- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575527049
作品紹介・あらすじ
閉塞的な村から逃げだし、身寄りのない街で一人小説を書き続ける三島天は、ある日中学時代の友人のミナから連絡をもらう。中学の頃に書いた、大人になったお互いに向けての「手紙」を見つけたから、30才になった今開封しようというのだ――。他人との間で揺れる心と、誰しもの人生に宿るきらめきを描く、感動の成長物語。
感想・レビュー・書評
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Audibleにて。
佐賀の片田舎で繰り広げられる三角関係と成長が描かれた感動の長編小説。
閉塞的な村から逃れた主人公の天が、中学時代の友人ミナと藤生との関係に揺れ動きながら、自分と他人、そして過去と現在と向き合っていく…
友情や恋愛に絡んだ思いや、他者への憧れと自己の受容の葛藤が丁寧に描かれ、登場人物たちの心情に共感しながら物語に引き込まれていった。
田舎と都会、自分と他者、夢と現実といった対立する要素に触れながら、三人が歩み寄る姿に勇気と希望を感じさせてくれる。
他者と自分を見つめ直すきっかけとなる心温まる作品。
藤生の恋が特にもどかしかった… -
いい本だった。
人を見て羨ましいという気持ちは誰にでもあるだろうけど、羨ましいと思う人にも色々な思いもある。
隣の芝生は青く見えるって感じかなぁ。
私のように人と比べて落ち込みやすい人にはなかなかガツンとくる小説だった。 -
内容は、タイトル通りというか…
あの子みたいになりたいとか、身近にいる人を羨んだり妬んだり、そういうのってやっぱり思春期に強く感じるのかな。
田舎の閉塞感という部分は、痛いほど共感してしまいました。 -
ずるわるな部分、誰にでもあるよね…
そして月日が経つと、自分や他人のそう言う所も許せるようになっているな~っと気付かされた小説でした。 -
しがらみの多い田舎から、早く出たいと願う天。
自分をユニークと信じ込める人に対して、抱く感情ってどのようなものだろう。
羨ましさ、妬ましさ、嘲り、憐憫。
いや。でも。
そんな彼女であれ、と思う人は、きっと少なくはないと思う。
天自身が、現実に足元を掬われそうになっていたら、やっぱり、ミナや藤生は手を差し伸べると思うのだ。
きれいにまとめて欲しくはない、でも、どこかできれいではいて欲しいと思った一冊。 -
おもしろかった
ストーリーの運び
それぞれの心情
あのとき本当は何があったのか、
みんなが知りたかったこと、
わたしだけが神様の目線になったかのように
俯瞰で見ているような不思議な感覚、
だけど当人たちは全部を知る必要も、
伝える必要もない
私が強烈に惹かれるだれかは、
他のだれかになりたいと、こころから思っているかもしれない。
逆も、しかり、、 -
唯一読んだことがある「川のほとりに立つ者は」はおもしろかった。文庫化されたのであれば、それなりにおもしろい作品なのだろう、読んでみたい
#どうしてわたしはあの子じゃないの (文庫)
#寺地はるな
23/11/15出版
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き
#読みたい本
https://amzn.to/3MIVGmQ -
ストレートなタイトルで、良くも悪くも想像どおりなストーリー。
「どうしてわたしはあの子じゃないの」
そう思った経験は私にもあるし、きっと誰しもが通る道なのではないかなぁ。
寺地はるなさんの作品って、大きな事件という事件は起こらないのだけれど、登場人物ひとりひとりが自分の人生を必死に生きていて、各々が各々の悩みをきちんと抱えている様が描かれているから共感しやすい。
『今いる場所が嫌なわけではないのに、今の自分は幸せだと知っているのに、なぜかその「どこか」に自分のもうひとつの人生が存在するような気がしてならない。』
分かるー!と思った。