ボギー ――怪異考察士の憶測 (二見ホラー×ミステリ文庫 く 1-1)

著者 :
  • 二見書房
3.73
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本棚登録 : 130
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576211091

作品紹介・あらすじ

ホラー作家である私は、頭の中に爆弾を抱えていた。幼き日に頭の中にこびりついたこの爆弾は活動を停止していたが、ついに活動を再開してしまった。「祟り」というべきこれのことを著名な怪異サイト『ボギールーム』に投稿したところ、管理者から連絡があり、謎の解明を約束される。やがてサイトの怪異考察士として、活動するようになった私は、自身に起こったことを究明していくことになる――その先にあるものは果たして……

感想・レビュー・書評

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  • なかなか興味深い。
    装画が気になり購入。
    管理人はワタシ自身だとは思っていたが、実際にワタシが2人いるとは思っていなかった。
    大福山が艇だということも...。
    天蛹は黄泉戸喫。食べてしまったからには、奇妙な町に囚われつづける。

  • 頭の中の「祟り」に迫るホラー。バラバラに集まったはずの話なのに繋がりが見えてくる構図が大変好みなので、読んでいてわくわくした。因習やら信仰やら怪しい背景が少しずつ明らかになるのも面白い。
    真相に「えっ?」ってなる上、結局何だかよく分からないけどそれもまたいい。

  • これ、面白かったよザクローン!

  • んー

  • まあまあ。
    設定やエピソード自体は楽しく読めたけど、この話の流れとして様々なエピソードが出てくるところに辟易した。合わなかった。面白いんだけど、読むのがだるくなってしまって何度か投げてなんとか最後まで読みきった。
    町全体がシステムっていうのが良いな。
    クトゥルフって言われてるが、そもそもクトゥルフについての知識があんまり無く、それを題材にしたものをかじってるだけなんだが、これはクトゥルフなのか?っていう印象。いや、異世界の神とか異次元はあるし、支配もあるけれど。
    これでクトゥルフ認定するんだなあっていう印象。

    空からなにかがやってきてひょいっと自分を掴むかもしれないという恐怖は自分も考えたことがある。同じ考えを持つ人がいて嬉しい。
    もう一人の自分の恐怖はピンと来なかったけど、この本を読んでじっくり迫ってくるところで、同調出来た。いや、やっぱ怖いよな。自分の名前や居場所をとられるのは怖い。前もそう思ってたのに忘れてた。

  • 楽しかった!
    ホラーですがミステリな部分もあって美味しい本ですね。

    途中真相に気づいたときは呼吸が荒くなりましたが最後は無事(???)に終わってよかった。

    ひとだま、火車、ろくろ首とかの考察が一つ一つ話としても面白かったのでとてもボリューミーに感じました!

  • 何とも不思議な感じのする話だった。
    冒頭で主人公自ら断りは入れているのだが、彼の考察、怪談話に昔の新聞記事、そして「神目」なる怪異サイトの管理人からのメール本文が入り乱れた文章になるので、それぞれの話の境界が曖昧になっているというか。
    一応フォントなどで分けられてはいるので、混乱する筈はないのだが、それぞれの世界が濃厚に練られているためか、いい具合に混ざり合って、いい意味でカオス化しているというか。
    どの話がこの世界における「真実」で、どの話が「虚構」なのか。
    そもそも、この作中で登場する出典は現実世界に実在する作品からなのかなどなど。
    読んでいるこちらの世界との境界も段々曖昧になってくるので、そういう意味でも怖くはあった。
    この世界に引きずり込まれると、戻れなくなりそうな、そんな予感というか。

    ただ読み終えた後にこれはホラーの話かと問われたら、「うーん」と言ってしまうのも事実。
    というか、「何だこれ」というか。
    「神目」の正体、そして主人公の正体を知ったときの衝撃は十分興奮したし面白かったのだが、終盤の解決編が特急並みの駆け足、かつホラーとしては、ある意味禁じ手では?な展開になるので、ホラー話としては失速した感じが否めない。
    「実はホラーではなくて、別のジャンルの話でした!」な移行は、人によっては戸惑いそう。
    少なくとも自分は戸惑ったし、「そりゃないだろう!」と叫んでしまった。
    その直前までは非常に非常に面白かったので、あのオチはちょっと納得しづらいと言うか。
    どうも現実的に解釈できる真相か、それが無理なら本当の怪異として描いてほしい願望から自分は抜け出せていないようだ。

    ホラーらしく不気味さを残した救われているようで救われていないラストなのはよしとしても、その「実際に彼の背後に見えている」背景の世界観は最後までちょっと受け取り難く。
    ゆえに不思議な感じのする物語だったと評してまとめておこうと思う。
    「火車」や「ヒトダマ」などの怪異の考察は本当に面白いのだ。
    そこは間違いないのだけれども。

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著者プロフィール

黒 史郎 (くろ・しろう)

小説家として活動する傍ら、実話怪談も多く手掛ける。「実話蒐録集」シリーズ、「異界怪談」シリーズ『暗渠』『底無』『暗狩』『生闇』『闇憑』、『黒塗怪談 笑う裂傷女』『黒怪談傑作選 闇の舌』『ボギー 怪異考察士の憶測』『実話怪談 黒異譚』『川崎怪談』ほか。共著に「FKB饗宴」「怪談五色」「百物語」「怪談四十九夜」「瞬殺怪談」各シリーズ、『未成仏百物語』『黄泉つなぎ百物語』『ひどい民話を語る会』など。

「2023年 『横浜怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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