転、こうきたか~。
    やられた感がある。笑
    からくりがわかると、最初から読み直したくなります。

    回想が妙に多いと思ったのですが、これも必要な要素だったのですね。
    読むにあたって、誰の立場で語られているのか、が肝になってきます。
    タネ明かしされても、頭が混乱。
    って事は、今までのあれやこれやは、一体誰の感情なんだ??
    謎が謎を呼んでくる。。。
    辻褄を合わせるのが頭の中だけでは難しそうです。
    頭で考えていてもごちゃごちゃするばかりなので、紙とペンで情報を整理したくなりました。
    1冊で3度楽しめるミステリですね。
    ①普通に読む
    ②ネタバレ後読む
    ③情報整理

    ライトな読み心地なのですが、手の込んだ構成。
    読者を騙す気満々です。笑

    個人的に今回の作品は、笑いのパンチは少な目かな、と思いました。帯にもあるように”感涙”度が高めとなっております。

    今回も満足!

  • 3.5

    まさにタイトル通り逆転泥棒!

    コミカルで読みやすい。

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著者プロフィール

藤崎 翔(ふじさき・しょう)
1985年、茨城県生まれ。茨城県立竜ヶ崎第一高等学校卒業。高校卒業後、お笑いコンビ「セーフティ番頭」を結成。ネタ作りを担当。2010年にコンビを解消し、小説を執筆。、2014年、初めて書いた長編ミステリー「神様のもう一つの顔」(のちに「神様の裏の顔」に改題)で第34回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、小説家デビューする。著書に『私情対談』(のちに『殺意の対談』に改題)『こんにちは刑事ちゃん』『おしい刑事』『恋するおしい刑事』『お隣さんが殺し屋さん』がある。


「2018年 『時間を止めてみたんだが』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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