- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784576220345
作品紹介・あらすじ
学校で苛烈な虐めをうける宇打ひじり。クラスでは言葉によるものだけではなく、暴力もうけており、死をも考え始める。そんな状態の中、美しいクラスメイトの夕実から毒を使って一緒に仕返しをしようと誘われる。夕実も校内で悍ましい仕打ちをうけていた。彼女に誘われるまま、仕返しを考えるようになったひじりは、夕実から毒の知識を得るとともに、彼女からの指示によって毒物を集めて報告するなど、憧れや恋に似た依存を強めてい
く。そんな中、夕実が……。
感想・レビュー・書評
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❇︎
学校という閉ざされた空間の中での虐め。
積極的な首謀者と傍観者という名の共犯たち。
見て見ぬふりをする教師。
家族はバラバラで家にも居場所なんてない。
苦痛ばかりの毎日から逃げ出し、全てを
終わらせたいと思ったひじりは、偶然
同じように虐めに合っているクラスメイトの
夕実から声をかけられる。
夕実との出会いはひじりに希望の光を灯すが、
同時に毒のように徐々にひじりを狂わし始める。
とびきり美しく妖しい猛毒に魅入られ、
魅せられた少女の物語。
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荒唐無稽な学園ミステリー?ホラー?
いじめの描写も、教師の態度も、家族の存在感全て薄っぺらく、主人公のキャラクターの方針もブレブレで非常に残念な本でした。技術的な部分が追い付いていないような印象を受けました。 -
続編強く希望!続き気になる終わり方で…
とりあえず妄想しておきます。
ネタバレになるから、言えないけど後半が『うわ。マジかぁ。』って思いました。
本当に帯通りの美しい女王蜂でした。 -
確かミステリとして発売されたと思うのだが、個人的にホラー要素のほうが濃いと思う。「ノックスの十戒」を破っているからだ。なので、ホラー作品として語る。
とにかく予想もしていないことが次々と起こる。しかも超常的な力によるものではなく、明らかに誰かが行っている。それがわからない。その点では十分に楽しむことができた作品だ。 -
いじめのターゲットになり、学校でも家でも悲惨な、食べる事にも苦労している様子がリアル。よくも悪くもない。読みやすかった。
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一冊、丸ごと毒にまみれた不快感100%作品。
主人公は学校で苛烈ないじめを受け、家族からも疎まれている宇打ひじり。
自殺を決意した日に、美しいクラスメイト・夕実に声を掛けられ、いじめ加害者を毒で殺害する事を持ち掛けられる。
美しい夕美にどんどん惹かれ、恋に似た感情が高まり、彼女に言われるがまま僕のごとく行動する従順なひじり。
百合要素にイヤミスをミックスさせた本作だが、登場人物が揃いも揃って癖の強い人ばかり。
次々と起こる事件、犯人は一体誰?
先が気になり一気に読み進め明らかになった黒幕にゾッ。
毒と狂気に胸やけする。 -
日々、凄惨なイジメに耐えるだけの高校生ひじりに、美少女の夕実だけが近づき、ある日、クラス全員を殺さない?と持ちかける。劇薬の農薬や自然界にある毒物に詳しい夕実は、毒による殺害を提案。夕実の妖しい魅力と、イジメの復讐という提案の虜になったひじりは、夕実への依存度を強めていく。
女生徒二人による犯罪計画の顛末やいかに!
青蛙、と名のるからには、著者は岡本綺堂のような怪談が書きたいんでしょうか。ホラーという括りで評価するなら、なかなか怖い話です。どこから殺人鬼の魔手が伸びてくるかわからない展開で、正体不明の敵に対処しなければならない不安感は、ゾクゾクします。
もちろん最後に種明かしはあるので、ミステリーと言えなくはないのですが、ミステリーとしては禁じ手を使っています。本格ミステリーファンが読んだら、きっと怒ります。著者はわざとやったのでしょうか。
ミステリーとはっきり標榜しているわけでもないので、スクールガールコンプレックス的な表紙から連想するように、百合を全面に出した復讐劇、ホラーに終始したほうが良かったんじゃないかと個人的には思います。一気に読み切ってしまう、引き込まれる展開だっただけに、ラストが残念です。
スプリーキラーにも衝動的なタイプと知能犯のタイプがいて、明らかに今回の犯人は後者。人を思い通りに操ることに快感を覚えるタイプなのだから、他のストーリー展開に出来なかったかなぁ、と思います。