はぐれ又兵衛例繰控 【六】-理不尽なり (双葉文庫 さ 26-52)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575671346

作品紹介・あらすじ

又兵衛が知り合った馬喰町の煮売屋の善七が、稲荷明神を詣でた際に侍たちと悶着を起こし、奪った刀で侍の一人を斬り殺してしまった。侍殺しの善七には磔獄門の理不尽な刑が下されるが、侍たちはどうやら三日月党なる盗人一味と繋がっているらしい。善七の仇を討つため、又兵衛は三日月党を壊滅すべく動きだす――。怒りに月代朱に染めて、許せぬ悪を影裁き。時代小説界の至宝、坂岡真が贈る、令和最強の時代シリーズ第六弾!

感想・レビュー・書評

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  • 南町奉行所例繰方与力で香取神道流を極めた剣客、平手又兵衛の活躍の物語です。例繰方は、江戸時代、町奉行所の一部課で、判例を整理し判決録の保存を主任務とし、また、必要な場合には先例の調査にもあたった。

    【海月(くらげ)侍】
    平手又兵衛39才は、種油の買い占めをしていた廻船問屋「三州屋」清右衛門を調べていると。三州屋の後ろ盾として南町奉行所の定橋掛与力・赤間主水之介と、剣の遣いての御勘定組頭・楠本平助がいることが分かる。そんな時に、やる気をなくし海月侍と呼ばれる定橋掛同心・川端源内と会う。三州屋の宴席に悪党三人が、そろった時に又兵衛が、楠木平助に斬りかかる。

    【閻魔裁き】
    日本橋南の中橋広小路に店を構える煙草問屋「摂津屋」理右衛門は、大奥の表使い瀬山の怒りをかい。店を少し燃やされ、死人を出した。このまま行けば、理右衛門は死罪である。死人は、刺されていた。又兵衛は、大奥で権勢をふるう瀬山を裁くことができず。捕まえて日本橋南詰の晒し場に晒す。

    【理不尽なり】
    又兵衛の知らせで目白鮫といわれる先手組最強と噂される弓組二番の筆頭与力、鮫島広之進は、凶賊「三日月党」を室町の両替商「木島屋」で待ち構える。

    【読後】
    字が大きくて、展開が早く、勧善懲悪で読みやすいです。剣客・平手又兵衛の剣が絶妙です。このシリーズは、安定した読み物となっています。このところ探索をもっぱにする定町廻り同心とか、吟味方与力を主人公にしたものでなく、例繰方与力とか、風烈廻り与力を主人公にした本をよく見かけます。書き手が、今までと違うものを主役にして書いているようです。
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    理不尽なり はぐれ又兵衛例繰控シリーズ6作目《文庫本》
    2022.11発行。字の大きさは…大。2023.02.20~21読了。★★★☆☆
    海月(くらげ)侍、閻魔裁き、理不尽なり、の中編3話。
    図書館から借りてくる2023.02.14
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    《はぐれ又兵衛例繰控シリーズ一覧》
    06.理不尽なり  2023.02.21読了
    05.死してなお  2022.09.19読了
    04.密命にあらず 2022.01.23読了
    03.目白鮫    2021.07.25読了
    02.鯖断ち    2021.03.28読了
    01.駆込み女   2021.02.18読了

  • 3つの短編集。タイトルの「理不尽なり」は本当に理不尽な内容。前章で知り合いの命を助けたので、この章でも最後まで命を助けるものと思ったが、それは叶わなかった。又兵衛の本分である例繰通りの裁きで処分されてしまった。奉行所内で騒いで、助けが出てくるかと思ったが、こちらも助けにならず、知り合いの火盗改が応援で何とか捕まえることができた。これも読んでいてストレスとなる。

  • 2022年11月双葉文庫刊。書き下ろし。シリーズ6作目。海月侍、閻魔裁き、理不尽なり、の3つの連作短編。今回は3つともに面白く、良い展開。例繰の又兵衛の動きにも説得力があり、長元坊、御先手弓組の目白鮫の登場と活躍も楽しめた。

  • 外道者のなんと多いことよ。

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著者プロフィール

坂岡真
一九六一年、新潟県生まれ。十一年の会社勤めを経て文筆の世界へ入る。江戸の情緒と人情の機微、そして花鳥風月を醸し出す筆致で、多くの読者を魅了している。主なシリーズに「鬼役」「鬼役伝」「帳尻屋始末」「帳尻屋仕置」「照れ降れ長屋風聞帖」「はぐれ又兵衛例繰控」「死ぬがよく候」「人情江戸飛脚」などがある。

「2023年 『うぽっぽ同心終活指南(一)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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