ごんげん長屋つれづれ帖【三】-望郷の譜 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575670707

作品紹介・あらすじ

長屋でお勝たちの隣の部屋に住まう、彦次郎とおよしの夫婦。古くから『ごんげん長屋』に暮らし、何かと騒がしい住人たちを温かく見守る穏やかな二人の元へ、ある若い男が訪ねてきた。男を追い返すとともに、慌てて長屋を出ようとした彦次郎たちを引き留めたお勝は、老夫婦の哀しい過去を知ることになる――。くすりと笑えてほろりと泣ける、これぞ人情物の決定版。時代劇の超大物脚本家が贈る、必ず泣けるシリーズ第三弾!

感想・レビュー・書評

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  • 立派に成長した源六郎を見たお勝は……。
    お江戸は根津権現門前町の質屋の番頭を務め、女手ひとつで3人の子供を育てるお勝の奮闘物語です。
    根津権現社の近くの「ごんげん長屋」に住まいして、お琴13才、幸助11才、お妙8才の3人の孤児を引き取り女手ひとつで育てるお勝39才は、女ながら質屋「岩木屋」の番頭を務めています。そして21年前に旗本二千五百石建部家の当主の手がつき、今年20才になる源六郎を生むと、屋敷を身一つで追い出された悲しい過去があります。

    4話目の「望郷の譜」は、引き裂かれた我が子が、はるばる母を探しに20年ぶりに訪ねて来ます。ごんげん長屋で再会して数日後に母が亡くなります。会えて良かったと……(涙)

    【読後】
    展開が早く、お節介のお勝の細やかに大胆な心配りがよく表れた、丁寧な作品になっています。

    望郷の譜ーごんげん長屋つれづれ帖シリーズの3作目
    2021.09発行。字の大きさは…中。2021.10.22~23読了。★★★☆☆
    一番かみなり、藍染川、老臣奔走す、望郷の譜、の短編4話。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    【バックナンバー】
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    私は、本を登録するときには、著者名と登録した年(2021)で登録しています。たまにシリーズ名でも登録もします。例えば「風烈廻り与力・青柳剣一郎」などです。

  • 【収録作品】 一番かみなり/藍染川/老臣奔走す/望郷の譜

    「一番かみなり」 旗本の小倅たちに灸をすえるお勝。一方、屋敷に置いてきた息子の成長した姿を垣間見て動揺する。
    「藍染川」 染め師の仲三・きわ夫婦。酒癖が悪く、浮気相手に入れあげている仲三に、娘と息子は愛想を尽かしていた。
    「老臣奔走す」 主人のために自分の家宝を質に入れようとする老臣の苦労を見かねたお勝は、事情を調べて入れ知恵する。
    「望郷の譜」 錺職の彦次郎・およし夫婦。二人の故郷から二人を知る人物が現れ、彦次郎は長屋を出ようとする。その矢先、およしが倒れる。

    頼まれても頼まれなくても、知ってしまったら首を突っ込むお勝。お節介焼きだが、そのお陰で物事が動くこともある。前はうっとうしいだけだったが、そのありがたみもわかる。今となっては貴重な存在だ。

  • 内容(ブックデータベースより)

    お勝たちの隣の部屋に住まう、彦次郎とおよしの夫婦。
    古くから『ごんげん長屋』に暮らし、賑やかな住人たちを温かく見守る穏やかな二人の元へ、
    常陸国から一人の男が訪ねてきた。
    男を追い返すとともに、慌てて長屋を引き払おうとする彦次郎たちを引き留めたお勝は、
    老いた夫婦の哀しい過去を知ることになる――。

    令和4年27日~30日

  •  金子成人「望郷の譜」、ごんげん長屋つれづれ帖シリーズ№3、2021.9発行。一番かみなり、藍染川、老臣奔走す、望郷の譜 の4話。質屋「岩木屋」の番頭、お勝39歳の気風の良さが売りのシリーズですが、その子供たち(産んだ子ではなく引き取った子供たち)、お琴13歳、幸助11歳、お妙8歳もそれぞれいい味を出しています。

  • 「帰りたいねぇ」

  • 202109/シリーズ3作目。今回、およしの結末は泣かせる為に思えて残念。違う結末が良かった。住人間での引っ越し(部屋入れ替え)、最後のある人物の求婚会話もとってつけたような感じというか、エピソード・登場人物達を盛り込み過ぎに思えた。とはいえ、毎回面白く楽しみなシリーズ。子供達が夕餉用意してお勝が帰宅して食事につく場面、テンプレ感もあるけど好き。

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著者プロフィール

一九四九年長崎県生まれ。会社勤めのかたわら倉本聰に師事し、七二年「おはよう」で脚本家デビュー。九七年、第十六回向田邦子賞を受賞。「鬼平犯科帳 」「剣客商売」「御家人斬九郎」「水戸黄門」など脚本作品多数。著書に「追われもの」「付添い屋・六平太」「ごんげん長屋つれづれ帖」「かぎ縄おりん」などの各シリーズがある。

「2023年 『小梅のとっちめ灸(三)針売りの女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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