- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575671513
作品紹介・あらすじ
お勝たちの隣に住まう足袋屋『弥勒屋』の番頭治兵衛。四十半ばで通いの番頭になり、嫁探しに張り切っているこの男が、ここ数日浮かぬ顔をしているという。『弥勒屋』の主人の徳右衛門から相談を受けたお勝は、仕事帰りに様子を見に『弥勒屋』に立ち寄るが、そこで船頭姿の若者と揉めている治兵衛の姿を目にして――。くすりと笑えてほろりと泣ける、これぞ人情物の決定版。時代劇の超大物脚本家が贈る、大人気シリーズ第六弾!
感想・レビュー・書評
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女手ひとつで三人の子供を育てるお勝の奮闘物語です。
文政二年(1819年)、江戸は根津権現社の近くの「ごんげん長屋」に住まいして、孤児であったお琴13才、幸助11才、お妙8才の3人の子供たちを引き取り、女手ひとつで育てるお勝39才は、女ながら根津権現社の南側にある質舗「岩木屋」の番頭を務めています。
【貸家あり】
「ごんげん長屋」に小間物売りの米助が、長屋に住むかどうか考えたいので三、四日住まわせてもらいたいと言って住むこととなった。米助は、毎日長屋の住人を巻き込んで酒宴を始めた。何か変である…。米助が、盗人であることが分かり、米助の荷物から…。
【鶴太郎災難】
「ごんげん長屋」の住人で、毒にも薬にもならない18粒の丸薬を五文で売り歩く十八五文(とうはちごもん)の鶴太郎が、乾物屋「栄屋」の主・丹治を殺したかどで定廻り方同心の佐藤に捕まった。お勝が心配していると。栄屋に後添えで入ったお秀が、情夫の七五郎とで殺した事が判明した。十八五文は、飲む人が治ると思えば治る。気持ちの持ちようである。かけそばが十六文する世の中で五文で万病に効く薬が手に入るはずがないが、飲む人の気持である。江戸時代には、面白い商売もあったものです。
【身代わり】
医師白岩道円の女中おたまが身籠ったことを知った道円は、おたまに相手を聞くと、道円屋敷に寄宿している備中庭瀬藩二万石の祐筆中村権十郎が、生まれてくる子は私が引き取って国元に連れて帰ると言う。お勝が、生まれてくる子の引き取り先を探していると。道円の見習医師平山が、姿を消した。中村は、平山の身代わりになっておたまを助けるために子供を引き取ろうとした。
【菩薩の顔】
二十五年前、足袋屋「弥勒堂」の番頭を勤める治兵衛は、二十の時に騙されて在所の行田から江戸へ出て来た。その生い立ちが明らかにされます。
【読後】
字が大きく、読みやすい物語です。いろんな事情を抱えても力強く、何事にも関心を示し、面倒見がよく、明るく生きて行くお勝を見ていると勇気が湧いてきます。
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ごんげん長屋つれづれ帖シリーズ一覧
06.菩薩の顔 2024.01.14読了
05.池畔の子 2023.03.08読了
04.迎え提灯 2022.05.16読了
03.望郷の譜 2021.10.23読了
02.ゆく年に 2021.08.03読了
01.かみなりお勝 2021.04.29読了
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「図書館」
菩薩の顔 ー ごんげん長屋つれづれ帖シリーズ6作目《文庫本》
2023.03発行。字の大きさは…中。2024.01.12~14読了。★★★☆☆
貸家あり、鶴太郎災難、身代わり、菩薩の顔、の短編4話。
図書館から借りてくる2023.12.13詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
202303/毎回楽しみな安定のシリーズ。
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みんなお勝さんを頼りにしてる。
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おたまが産む子の育ての親を探すということは、母子を引き離そうとしているのと同じことだと、今になって思い至った。