外国から来た魚: 日本の生きものをおびやかす魚たち

著者 :
  • フレーベル館
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  • Amazon.co.jp ・本 (117ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784577038420

作品紹介・あらすじ

「外来生物」という言葉を聞いたことはありますか?もともとその場所にいなかった生きもののことです。いま、外来生物が世界中で問題になっています。もとからそこにすんでいた生きものたちに大きな影響を与えるからです。日本でも外来生物の問題はどんどん深刻化しています。しかし、多くの人がまだそのことに気づいていません。この本の著者は水中で写真を撮影する水中カメラマンです。カメラマンになってオオクチバスという魅力的な被写体に出会います。そして、オオクチバスを通して外来生物の問題に気づきます。小学校中学年から。

感想・レビュー・書評

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  •  オオクチバスもブルーギルもチャネルキャットフィッシュも産卵期には卵や稚魚を守る習性があるんだということをはじめて知りました。どおりで,外国(日本)に来たのに爆発的に増えるわけです。
     著者は,バス釣りに興味を持ち,スキューバーダイビングと水中カメラマンとの出会いがあり,その道に進みます。しかし,中井さんとの出会いをきっかけに,単にオオクチバスなどの生態写真を撮るばかりではダメではないかと気づきます。

    「琵琶湖にもぐっていて,オオクチバスとブルーギルしか見かけないのはおかしいと思いませんか?」
    と呼びかけられて,はじめてそのおかしさに気づくのです。
     その後,著者は,「バスフィッシング雑誌」から手を引くことになります。そして,全国の淡水魚の様子を写真に収めようと動き出すのです。

     釣り好きの少年が,人との出会いの中で成長し,生物多様性などの視点を身につけ,理論的に変化していく。淡水魚好きで写真好きな性格はそのまま生かしながらも,少しずつ変化する青年の様子が見えてきます。
     一キャリアとしてもたのしく読める本ですよ。高学年以上の子どもにお薦めします。

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著者プロフィール

水中生物写真家として淡水魚を中心に、水の生物を幅広く撮影。水中写真はもちろんのこと、図鑑に欠かせない標本写真も手がける。著作に『ざざ虫―伊那谷の虫を食べる文化』(フレーベル館)、『うまれたよ! タガメ』(岩崎書店)、『はじめて金魚と暮らす人の本』『川魚の飼育と採集を楽しむための本』(以上、学研プラス)など。

「2019年 『きんぎょびじゅつかん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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