じゃりン子チエ (番外篇) (双葉文庫―名作シリーズ)

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  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575720792

感想・レビュー・書評

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  • 昔、チエちゃんのアニメといえば、西では最強と思われていたもんです。
    なんせ、最終回が放送された週の次の週から、第1話がもう1回再放送されていたりしましたから。そういうしあわせなループが、永遠に続くのかと思っていたことがぼくにもありました。

    これは、その中の猫たちの番外編です。「どらン猫小鉄奮戦記」ということで、小鉄が主人公です。

    しかし、小鉄 は、何でああんなにすかした性格になったんだろう。 その謎の一端があきらかに……あんまりなってないかな。

  • しゃべる、喧嘩する、釣りをする猫たちの物語。

    本編の主人公チエちゃんは小学生にしてホルモン屋の店主でもあるため、基本的に大阪西成から動けない。過去もさして描けない。群像劇だが、主人公は極めて行動を制限されている。脇役もチエちゃんと絡むことによって成立する物語のため、基本的に回想もしくは妄想シーンでのみ冒険が行われる。

    一方、小鉄というチエちゃんに飼われる猫とその仲間は、チエちゃんが年齢的に持ち得ない過去を持ち、過去、現在、未来に相当な自由を持つ。そのくせ、進んで飼い猫になったと自負し、チエちゃんが猫の手も借りたければ貸してやり、猫の手でもどうしようもない人間関係に悩む際には、邪魔しないように旅に出たりする。

    人間の脇役がチエちゃんと一緒に話を盛り上げるのに対し、猫たちは自由自在、融通無碍、場所も時間も飛び越えて、チエちゃんと一緒に盛り上がるかと思えば、猫だけの世界で冒険をする。

    吾輩は猫であるの現代版、最高の猫物語。

    大衆路線の双葉社らしい、雑然としていて、粗にして野だが非ではなく、明るく、前向きな本編と合わせてどうぞ。

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