- Amazon.co.jp ・マンガ (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575930320
感想・レビュー・書評
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やがて「AKIRA」を生むことにつながる、日本のサイキックアクションコミックの嚆矢といえる作品。ストーリーや設定自体当時としてももはや珍しいものではなかったが、これを紙にペンで描くなんて誰も実際にやる人なんていなかった。高島平団地をモデルにしたといわれる高層マンモス団地を全部手書きで(一部コピーは使ったろうけど)描くなんて狂気の沙汰。団地の階段、敷地内の公園、長い廊下、ありとあらゆるアングルで描かれる団地の風景は昭和団地遺産好きにもたまらない。それが超能力で破壊され、砕ける鉄筋コンクリートの塊が何カットも続き、その迫力に圧倒される。
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これが出た頃の衝撃たるや相当凄かったんじゃないだろうか?それくらい今までの漫画とは異質であり圧倒的な画力、絵の迫力、ストーリーの斬新さに魅了されずにいられない。日本の漫画界を語る上で「大友以前、大友以後」とひとつの分水嶺のように語られるのはまったく当然であろう。のちにジャパニメーションといわれ世界を席巻していくことになる日本のアニメ界の強力な牽引者、大功労者のひとりである。それくらいの天才、才能を持ったひとだと思う。奇しくも2019年の現在はAKIRAの時代設定の年であるが(来年東京オリンピックを控えているのまで一緒)むしろこの童夢の方が今の時代にとてつもなくマッチしている気がした。もはや寒気すらするくらい(高齢化による人口の減少、経済の後退。疲弊した経済と民衆の荒廃。祭りのあとのような狂乱の後に来るどっちらけた冷めた民衆のシニカルで偏執的な心情が実に今とそっくりではないか。そしてさらに荒廃と退廃が進んだ数年後にはAKIRAの世界のようなネオトーキョーの日本が出現することになるのか?あるいはもっとマシになっているのか?あるいはもっと悪くなってシンシティのようになっているのか?ここからが本当の「未来の黙示録」なのかもしれない。なかなかハードな時代がやってくる、われわれが後に残すのはそういうグロテスクな世界かも知れない。大友克洋の作品は全て読もう。
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壁にへこむやつはヤバい!!!!!!!!
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ミもフタもないジャパニーズ!!が
ミもフタもないその辺の集合住宅!!にゐる。
この本は「なので こんなん買わんわ」ではなく、脊椎反射で買ふのである。
認知症でボケボケにぼけちゃったぢぢいが蒐集した夥しい何かは、一々なんだか判明する。てふかそれを一々描く。このモチベーションがすごい。
超能力の描写、「椀状に窪む」とかは、なんかありさうで、「石飛ばす」と言ふのは、さう言ふの描いておけば超能力ぽく見えると言ふのが、中沢厚説だけども、ソレ勉強して書いてますっぽく見えない。 -
もはや古典といってもいいい作品なんだろうけれど、すごいね。画力がすごい。
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当時、大友克洋の表現に違和感を覚えるとともに芸術の可能性を垣間見た気がします。今回、書籍の整理をしていて奥付をみたら「初版本」でした。
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初めて漫画家を「神」だなと思ったマンガ。とにかく描き込みがすごい!超能力マンガ?とは言い切れぬほど大友克洋のテクニックがひかる作品。後の「AKIRA」につながっている。。。
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有名なズン壁が見たくて。
リアルな作画に不気味な雰囲気、顔面度アップにズン壁。今では大友先生の影響を受けたような漫画が多くあるが、童夢発表当時に読んでいたらもっと革新的だと思ったのかな、私は生まれていないのだけど。
超能力バトル漫画の歴史を感じます。 -
かなりえぐいのに、目が離せなかった……。